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メタロセンを持つ

 高分子、たとえばフェロセニルシランのようなメタロセンユニットから構築した高分子は、サンドイッチ構造で知られる強い鉄—シクロペンタジエニル共有結合のために、安定である。一方で亜鉛配位錯体は柔軟な金属—配位子結合を有しており、詳細はともかく、光照射で壊れる。今回研究者らは、金属高分子をつくることでこれらの挙動が可逆的にスイッチする系を、ニッケロセンを用いて開発した[1]。フェロセンと違って価電子が20のニッケロセンは、二つの余分な電子が不対で、次いでより長いより弱くて開裂しやすい金属—シクロペンタジエニル結合が導かれる。得られた高分子は、溶媒、その濃度、温度、時間に応答して特性が変化する。たとえばトルエンのような低極性非配位溶媒中では安定である一方、ピリジンのような極性配位溶媒中では、動的な開裂が進行する。さらに不対電子があるため溶解性のある、簡単に加工できる磁気材料への応用も、直にできる可能性もある。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 20, p. 6.

DOI: 10.1038/nchem.2743

17.4.14

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