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メラニンは

 有機体、植物、人間を含む動物で、肌や髪の毛に色をつけたり、紫外線やラジカルダメージから保護するなどよいイメージの役を担っている。ただしこれを人工的に合成しようとすると複雑な混合物になっていた。それに対して今回、特別あつらえのメラニン様の高分子の制御合成法が開発された[1]。研究者らは、チロシンを含むトリペプチドの溶液を加熱しついで冷却し、それらを自己集合させてナノの繊維状構造の化合物(ナノフィブリル)や結晶のような超分子構造に組込んだ。ペプチドが自己集合するにつれて、チロシン自身が、別のチロシンと非共有結合的に相互作用する。これによって六種類のトリペプチド配列がつくられた。チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)が非極性残基で凝集を促進し、一方でアスパラギン酸塩(D)が電荷を持った残基で溶解性を向上させる。これらの組合せで、FDYYDFFYDなどができる。ついでこれらの酸化と高分子化で個別の高分子が完成した。たとえばFYDペプチドは、ベージュ色のランダムな形をした高分子となり、別の高分子の三倍の紫外線を吸収する。DYFは黒褐色のシート状の高分子を作り別のものの3倍の蓄電能力を示す。さらにDYFは赤茶色の球状の水への溶解度の高い高分子粒子を形成する。メラニンの凄さにメラメラにんなりました。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 12, p. 7.

DOI: 10.1126/science.aal5005

17.7.1

 

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