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アリが怪我をしたとき

 人とは違って、助けを呼ぶことはできない。その代わりある種のアリは、化学的なSOSを発信して安全を確保することがわかった。サハラ砂漠以南のシロアリを捕まえるアリ、触らなくても、戦いで負傷したときに、ジメチルジスルフィドやジメチルトリスルフィドを出すことがわかった[1]。このフェロモンカクテルは、より大きな同種のアリに助けを求める合図であり、合図を受けたアリは、負傷兵を救い出し保養場所まで連れて行く。傷ついた仲間を助けることで死に至る戦闘アリの数を減らすことになる。モデル研究の結果は、この救出戦略によって、コロニーのアリの数は30%程度多いことを示していた。このふるまいは進化上の軍事競争の一つである。アリによって捕獲されたシロアリは、餌として運搬されることをよしとしない。そこで兵隊アリは、シロアリ防衛部隊の鋭い顎で足を失ってしまう。命が助かった場合、この傷病戦闘アリは、1日以内に巣に戻り、より少ない足でどう歩くかを、安全な巣の中で考えている、ありがたや。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 April 17, p. 8.

DOI: 10.1126/science.aam8743

17.5.12

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