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惑星探査機キュリオシティーは

 2012年火星にある28億年前にできた直径150 kmのゲールクレーターに着陸し、岩化学の研究に着手した[1]。探査機の任務が無期限延長されて、火星の歴史の中で、微生物が生きていた時代を特定する試みが進行中である。1300日の探索の結果、昔の湖は、中性からアルカリpHの間の鉱物を含み、これが38億から31億年前、生命を維持していたと結論づけた。また実質的に地球の地質と同様な地質の層になっていたことも示された。表面では大気から光化学的に発生した酸素がそこの水と混ざって化合物を酸化、酸化された鉄鉱物や粗粒の構造のフィロケイ酸塩が岩の中で形成していた。一方内部にある水は酸化剤を含まず、岩の中にはきめの細かい堆積物を持ったシリカや混合原子価鉄が形成していた。キュリオシティーのデータはさらに、微生物が居住しうる多くの環境が湖にあることも示していた。この環境が酸化剤の多少にも関わらず健康に生きうる微生物を育てていた可能性もある。さらに湖は徐々に乾き始めて塩が増加し、河底堆積物の中に、探査機が発見した硫酸カルシウム鉱脈が出来てきたかもしれない。探査機、わんぱくでたくましい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 5, p. 4.

DOI: 10.1126/science.aah6849

17.6.25

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