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モンタナにある

 見捨てられた採掘ピット、退屈だった場所かもしれないけど、そこから得られた二種類の菌類を培養することで、四種類の耐性菌を退治する化合物「バークレーラクトンA」が得られた。1983年に停止された銅鉱山から出てくる地下水などで湖ができたが、その水のpH2.5で、鉄、銅、ヒ素、カドミウムを含む重金属が水に含まれていた。その毒性のために数千の渡り鳥(ハクガン)が命を落としていた。それとは対照的に微生物にとっては心地よい場所で、菌類は炎症、細胞死、ガンの転移を抑制する化合物を生み出していた。ただし抗生物質は構成されていなかった。そこで研究者らは、同じサンプルから得た二種類の菌類を、工夫した方法で培養して、新しい生理活性化合物を見出した[1]。それはラクトン骨格を含む16員環のマクロライドで、エリスロマイシンのような抗生物質の構造と類似である。ただしバークレーラクトンAには糖鎖も二重結合もないため、従来の抗生物質とは異なる作用機序であると考えられている。モンタナも大したもんだな。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 April 24, p. 3.

DOI: 10.1021/acs.jnatprod.7b00133

17.5.15

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