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ナノ科学者が

 グラファイトとファイトし、放電によって最初のカーボンナノチューブをつくる数十年前、合成化学者は反応容器の中で、同様の小さな構造を巧みに作り上げようとしていた。ただしそのときの検討では、ベルトの形をした全てが縮環したベンゼン環からつくる試みで相当に難易度が高かった。10年前に質量分析によってわずかにそのような構造は観測されたものの、これまで誰もカーボンナノベルトを十分に合成し単離できていなかった。その中今回名古屋チームは、12個の芳香環から連続Wittig反応続くニッケル触媒によるアリールアリールカップリングによって、思いがけずにナノベルトを作り出した[1]。全体収率は0.2%だけれどもX-線構造解析には十分であった。結晶構造は、ナノベルトの赤道における結合がベンゼンと同様の長さである1.4 Åであること、残りの結合は単結合や二重結合性を有していることを示していた。得られたナノベルトは、種分子として、様々に分身し、明確な構造を有するカーボンナノチューブへの変換に利用できると研究者らは考えている。ナノの次はピカ(コ)チューブか。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 April 17, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aam8158

17.5.13

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