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トロピリウムイオンは

 有機合成や金属錯体への配位子として利用される、トロピカルではないものの、奇妙な七員環の芳香環(C7H7+)である。今回このトロピリウムイオンが有機ルイス酸触媒として作用することが、ニューサウスウエールズ大学の研究者らによって初めて示された[1]。多段階反応で使われるカルボニル化合物はしばしばその反応性をマスクするために一時的にアセタール化される。この保護では一般に金属塩ルイス酸が使われる。ただし残った金属が、医薬品生成物を精製するときに問題になって多くの溶媒を使い廃棄物が生じる。そこで研究者らは、共役七員環で陽電荷一つが全体に非局在化しているトロピリウムイオンを、ソフトなルイス酸触媒として、アルデヒドのアルコールやエステルを使った保護アセタール化に適用できないかと考えた。さらにフロー反応系で反応を行い、時間を節約し、触媒のリサイクルも行った。これによって環境負荷がさらに低減されている。アセタール化、あせった~るはご無用です。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 July 3, p. 9.

DOI: 10.1039/c7gc01519d

17.7.26

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