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妊娠中の

 ジカ感染症は、衝撃的な出生異常を引き起す。生まれてくる子供は異常に小さな頭や脳(小頭症)、異常な反射、てんかん、さらには視聴覚,消化にも問題がある。今回その原因として、ジカは、直に、胎盤の中のオートファジーを邪魔する可能性が見出された[1]。オートファジーは毒を取り除いたりダメージを受けた成分を再生するプロセスであり、これがないと成長する胎児に感染する。研究者らは、オートファジー遺伝子を持たない妊娠中のネズミを感染させたところ、遺伝子を持っているネズミと比べて、検出できるウイルスの数もかなり少なくて、胎盤や胎児のダメージも小さいことがわかった。ついでオートファジーを抑制するマラリア治療薬であるヒドロキシクロロキニンの、ジカ感染の妊娠中のネズミや子供への影響を見た。修飾していないネズミがヒドロキシクロロキニンを投与された場合にも、損傷はかなり低下していた。この発見はマラリアに罹患したり自己免疫異常の妊婦さんを治療するための米国FDAで認証されている薬は、ジカが胎盤関門を通過するのを防ぐことを示唆していた。人以外の霊長類、さらには人でも同様の研究が続けられる予定である。ジカ対策も間近か。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 July 17, p. 11.

DOI: 10.1084/jem.20170957

17.8.8

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