フッ素原子を
あらゆるタイプの分子や材料に組込む研究が行われている。ただし生きた細胞を利用して、生合成的に、整合性のあるフッ素化化合物製造についてはあまり探索されていない。それは細胞が、多くのフッ素化有機化合物をつくり、代謝する能力に欠けていたためである。その中ここでは、大腸菌の細胞を改変し、フルオロマロネートと呼ばれる安定な毒性のない化合物をフッ素化ジケチドである2-フルオロ-3-ヒドロキシブチレートに変換することに成功した。研究者らは以前、フッ素化アセテートを出発化合物として注目していたが、それは代謝の時に細胞を毒する。それに対してマロネートトランスポーターを使った今回の系は、フッ素化化合物の取込みを、マイクロあるいはミリモルレベルで向上させている。さらに改変した細胞では、ポリメラーゼ酵素がフッ素化ジケチドモノマーに作用し、生分解性のフォークやスプーンで見られるフッ素化ポリ(ヒドロキシアルカノエート)を導くこともできる。不っ足していた系が生まれた。
[1] Chemical &
Engineering News, 2017 October 9, p. 14.
DOI:10.1002/anie.201706696
17.10.31
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