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2017年6月

Synlettは

 いわゆる「intelligent crowd reviewing」(知的な大衆による査読)と呼ばれる実験を行っている[1]。科学雑誌の査読(peer review)は、三人の匿名の審査員が同じ研究分野から選ばれて、その人たちが、編集委員から送られた投稿原稿の質を判定する。それに対してIT企業と共同でSL誌は、審査員のための保護されたオンラインフォーラムを立ち上げた。著者の許可を得て10の投稿論文をそこにアップし、同じ分野のおよそ100の審査員に72時間公開した。これによって彼らが選んだ論文を無記名で評価できる。さらにはその中の他の人の審査結果にも意見を述べることができる。同時にいくつかの投稿論文については従来の審査過程での審査も行われた。今回の試験は時々言及されている「公開された投稿論文に誰でもがコメントできる大衆による審査」とは違う方式であり、また従来法に比べると迅速(数週間だったのが3日)で、より大局的なフィードバックが得られる。論文の著者も大衆のコメントが完璧であることと速さを認めていた。SL誌のこの実験は続くが、すべてをその方式に変えるにはまだ早いとのことである。

蒸気機関車の如く、SLは走り出している。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 12, p. 7.

DOI: 10.1038/546009a

17.6.30

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高い品質の

 半導体結晶を成長させることは難しい。そのためには高温、高反応性前駆体に様々な装置が必要であることも承知しなくてはならない。電気化学沈澱は、このプロセスを単純化出来る可能性があるものの、通常の溶媒を使うとアモルファスなジャンクになってしまう。その中今回、電気化学の手法がこの課題解決の一助になることが報告された[1]。研究者らは水溶性酸化ゲルマニウム溶液から始めて共晶ガリウム-インジウム(eGaIn)をつくった。この液体金属は、溶液と固体のシリコン基質の間に中間の層を形成する。水中で還元されたゲルマニウムは、接触面を通ってeGaInに入り込みシリコンに移動する。eGaIn層の厚さをチューニングすることで、ゲルマニウムが高い品質の結晶フィルムとして積層される。この安価な実験台で行う方法は、従来法とは異なり室温で行うことができる。研究者らはさらに液体金属を探索し、他の研究者にも半導体回路やデバイス作成方法を考えなおすように促したいとしている。液体金属への期待継続している。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 5, p. 9.

DOI: 10.1021/jacs.7b01968

17.6.29

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分子レベルでの

 分子の動きを制御するための方法、分子の動きを同期させて増幅させる方法に関する新しい基礎的な成果が発表された[1]。新しい分子には、漫才コンビならぬ、モーター・ローターのどちらも組込まれており、より複雑な人工ナノスケールでの動きの解明を可能にしている。方向性のないモーターは、インデニル基とフルオレニル基が二重結合を介して連結している。ここにナフチルローターがモーターのインデニル基のベンゼン炭素上で共有結合で連結している。これに光照射するとモーターの二重結合の異性化を引き起こし系は動き始める。モーターが回転すると、ナフチルの外側の羽がフルオレニル基に平行してスライドし、その結果ローターは常にモーターとは同じ側に位置している。核磁気共鳴スペクトルならびに円二色性スペクトルのいずれもこの同期した動きを示していた。この期待の動きのためには、ローターの自由回転を抑える必要があったが繊細なバランスでそれを達成している。さらにより大きく長距離間の動きの増幅が考えられている。分子機械を認識する機会でした。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 5, p. 6.

DOI: 10.1126/science.aam8808

17.6.28

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ポジトロン断層法を適用するときは

 サイクロトロンでつくられた単純な同位体ラベルの出発化合物から放射性イメージング化合物を調製し始める数分前から、医療的な処置が始まる。リポーター生体分子が身体の中を移動して、タンパク質の発現、薬品の送達、代謝を評価し、疾病の診断、健康診断が行われる。そのための分子として18Fの半減期が110分であることから18Fラベルが利用されてきたが、18F化学の特異性からイメージグ剤は中程度の放射活性であるという課題もあった。その中半減期20分の11Cを利用するために、それを組込む方法が開発された[1]。一つ目は、11CH4CoF311CHF3に変換し、さらにCu11CF3に変換する。これと抗うつ剤であるフルオキセチンの前駆体であるヨウ化物との反応で、11CF3化された化合物を調製している。始まりから完了まで20分以内である[2]。もう一つの方法は、11Cラベル化されたシアン化水素(H11CN)を使う。思案する間もなく、ナノモル量の未修飾ペプチドに11Cシアノ基を温和な条件で組込むことができる[3]。カーボンイレブン(11C)、セブンイレブンにもあるかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 6, p. 5.

[2] DOI: 10.1002/chem.201701701

[3] DOI: 10.1021/jacs.7b02761

17.6.27

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タンパク質のような

 高分子の構造を解析するために、遷移金属や他の重い原子を結晶に組込み、データ解析を行うことはよくある。ただし超高強度のフェムト秒のX線パルスを使った自由電子レーザーが開発されてこれで結晶構造データが改善されるにつれて、これらのX線パルスが重原子と相互作用し、サンプルを変化させたり壊したりする放射ダメージをイメージしたい状況になってきた。その中今回キセノン原子とヨウ素を含むサンプルの超高強度X線パルスの影響について解析が行われた[1]30フェムト秒のレーザーパルスは、8.3 keVの光子エネルギーを持ち2x1019乗)ワット/cm2である。パルスはキセノン原子(n = 54)をイオン化し、+48の電荷状態に、ヨウ素原子(n = 53)+47にイオン化する。これらは中強度のレーザーの結果とは対照的だった。シミューレーションによれば、超高強度X線パルスは、ヨウ素原子からより多くの電子を放出させて、分子内電子移動も起こり、陰電荷が残った別の分子からヨウ素へ効果的にシフトさせていることを示していた。パルスがパッとする電子移動である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 5, p. 5.

DOI: 10.1038/nature22373

17.6.26

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惑星探査機キュリオシティーは

 2012年火星にある28億年前にできた直径150 kmのゲールクレーターに着陸し、岩化学の研究に着手した[1]。探査機の任務が無期限延長されて、火星の歴史の中で、微生物が生きていた時代を特定する試みが進行中である。1300日の探索の結果、昔の湖は、中性からアルカリpHの間の鉱物を含み、これが38億から31億年前、生命を維持していたと結論づけた。また実質的に地球の地質と同様な地質の層になっていたことも示された。表面では大気から光化学的に発生した酸素がそこの水と混ざって化合物を酸化、酸化された鉄鉱物や粗粒の構造のフィロケイ酸塩が岩の中で形成していた。一方内部にある水は酸化剤を含まず、岩の中にはきめの細かい堆積物を持ったシリカや混合原子価鉄が形成していた。キュリオシティーのデータはさらに、微生物が居住しうる多くの環境が湖にあることも示していた。この環境が酸化剤の多少にも関わらず健康に生きうる微生物を育てていた可能性もある。さらに湖は徐々に乾き始めて塩が増加し、河底堆積物の中に、探査機が発見した硫酸カルシウム鉱脈が出来てきたかもしれない。探査機、わんぱくでたくましい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 5, p. 4.

DOI: 10.1126/science.aah6849

17.6.25

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均一系遷移金属錯体に

 触媒活性を持たせるにはジャンプスタートが必要である。そのため銀塩あるいはホウ素化合物のようなルイス酸活性剤を加えて、触媒金属上の配位子が除去される。この状況を回避するために今回、アンチモンルイス酸性部位が白金に直接連結した触媒が設計されて、自己活性触媒系が構築された[1]。研究者らは電子不足な典型元素化合物の合成、アニオンバインディングやレドックス特性の解明を行っている。SbPt錯体の合成を行っていたところ、Sbが様々な配位数をとる特性(coordination noninnocence)を見出し、これによってSbにはトリフラートのような弱い配位力のアニオン、塩化物イオンのような強いアニオンのいずれも配位できる。そこで新しいSb-Pt錯体では、求核的な基質が求電子性白金の反応性部位に接近した時にこの特性が発揮される。すなわち白金からの塩化物イオンのSbへの移動がPtの反応性部位を開放し、Ptが触媒的に活性になる。このSb-Pt錯体は、エンイン環化、プロパルギルアリールエーテルのヒドロアリール化を、塩素を引き抜くための反応剤を加えることなしに触媒することができた。アンチモン研究の一門からでした。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 29, p. 11.

DOI: 10.1021/jacs.7b03287

17.6.24

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メノポーズは

 体重増加、骨密度の低下のような女性の健康問題と関連がある。また卵巣刺激ホルモン(FSH)のレベルが劇的に増加する。以前、FSHを標的にした抗体はネズミの骨の量を増加させることは実証ネズミだったが今回、身体の脂肪の減少、代謝が向上することも示された[1]。ネズミでFSHをブロックするとメノポーズで起こる様々な徴候を直接的に軽減できて、肥満、骨粗鬆症、循環器疾病やガンのような症状の治療も期待できる。FSHは、雄でも雌でもほ乳類の下垂体で生産されて、雌では卵胞の成長を刺激することに加えて、多くの別の再生産過程も制御している。今回まず卵巣を取り除くことで高いFSHレベルを持つネズミに高脂肪な餌を与えた。そのネズミたちにFSHのひとつのサブユニットである合成のマウス抗体が使われた。雄・雌どちらでもこの抗体を投与したところ、脂肪軽減と代謝の向上が見られた。その抗体の作り方も乞うたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 29, p. 9.

DOI: 10.1038/nature22342

17.6.23

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ゼオライトに埋め込んだ

 カーボンドットで、現在人気上昇中の遅延蛍光特性を有する新しい材料が、従来のものより室温常圧で長い間蛍光発光することが報告された[1]。いわゆる熱活性化遅延蛍光(TADF)材料は近年、高い量子効率であることから、センサーやフラットパネルディスプレイのような様々な応用が期待されている。カーボンドットは10 nm以下のサイズで、毒性もなく、生体適合性を示し、安定であることから、TADF材料のよく知られた候補である。光はカーボンドットの電子を三重項状態に励起し、その電子の一重項励起状態への移動によって、遅延蛍光が出る。ただし大気中の酸素のような外部にあるものが、光子が放出される前に、電子エネルギーを吸収しうる。そこで研究者らはゼオライトマトリックスにカーボンドットを埋め込むトリックで保護した。得られた材料は350ミリ秒の蛍光寿命を示した。従来の同様のものの寿命が数ミリ秒であるのとは対照的である。ゼオライトがライトをキープしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 29, p. 11.

DOI: 10.1126/sciadv.1603171

17.6.22

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17ONMRは

 様々な有機、無機化合物の構造や反応性の研究には有用な方法である。ただし17Oの天然存在比がわずか0.04%であるために同位体をたくさん組込んだサンプルの調製が必要なため、このコストと時間がかかることが課題だった。その中、17Oラベリングには、反応剤と量論量の17Oが豊富な水を組合せた、ボールミルの中で混合物をすりつぶす方法が報告された[1]。反応を引き起すためのボールミルの中でのすりつぶしは、メカノ化学のであり、比較的速くて便利な方法であることから近年広まりつつある。ボールがミルの中でぶつかるのを見る。そこではせん断応力や温度上昇の様な効果で、粒子の間の面での化学を刺激する。今回は17Oの豊富な二当量以下の水と金属水酸化物を使って30分のすりつぶしと加熱を経て17Oが豊富な金属酸化物が調製された。17Oが豊富なMg(OH)2あるいはCa(OH)2 60 mgが固体のNMRでの17Oレベルに適していた。有機化合物としてはカルボン酸が注目されて1,1'-カルボニルジイミダゾールを加えてカルボキシル基を活性化し、17Oが豊富な水と混ぜ合わされた。全体のプロセスは2時間以内に完了である。メカノ化学、儲かんのかなあ。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 29, p. 8.

DOI: 10.1002/anie.201702251

17.6.21

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薬を

 クスリともせずに飲む。この場合二種類の薬を同時に飲むと有害な影響が出るのが通常である。それに対して今回、化合物ライブラリーを探索し、一つよりも組合せたほうが薬耐性ガンと戦うことができる系(コンボ)がデーターベース化された[1]FDAが承認している30000以上のリストは好ましい組合せを効果的に探すのには大きすぎる。そこでスクリーニングが容易なグループとして、同一の活性を持つ重複しているものや生物製剤を除外し954の全身に活性のある低分子に絞り込まれた。これらを構造と既知の活性をもとに分類分け、ソフトを使って代表的な物質を選び、CLOUDと呼ばれる308化合物のリストができた。ついでガン細胞に対してCLOUDをスクリーニングし、前立腺ガンの治療薬であるフクタミドと抗血栓症薬のフェンプロクモンが相乗的に作用し、薬耐性の前立腺ガンを退治できることがわかった。CLOUDにないこれらと同様の効果を示す薬も相乗効果を示したことから、絞り込みの妥当性も示された。コンボ、今後も探索が続く。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 29, p. 7.

DOI: 10.1038/nchembio.2382

17.6.20

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リン、ホウ素さらにはNHCが

 ルイス酸、ルイス塩基や配位子として大活躍する。遷移金属錯体のπ酸性向上を狙って三員環で電子受容能の高いNHCを使う。参院では思い浮かばないアイデアでこれは立体障害が極力抑えられている。今はドイツ在住、スペイン出身で奥様はドイツ人、語学の学習に適した環境。リン原子が求核触媒として作用する。こちらもリン原子を四員環に入れ込んでHOMOを上昇させている。そこに至った背景を紹介する論文引用は1800年代後半まで遡る。分子内の酸塩基の配位が興味ある反応性を示す。これらの成果を発表したメンバーが熱く語る投稿論文の審査。特命を受けた審査員匿名でなくてはいけない。ただし最初の審査結果をお互いが共有し、そこで最初の意見の変更があればそれを行うシステムがよい。そこで両極端のコメントは採用しないのもよい。現状Major revisionの場合にはその例もあるけど、最初の段階でそれを採用しているのはScience誌である。ただし編集委員の責務も大きい。中国、インド向けの情報発信を強化するACS。日本の論文誌はどうかと聞かれた。未だに編集委員で海外居住の人はいない。今日中に何か考えてみたい。

17.6.19

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連日夜更けまで

 つきあっていただいた。講演を聞いたあとの感想「あいつむっちゃおもろい」「凄い」もあれば「何をやりたいかがよくわからんなあ」もある。日本の現状、これからの展望、気鋭の先生方は陽気で元気もいい、でも研究やその周辺を見る目は瑞々しくて厳しくもあり暖かくもある。バンケットの晩、学生さんも交えて大いに盛り上がった。今回の会議ではポスターアワードがあるというワードはなかったけど実際には審査が行われていた。外国人は審査しんさで、カナダの先生方が担当された。その夜そこにいた受賞者をお祝い。数日前に「村井君のブログ」を知らないのかと言われていた学生さん、早速読んだらしい。「とんちが効いていますねえ」みたいな言、中には「とんちんかんな」部分もあると切り返す。前日までたくさんあったおつまみが枯渇してきた。どこかで入手したパスタを調理してくれるとのこと。皆さんに供された。パスタはパスしたあかん」と言いつつ、明日に備えるために先に戻った。

17.6.18

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世界で二番目に

 美しく、バンクーバーで最大、最古の公園スタンレーパークを訪ねた。すたれることのないこの公園では、水泳、バスケ、ゴルフなどのスポーツ施設もあるけど今回は馬車でいくつかの場所をドライブした。蹄が車道を蹴るパカ・パカが耳に心地よい。とっても高いトーテム・ポール前で一旦下車。先住民たちが、檜に何かのメッセージを込めて人や動物の顔なんかを彫刻した。コントラストの強い3色ほどで飾られている。再び馬車に乗る。右手には湾が広がる。その向こうには製油所が広がっていて,原油から取り出した粉末硫黄が鮮やかな黄色の山をつくっていた。人魚姫の銅像もどうぞ見てくださいとのこと、その左には大砲、かつては午後9時を告げていたそうである。はるか前方には吊り橋が見える。ICHAC-12のロゴにも採用されたライオンズゲートブリッジ、市と市の北側を繋いでいる。左に広がる森林にはアメリカヅカも多い。バラ園では、たくさんの花の中で蜂が活発に活動、そのバラバラな動きをカメラで切り取ろうとしたそのとき、蜂はあっちへ行った。

17.6.17

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青がベースの

 ポロシャツを着るDerek P. Gates先生、2年前フランス・カーンで開催されたICHAC-11で今回の会議の委員長を引受けられた。何かプレゼントしたいとしばらく前から考えていた。旨く使うと長持ちする物品はないか。そんな時ある人から個人情報を入手。密かに選んで持参してきたそれを、ウエルカムパーティーの場で贈った。「何か当ててほしい」ほどなく「一回のラウンドで三つは失くしてしまうので感謝」という回答。「made in Japanのこのボール、真っ直ぐにしか飛ばない・・・」生来のゴルフ好きという話がヒントになった、隙はなかった。バンケットがUniversity Golf Clubで開催される予定。Derekのティーショットで饗宴が始まることを期待。とは言え運動はできてもその日のラウンドはない。ゴルフクラブのレストランのシェフ、よく知る腕利きの料理人とのこと。185名が参加登録している。原住民の衣装で一生懸命なパフォーマンス、このオープニングで、ハプニングもなく会議が始まった。

17.6.16

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愛着も多い

 ICHAC(アイチャック)シリーズ12回目の会場はブリティッシュコロンビア大学である。広大なキャンパスには、講演会場、博物館、ゴルフコースや宿泊施設など一通りそろっている。それでもダウンタウンまで出かけた。バスの路線も多くて迷う中トロリーバスに乗車。空港なんかではプリペイドチケットも購入できるものの、正規料金二ドルを支払った。宿のフロントでもらった地図と窓の外を見ながら自分たちの位置を確かめる。概ね東西と南北に道が広がっていて、それぞれavenuestreetらしい。百貨店やレストランが道路脇にたくさん並ぶ。バスの車内には窓に沿って紐がある。これを引いて下車したいことを伝える。寿司店も多いけど、涼しい顔でそこはスルーする。ピザとスパゲティにビール。直径50 cmはあろうかという巨大なピザ、北米である。再びトロリーバスでキャンパスに戻る。今回はとろ〜り〜と動き出して、いくつかの停留所を過ぎたところでドライバーが交代。しばらく走る。目的地ではないけど全員下車、後ろのバスに移動。まあいいどと思っているうちに、乗換えたバスはキャンパスをパスしないで到着した。

17.6.15

 

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関西国際空港から

 エア・カナダルージュでバンクーバーに飛んだ。機内に入って着席。今時は定番になったスクリーンが目の前にはない。その分、目の前が空くり〜んと言うことはない。離陸体制に入る少し前には通常、安全のための説明が流れる。客席全体のスクリーンもなくて、映像解説なし、客室乗務員のパフォーマンスもなしで離陸。2時間弱して食事が配られた。いつものように飲み物はまずはビールを注文、ここでは有料とのこと、適ダわんなとカナダビールをリクエスト。時間がたっぷりあるので、パソコンのスイッチオン、WiFiが接続できる。そこで映画、TVのサービスがあることがわかった。それぞれの番組の予告編はスムーズに見ることができる。ただし本編を見るには、Panasonic Drmのダウンロードが必要とのこと。ダウンロードして映画を見始めた。バッテリーの減具合が気になり出した。前方座席左下にある電源。そこに差し込んだもののパソコン側の通常は青または橙色に点灯する部分が反応しない。プラグはあっても電源が来ていない様子。ダミーはだみ〜です。1時間半を過ぎた頃から電気の残り具合が気になり出した。映画は佳境に入る、バッテリーは苦境に近づく。やむなく映画後半は帰国便にした。それもえいがな、です。

17.6.14

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ハロゲン化アルキルは

 合成化学者にとって、頼りになる出発の反応剤である。とりわけヨウ化アルキルが高く評価されているが、これは最も弱い炭素—ハロゲン結合を有しているためである。一方でヨウ化アルキルは熱力学的には好ましくなく、これをつくる便利な反応は多くない。その中今回、C-H結合の直接ヨード化を可能にする新しいN-ヨーダミドラジカル前駆体が開発された[1]。この成果はC-H活性化の化学に関する経験と、反応性窒素中心分子の開発の経験が組み合わさって生み出されたものである。反応機構ならびにスペクトル的な研究は、光活性化を受けたヨード3,5,5-トリメチルヒダントインが今のところ、C-H直接ヨード化を実現できる唯一の化合物であることを示していた。実際にN-ヨーダミド反応剤が、直鎖ならびに脂環式アルカンのC-Hヨード化に利用されている。ベンジル位のヨード化も可能で、これまではなかったWohl-Ziegler反応のヨウ素版でもある。N-ヨーダミド、用度係にも常備したい、だみどすか?

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 22, p. 9.

DOI: 10.1021/acs.joc.7b00557

17.6.13

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光によって誘起される化学を

 標準化する方法を探索していた研究者らは技術協力の結果、光化学変換に使える小スケールの反応器を報告した[1]、新しい反応をやってみて失敗した時やあまりうまく進行しない時、そこにはなぜか曖昧さが残る。そこでこの曖昧さの除去は今さと、開発が始まった。ここで開発した反応器は多くの既知の光が誘起する反応を加速し、収率もかなり向上する。研究者らはこの能力は反応容器を大きくした時と反応器の中で、ほとんど一定の光子量にさらされるためであるとしている。システムは2から40 mLの反応容器を使うことができる。異なる光源に置換えることもできて、光化学を別の波長で行うことも可能にしている。メルクはこの反応器を誰でも利用できるように計画しており、どこの会社でも市販が可能である。その中Penn Optical Coating4900ドル/一台で8月に出荷予定で、反応器の納期もその頃である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 22, p. 9.

DOI: 10.1021/acscentsci.7b00159

17.6.12

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二つの原子が

 お互いに接していると言われるとき、それぞれの原子のvan der Waals半径の和よりも短い距離である。たとえば水素のそれは120 pmで、非結合性水素原子では240 pmである。その中今回、分子間の炭化水素のH•••Hコンタクトは160 pm以下まで縮めることができることが報告された[1]。研究者らは、トリ(3,5-tertブチルフェニル)メタンダイマーの結晶を20ケルビンで中性子ならびにX線回折で研究し、中心の水素同士の間の距離が156.7 pmであることを明らかにした。さらに、結晶と気相中での構造を、競うことなく計算を行った。これらの結果は、結晶のパッキングに加えて別の力が強い繋がりに働いていることを示唆していた。研究者らは、t-ブチル基がかなり分極できるため、それらの電子雲が一時的に双極子を引き起こし、London分散力をダイマー分子の間に与えて、それらがお互いより接近した状態になっていると、指摘している。近い水素同士の誓いもあるのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 22, p. 8.

DOI: 10.1021/jacs.7b01879

17.6.11

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太陽電池材料として有望である

 メチルアンモニウム鉛ハライドペロブスカイトは、現在市販の材料よりも太陽光をより効果的に電気に変換することができる。市販のものの効率が15%であるのに対してペロブスカイトのそれは22%に達している。ただしペロブスカイトにも、酸素や光にさらされると素早く壊れるという重大な欠点がある。今回その崩壊過程の機構が実験的かつ理論的に報告された[1]。研究者らは以前、光がこれらの結晶を励起させると電子が出るしで、これが酸素と反応し、反応性過酸化種が生じること、これらのスーパーオキシドが、ペロブスカイトの結晶構造に重大なダメージを与え、それがPbI2、メチルアミンと水になってしまうことを報告していた。新しい結果では、酸素がペロブスカイトの結晶構造のヨウ素の空孔に拡散すること、この空間が最も弱く、スーパーオキシドによる崩壊過程を促進することを明らかにした。そこで材料をヨウ化物塩の薄層でコートしそれらを保護し空孔の数を減少させた。その結果、処理をしないものは1日以内に壊れたけれども処理を施したものは3週間安定だった。処理のこと書類にも記されている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 22, p. 6.

DOI: 10.1038/ncomms15218

17.6.10

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よりよいバッテリーや

 別のエネルギー貯蔵デバイスを開発する一般的な方法は、固体状態の材料に原子の幅のシートを組込むことである。この戦略は液体でも同様である可能性がある。研究者らは、酸化タングステン電極を使ったテストデバイスのエネルギー貯蔵動力学の改善に、水の薄い層を結晶のWO3のシートの間に閉じ込めることが有効であることを見つけた[1]。水和された電極の充電と放電は、無水のそれよりも速かった。さらに水和された材料は、その電荷容量を、要領よく維持し、エネルギー効率もより速い時間スケールで保持された。間に入り込んだ水が、液体の電解液から固体の電極に移動するイオンによって生じるエネルギーバリアを減少させている様子である。酸化タングステンは実用化には重すぎるものの、この種の基礎的研究のよいモデルを提供している。これをもとに二次元カーバイド、マクセンとして知られている窒化物を含むより魅力的な材料開発に繋がるものと思われる。マクセンもマークせんといかんです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 15, p. 13.

DOI: 10.1021/acs.chemmater.6b05485

17.6.9

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ロキサルソンは

 ヒ素を含む餌の添加物で60年以上使われていた。これによって家畜である鳥や豚の体重増加や寄生生物による感染症予防の要望も満たしていた。ただしガンを引き起すヒ素代謝産物にさらされる可能性のため欧州や北米では使用中止になった。それでもアジアでは未だに利用されている。研究者らはロキサルソンで育った鶏を食べた人のヒ素を含む代謝産物に興味を持った[1]1600の鶏を対象に、標準の鶏の餌かあるいはロキサルソン入りかどちらかで飼育し、鶏の肝臓からサンプルを取り出した。以前ロキサルソンを消費した鶏の八つの代謝産物が報告されていたが、さらに今回新たに三つが見つかり、それらは全てヒ素上にメチル基が結合したフェニルヒ素化合物だった。また代謝産物はロキサルソンを与えた五日後でも鶏の肝臓で見つかった。これは食肉処理前の安全窓として添加物が消費される期限とも関連して、鶏の肝臓を食べた場合の人への影響が懸念される。ロキサルソンが置き去りになるそんを改善しなくては。

[1] Chemical & Engineering News, May 15, p. 13.

DOI: 10.1002/anie.201700736

17.6.8

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原子力発電所の事故以降

 人やロボットでさえも、その状況を評価するために施設に近づくことが難しくなってきた。人や装置を危険にさらすことなく正確な情報を得るためには、放射性物質を遠方から、勘違いせず、感知できる良い技術が望ましい。今回高出力のパルス電磁波が利用できることが報告された[1]2010年に最初に報告された系は、アンテナで標的の領域に向けて高出力のミリあるいはテラヘルツの波動を向ける方式だった。もし物質が放射性だった時にはγ放射あるいはα粒子周りの空気をイオン化させて自由電子が放出する。これが先の波動と相互作用すれば、プラズマが引き起されてこれを感知することができる。今回のそれは0.5μgのコバルト60120 cm離れたところで検出できることがまず示された。市販のジャイロトロンで電磁波を発生させて向きを調節してラジオ波検出器が利用できる。装置次第では、数十キロメートル先の放射線の検出も可能である。またプラズマ形成の時間遅延がγ放射エネルギーに依存しているために、放射線物質のタイプの同定も可能であると考えられている。放射線、容赦せんように

[1] Chemical & Engineering News, May 15, p. 12.

DOI:10.1038/ncomms15394

17.6.7

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生き物によって

 生産される化合物は、医薬品開発、エコロジーやケミカルバイオロジー分野における主力である。ただし研究者はいずれ天然物の発見という流れを維持することができないかもしれないという意識から、それに関連した歴史的な分析、現況、将来に興味が持たれた。研究者らは、1941年から2015年までの間に発見された海洋ベースの天然物52000を対象とした。それらを分析したところ、天然物発見が衰退しているという推定は誇張であるとしているが以下の詳細も報告した。現状、革新的な発見方法の進展が、独自の構造と独自の生物的な特徴を有する化合物の発見を継続させている。実際1940年頃に発見された天然物の数は少なかったが、それに関わる人の増加や新しい機器によって各段に増加してきた。ただし1990年頃に頭打ちである。1940年以降全体として構造的に独自の化合物の発見は減少している。それでも研究者らは、幅広いリソースと、異なる発見方法で新規な化合物発見の重要な機会があると信じている。天然物のこと言ってんねんです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 15, p. 10.

DOI: 10.1073/pnas.1614680114

17.6.6

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2010年に

 海底原油掘削施設で起きた原油流出にさらされたイルカの呼吸の中には、呼吸器疾患と関連する化合物がいるかことがわかった[1]。またこれは海洋ほ乳類の健康を呼気診断できるバイオマーカーの提供にも繋がる。研究者らはイルカの息の中の有機化合物を捕捉するために飲酒検知器のようなデバイスを作成した。それをイルカの潮吹き穴をキャップしたガラスチューブと連結させて10呼吸回収した。チューブの周りを氷で冷やすことで化合物がガラス上で液化する。吸引具を使ってこれらの化合物を集めた。次いで原油流出の影響を受けたイルカとそうでないイルカの息代謝を比較したところ、肺炎の可能性を示す肺硬変超音波診断と関連するおよそ24種類の化合物が見つかった。ホスファチジルグリセロールを含むこれらのうちのいくつかは肺の損傷によって生じる化合物である。さらに細菌性肺炎と連動している可能性のある細菌代謝産物や、ぜんそくのマーカーであるロイコトリエンE3も見つかった。診断の後はケアもやるんけや。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 15, p. 9.

DOI: 10.1021/acs.est.6b06482

17.6.5

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25億年前の

 タンパク質がよみがえり、その遺伝子配列が現在の大腸菌に組込まれた[1]。台帳にも記入すべき結果、改変された微生物は侵入してくるウィルスからの害を避けることができた。先カンブリア時代からあるタンパク質は、チオレドキシンの昔の形態で、現在までに研究されているすべての有機体の中で重要である。それは細胞の周りで電子を循環させて化学反応が起こりうる。昔も今もバクテリオファージT7ウィルスは、微生物のチオレドキシンを乗っ取ることでホストである大腸菌に感染する。チオレドキシンは全体としては時代による差はないもののアミノ酸配列は70%ほどだけが類似だった。30%の違いは現在の大腸菌に組込んだ昔のチオレドキシンを保護するには十分だった。これに代表されるように、昔のタンパク質を現在の有機体に挿入する戦略は合成生物や穀物保護の観点で利用可能である。たとえば農業植物にタンパク質を組込むことで現在の病原菌の侵入も避けられる。チオレドキシン、どっきとしんかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 15, p. 7.

DOI: 10.1016/j.celrep.2017.04.037

17.6.4

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リグニンは

 植物によって生産される天然にある芳香族化合物の最も量の多い資源であり、紙工場やパルプから軽く得ることができる。そこでこの材料を芳香族群の資源として利用し、現状の石炭、原油、天然ガス依存を減らしたいと考えるのが普通であるものの、問題はリグニンの芳香環が複雑な不溶性の高分子鎖にロックされている点である。その中今回酵素プロセスで疎水性スルホン酸基をリグニンの多くのフェノール環に導入し、加工のために溶解度を向上させることに成功した[1]、研究者らは以前、バクテリアのアリールスルホトランスフェラーゼ酵素がp-ニトロフェニルスルフェートのスルホ基を引きはがし、様々なフェノール化合物のヒドロキシ基に付加させることを見つけていた。この化学が様々なリグニンに広げられた。プロセスはフェノール基に選択的で、脂肪族の水酸基は反応に関与しない。得られたスルホ化リグニンはわずかにアルカリの溶液に簡単に溶解した。スルホ化するほうがいいらしい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 8, p. 9.

DOI: 10.1002/cssc.201700376

17.6.3

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いいことと悪いこと

 綯い交ぜである。生きる上でのリアリティは、タバコ植物とスズメガの連携が典型的な例である。ガは植物を受粉し植物の繁栄を助ける。ただしガは植物の葉っぱに卵を産み、これらの卵から幼虫が出る。これが要注意で葉っぱをむさぼり食べてしまう。このジレンマを解消するために植物は、化学と植物生物学を賢く使っていることがわかった[1]。研究者らは、植物からの揮発性化合物である(E)-α-ベルガモテンを見つけた。夜行性のガが夜に出てきた時、植物はこの化合物を放出する。分子は、昆虫の鼻にあるニューロンを刺激し花の上に少しでも長く留まることを促しこれが受粉の多さに繋がる。一方昼間成虫のガが休んでいる時には、幼虫が食べ物を探している。このとき化合物の生産は葉っぱの中に戻る。これが捕食動物を誘い、幼虫や卵を食べてくれて葉っぱは守られる。すなわち化合物の生合成のタイミングと位置を最適化することで植物は、一つの化合物で受粉と防御に対応している。ベルガモテンが盲点だった。しかも人は持てん、多分。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 8, p. 8.

DOI: 10.1016/j.cub.2017.03.017

17.6.2

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バスタブやプールで

 長時間過ごす。あるいは長い間指に水に浸した絆創膏をつける。そうこうするうちに手の肌がシワシワになる。この水によって起こされるプロセスに興味を持った研究者らは、湿気にさらされると縮む材料でそれを制御できるものを設計したいと考えた[1]。この進歩は、しわができる動力学の理解を深め、湿気センサーや光学コーティング、散光器や、湿気の変化で引き起される機能を持つ別のデバイスの開発にもつながる。研究者らは、ポリジメチルシロキサンの柔軟な疎水性フィルムに連結したポリビニルアルコール(PVA)の堅い疎水性フィルムからなる二層系をつくった。PVAの割合、層の交差連結や厚さを変化させることで、湿気によって引き起される硬化と膨張のために、異なるしわができるサンプルを設計した。一つの材料は、湿気と乾燥で可逆なしわになり、べつの材料は湿気でできたしわはもとにはもどらなかった。三番目の材料は湿気で縮んで乾燥でもとにもどったが、再び湿気にさらしても縮まかなった。シワの話は、如何でしたか?

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 8, p. 8.

DOI: 10.1002/adma.201700828

17.6.1

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