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熱や光に代わって

 機械的な力でもって、分子を変換させる方法は、ポリマーメカノ化学として過去10年の間発展してきた。メカノで儲かんのかはともかく、今回導電性を示さないポリマーが機械的な力に呼応して半導体に変換された[1]。いずれこれは機械的な力が電気信号に変換できる可能性を示唆している。研究者らの会話の中、梯子のように縮環したシクロブタンが興味あるモチーフであることに至った。これに機械的な力を加えるとシクロブタンの中のσ結合が開いて、ポリアセチレンの中の連続的なπ結合を形成できると考えた。実際に超音波を照射すると、ポリラダレン構造は無色から青色に、ほんの数秒で変化した。さらに照射を続けると、材料は黒くなり、半導体ナノワイヤの不溶なメッシュに変換された。このポリマーはたとえば、材料の物理的なストレスの報告に利用できる。ポリラダレン合成はまあまあの収率ではあるものの、市場に出すのは難しい。そこでより単純なモノマー合成が現在行われている。画期的な機械的な力の利用で、活気も溢れている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 August 7, p. 5.

DOI: 10.1126/science.aan2797

17.8.29

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