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ホウ素

 周期表で愛おしい変わり者、空のp軌道のために独自である。ボロン酸、ボロン酸エステルは、鈴木クロス・カップリング反応のパートナーや、高分子、さらには抗がん剤としても活躍する。その中今回、カルボン酸をボロン酸やエステルに変換する単純で実用的な方法が報告された[1]。ここではまずカルボン酸をレドックス活性なN-ヒドロキシフタルイミドエスエテルに変換する。ついでこれがニッケル触媒、ビピリジン配位子、ビス(ピナコール)ボラン存在下、脱カルボキシル化ホウ素化反応を引き起し、ボロン酸エステルを与える。この二段階反応は容器をようけ使う必要はない、一つで足りる。ついで加水分解によってボロン酸に至る。反応は幅広い官能基を許容し、密に官能基化された分子を導くことができる。バンコマイシンのボロン酸アナログ、多発性骨髄症治療薬であるボルテゾミブ、人の好球中エラスターゼ抑制剤のボロン酸アナログも提供し、その活性評価も行われている。その応用できる範囲は計り知れない。でも量りは知っている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 April 17, p. 4.

DOI:10.1126/science.aam7355

17.5.7

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