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化学発光は

 化学反応で光が出たときに蛍光が、結構、点灯する過程である。これを使った活性酸素種のモニター、病原性感染の診断が行われ、さらにはクロマト、電気泳動、免疫学的検定、核酸アッセイやグロッティング実験での検出光としても利用されている。これらの分野ではこれまで主にSchaapの反応剤が利用されているが、それは有機溶媒中では良好に作用するものの水中ではほんのわずかしか発光しなかった。それに対して混合系であるSchaap反応剤、界面活性剤、励起できる蛍光染料の組合せは、水中でもおよそ100倍の明るさを呈する。ただし毒性のため混合物を細胞中で利用することはできない。そこで研究者らは電子求引性置換基を反応剤のフェノレート基の共役位置に組込み長いπ電子系をつくり、これによって水が主成分の溶媒中でも強い光を得た。アクリロニトリルと塩素を組込んだ系では、通常のSchaap反応剤の1000倍の光を得ることに成功し、これはルシフェリン-ルシフェラーゼとほぼ同等の明るさである。また細胞に入り込むこともできて遺伝子改変も必要ない。これによって単一細胞の中のβ-ガラクトシダーゼ活性のイメージングが行われ、水中でアルカリホスファターゼ、グルタチオン、過酸化水素の検出も行われた。明治の頃にはなかったイメージングである。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 20, p. 5.

DOI: 10.1021/acscentsci.7b00058

17.4.11

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