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いいことと悪いこと

 綯い交ぜである。生きる上でのリアリティは、タバコ植物とスズメガの連携が典型的な例である。ガは植物を受粉し植物の繁栄を助ける。ただしガは植物の葉っぱに卵を産み、これらの卵から幼虫が出る。これが要注意で葉っぱをむさぼり食べてしまう。このジレンマを解消するために植物は、化学と植物生物学を賢く使っていることがわかった[1]。研究者らは、植物からの揮発性化合物である(E)-α-ベルガモテンを見つけた。夜行性のガが夜に出てきた時、植物はこの化合物を放出する。分子は、昆虫の鼻にあるニューロンを刺激し花の上に少しでも長く留まることを促しこれが受粉の多さに繋がる。一方昼間成虫のガが休んでいる時には、幼虫が食べ物を探している。このとき化合物の生産は葉っぱの中に戻る。これが捕食動物を誘い、幼虫や卵を食べてくれて葉っぱは守られる。すなわち化合物の生合成のタイミングと位置を最適化することで植物は、一つの化合物で受粉と防御に対応している。ベルガモテンが盲点だった。しかも人は持てん、多分。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 May 8, p. 8.

DOI: 10.1016/j.cub.2017.03.017

17.6.2

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