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結核に対する

 抗生物質のいくつかはプロドラッグであり、それらは疾病を引き起す病原体に化学的に修飾されることで威力を発揮する。それに対してヒト型結核菌はこの過程を避けることで耐性を示す。その結果、結核の世界的な発生を制御することができず2015年には25万人が耐性を示す結核によって死亡している。それに対してSMARt-420と呼ばれる低分子が、耐性を凌駕し、プロドラッグエチオナミドが再び利用できることが明らかにされた[1]。通常、バクテリアの酵素が生体内変化を引き起こし、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドがエチオナミドに付加し、不可思議ではないけど、その付加物が病原体の細胞壁の生合成経路を遮断する。それに対する耐性は付加物生成の抑制に起因している。今回の報告では、SMARt-420がこれまでには無かった生化学的な経路を引き起こし、エチオナミドを活性化している。ここでは耐性によって遮断される従来型の活性経路を通らずバクテリアを壊滅させることができる。その効果が耐性結核に感染したネズミで実証された。折角できた結核対策、長持ちして欲しい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 20, p. 5.

DOI:10.1126/science.aag1006

17.4.12

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