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結合のパートナーが

 突然入れ替わるメタセシス反応は、分子メーカーに恵みをもたらしている。ただしヘテロ原子を含む結合パートナーの置換えは稀である。この可逆な反応のレパートリー拡大の一つとして、炭素—硫黄や炭素—リン結合のメタセシス反応が開発された[1]。研究者らは新しいPd触媒反応を使い、強い副作用を示す抗精神病性のチオリダジンを、一網打尽に、より安全性の高い可能性のある誘導体に変換し小さなライブラリーとした。さらにこの反応を使って、市販のポリフェニレンスルフィドの単量体分解が行われた。このタイプの反応は、寿命が近づいてきた高分子を新しいモノマーにしてリサイクルできる。研究リーダーは、メタセシス反応は、迅速な合成、新しい低分子有機分子の発見において特に有用であり、医薬品候補から有機材料を導けること、高分子化学でも様々な応用があると述べている。とりわけ硫黄やリンを含むひずみのかかった機能性分子へのアクセスとして直接利用できる点、興味深い。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 June 19, p. 8.

DOI: 10.1126/science.aam9041

17.7.8

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