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敗血症は

 体の感染に対する免疫応答が制御できずに悪循環になった時に起こる。炎症シグナルが形成されて、バクテリアが殺されて、別の侵略者が、いかんせん、感染部位に広がり、最悪の場合には臓器不全から死に至る。この敗血症に対する唯一の効果的な処置は抗生物質であるが、それは感染源のみを標的として症状には感知しない。そこで炎症と戦うために、セリア-ジルコニアナノ粒子が作られて、細胞にダメージを与えてそれを殺してしまう活性酸素種(ROS)が捕捉された[1]。セリウムイオンCe3+は天然の触媒を模倣し、スーパーオキシドやヒドロキシルラジカルを除去するが、炎症を処置するためには高いCe3+Ce4+比が粒子の中で重要である。ただし+3の酸化状態にシフトするのはエネルギー的に不利であるために、Zr4+イオンがナノ粒子に加えられて、Ce3+Ce4+比が安定化しセリアのみのナノ粒子に比較して抗酸化力が向上している。そこでセリア-ジルコニアナノ粒子が細胞、炎症と敗血症の動物モデルで試された。その結果ナノ粒子は炎症を標的としてROSを減少させ、敗血症に罹患したネズミをわずかな量の投与で、生存延長させていた。酸化・還元の競り合い、セリアで起こるのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 July 17, p. 11.

DOI: 10.1002/anie.201704904

17.8.6

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