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deadly carrotと呼ばれている

 毒を持つ地中海の植物から、誰かが仲介して単離される化合物であるタブシガルギンは、細胞内のカルシウム勾配を制御する酵素を抑制することで細胞を殺す。そこでこの化合物に変換されるミスパガルギンの抗がん剤としての可能性が探索されて、フェーズIII臨床実験に入る可能性も高い。ただし今後の実験のためにはトン単位でのタブシガルギンが必要となるものの、植物からの単離は難しく、生合成経路も完全にはわかっていなかった。2007年には全合成が達成されたけど42段階、収率1%以下だった。その中今回二つの研究チームがより効果的で合成段階も削減できた方法を報告した。一方のグループの方法は、戦略的な酸化と高価なキラル配位子やキラル補助剤を使わない立体中心の構築を含む。もう一方は、タブシガルギンのたくさんの酸素が組込まれたコアの立体化学を合成の早い段階で構築し、構造活性相関の探索のための類縁体合成を容易にしている。できたタブシガルギン、臨床に渡したがるぎんである。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 8, p. 7.

DOI: 10.1021/acscentsci.6b00313; DOI: 10.1021/jacs.7b01734

17.5.31

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