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2017年10月

フッ素原子を

 あらゆるタイプの分子や材料に組込む研究が行われている。ただし生きた細胞を利用して、生合成的に、整合性のあるフッ素化化合物製造についてはあまり探索されていない。それは細胞が、多くのフッ素化有機化合物をつくり、代謝する能力に欠けていたためである。その中ここでは、大腸菌の細胞を改変し、フルオロマロネートと呼ばれる安定な毒性のない化合物をフッ素化ジケチドである2-フルオロ-3-ヒドロキシブチレートに変換することに成功した。研究者らは以前、フッ素化アセテートを出発化合物として注目していたが、それは代謝の時に細胞を毒する。それに対してマロネートトランスポーターを使った今回の系は、フッ素化化合物の取込みを、マイクロあるいはミリモルレベルで向上させている。さらに改変した細胞では、ポリメラーゼ酵素がフッ素化ジケチドモノマーに作用し、生分解性のフォークやスプーンで見られるフッ素化ポリ(ヒドロキシアルカノエート)を導くこともできる。不っ足していた系が生まれた。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 9, p. 14.

DOI:10.1002/anie.201706696

17.10.31

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外科手術の後

 組織を繋げることで、切り口を癒すことができる。ただしこれはしばしば縫い糸を使うために、とりわけ肺のようなデリケートな組織を傷つける。そこで縫合糸を使わずに肺の組織をシールできる手術用接着剤が必要とされる。それらは市販もされているものの、弾力性、専断強度さらには接着力の適切な組合せを示すものがまだない。いわば接着の決着がついていない。その中今回、MeTroゲルと呼ばれる肺の組織に上手く作用するものが報告された[1]MeTroゲルは、タンパク質をもとにしたヒドロゲルで,紫外線で活性化させて交差連結したメタクロイル基を修飾した人のトロポエラスチンでできている。材料の接着と力学的な性質は、タンパク質とメタクロイル置換の程度に依存する。最も強くて弾性力のあるMeTroゲルは20%タンパク質でかなりの量のメタクロイル置換を施している。ネズミや豚の肺でこの材料を試した所、漏れ出しもなく通常の息をしていた。さらに可視光を使って交差共役しうる材料の開発も計画されている。肺のためのハイレベルな材料でした。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 9, p. 15.

DOI:10.1126/scitranslmed.aai7466

17.10.30

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国宝高知城

 もちろん地上にある。さらに石段を登る決断も必要。自由民権運動で知られる板垣退助の像の横の道を歩いてたどり着いた天守閣につながる入口。中はほとんど江戸時代の頃のままである。大広間に、城主だけが入ることできたと言う間、敵の襲撃に備えた防御のつくり、大河ドラマ「功名が辻」のポスター、角度の大きな急な階段、最上階からは高知市内が広がる。どの方角にも山があって南側からも太平洋は見えない。階段を慎重に降りて、市街に戻る。以外に慎重でなくてはいけない雨模様の街並。JR高知駅に移動。幕末、獅子奮迅の活躍をした志士の大きな像。「龍馬伝」を思い出させるセット、説得力もあり。台所の広さ、ここにも主人が人と会うのに使った居間。今は誰もいない。1867年頃の年表、日々刻々と色々なことが回天していたと、書いてんいないけど、それに気がつく.二人が襲撃されたその日、かくも正確に居場所を特定し、腕利きを送り込んだ。独自の情報網をめぐらす常法があったに違いないけど、当方にはできない。

 討論会開催お陰で、高知にて絶好調の方々も多かった。主催された方々には、本当にお世話になりました。

17.10.29

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プロトンの半径が

 謎である。2010年、水素原子の電子がより重いミュー粒子で置換した水素の研究が行われた。その結果から、プロトンの半径は、別の実験で得られたコンセンサスのある0,88 fm (フェムトメートル)より小さく、およそ0.84fmであると提案された。今回通常の水素に関するスペクトル的な研究結果は2010年の結果を指示していた[1]。プロトンの半径は、水素分光法あるいは電子散乱を使って測定される。今回かなり緻密に制御された水素分光法条件で測定が行われて、プロトン半径は0.8335 fmであることがわかった。2010年の結果も今回の結果も、以前に報告された個別のいくつかの実験結果と誤差の範囲内である。さらに水素分光法の結果は、関連するRydberg定数が、10,973,731.568076 m-1であることも示していた。なおいずれの値もCODATA[2]が示す値とは誤差の範囲外であった。Protonについてお店PRONT[3]でも考えてみましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 9, p. 14.

DOI:10.1126/science.aah6677

[2] International Council for Science’s Committee on Data for Science & Technology

[3] ここのお店のロゴマーク、セレン・テルルに似てる。

17.10.28

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人の尿の中の

 バクテリアがある特定の抗生物質に対して脆弱であることを30分程度で決定できる方法が報告された[1]。これまでの方法では結論を出すまでに数日かかっていたこととは対照的で画期的であると書っきたい。この方法は尿路感染症(UTIs)を処置する医師の助けになる。新しい方法では、尿サンプルの中に抗生物質候補を入れた場合とない場合とで、バクテリアを15分間培養する。二つの異なる条件でのバクテリアのDNAレベルを比較し、感染の強さが、医薬品の影響を受けやすいかどうかが決められる。DNAレベルでのわずかな違いを検出するために、マイクロ流体チップで、ループが媒介する低温増幅を利用し、UTIsでは最もよく見られる大腸菌を数えることができる。54人の患者さんのサンプルにこの方法を適用したところ、これまでの方法で得られた結果と94%の確率で一致した。さらに様々な病原菌や医薬品に応用したいと研究者らは述べている。病原菌と医薬品のマッチングの待っちんぐ時間が短くなった。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 9, p. 14.

DOI: 10.1126/scitranslmed.aal3693

17.10.27

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JR名古屋駅

 14, 15番線ホーム、この日は黙ってこだまって言う列車に乗った。静岡で降りる。駅構内にはたくさんのレストラン。昼食をいただいてバスで高校まで移動。いわゆる出前講義、腕前を披露したいものの最近は呼ばれる回数が減った。担当の先生の挨拶をもらった後、生徒さんに連れられて講義室に移動。5階まで階段で行きます。「大丈夫だよ」と言いつつ「ぎょえ」と思う。概ね110段ほどの階段を分子模型の入ったキャリーバッグを担ぎながら登り終えた。最近の話題を少しずつ加えるものの、主なストーリーは一通り他でも話した内容。バラ:美しいものには棘がある。中には美しくなくても棘だけの場合もある。気づいた生徒さんたちは、わずかに表情が変わるものの自制している様子、このご時世だからか。「メタンガス使ったことありますか?」という質問をしようと、こだま号の中でガス会社のホームページをチェック。プロパンガスと都市ガスの説明をもらった。ステージの違う言葉が並列になっていることに気がついた。プロパンは化合物名、都市の反対語は村落である。

17.10.26

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炭素クレジット

 排出枠[1]とも言う。ただし取引した炭化水素が、バイオ燃料由来か、化石燃料由来化を識別し、合法的であるかどうかを判定しなくてはいけない。この二つは同位体組成が違う。後者は数億年を経ていて半減期が5730年の14Cは減衰している一方で、前者では極端に量は少ないけど14Cを検出できる。いわば14Cが重要やしである。その中今回手軽な方法として、ある種の吸収スペクトル[2]が使われた[3]14Cが吸収する波長に調整されたレーザー光は、外に出るまで、光学キャビティの中の二つの鏡の間を動き回った後に、装置に検出される。そこに14Cを含むガスを入れると、それが光の一部を吸収して装置が検出する光の量が変化するため、存在する14Cの量を計算できる。実際安定な温度として-55 °Cで微調整されたユニットで、バイオならびに化石燃料由来のCO2を測定したところ11%の正確さで検出できた。今後この正確さを0.2%まで引き上げる必要はあるものの、現在利用されている加速器質量分析装置よりも格段に安い方法が提供できる。炭素クレジット、じっとしていてもくれないよ。

[1] 先進国間で取引可能な温室効果ガスの排出削減量証明。

[2] cavity ring-down absorption spectrometry

[3] Chemical & Engineering News, 2017 October 9, p. 11.

DOI:10.1021/acs.jpclett.7b02105

17.10.25

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電子供与体である

 N,N,N’,N’-テトラメチルベンジジン(TMB)と電子受容体である2,8-ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(PPT)を一緒に融かしたら、透過した材料ができた[1]。ここでPPTが入射光を吸収すると、孤立電子と陽電荷あるいはホールが発生する。次にホールがTMBに移動する間に、電子はPPT分子から別の分子に移動し動き回る。結果として電子はTMB分子のホールと再結合して光を放出する。いくつかの電子は素早く再結合するが、多くのそれは長時間残ったままで、後に再結合するので、励起光を消したあと1時間以上も光り続ける。今回の系は緑色発光だけど他の色もつくることができる可能性も高い。これまで10から360 時間もの長時間発光材料は無機化合物で知られていて,時計や標識で利用されているが、それらは透明ではないこと、硬くて不溶、組立てるには1000 °C以上が必要である。それに対して新しい材料は透明で、柔軟なものにも加工しうること、また有機溶媒に可溶、ただし酸素、水に対して敏感である。ひっかり光続ける有機材料の誕生である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 9, p. 10.

DOI: 10.1038/nature24010

17.10.24

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台風21号

 だいぶ大きいし、大きな被害も出ている。この時間帯、大学辺りの空は夏空の如く、まぶしい日差しである。が岐阜市にも「暴風警報」が出ている。大学のホームページでは、朝6時半の時点で、「特別警報」「暴風警報」が出ているとき、あるいは、名鉄(名古屋—岐阜間)およびJR(名古屋-岐阜間)が運休の時には午前中の授業は休講という、以前に決められたルールがアナウンスされている。JR東海のホームページによれば、現段階では運休、9時頃から運転再開の見込みとのこと。一方で名古屋鉄道のホームページはService Unavailableになっている。構内の木陰にあった自転車はことごとく倒れていて、少しの間でも自転車の走行や歩くのはままならない風の強さである。どこかから何かが飛んできて、とんでもない被害に遭わないように、収まるまでは建物の中で過ごしてほしい。とは言え「避難勧告」「避難指示」などが発令されているエリアの人は、状況に応じて動かなくてはいけない。本学も一時避難場所・避難所になっていて収容人数1217人とある。

17.10.23

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コンピューター音声による

 アンケートの電話がしばらく前にあった。今回の総選挙に関する調査。あなたは今回、投票に行きますか。必ず行くという人は「1」を、どちらかというと行く人は「2」を・・・もちろん行くので即座に「1」と#を押した。次の質問が流れた。あなたは小選挙区では、どの候補者に投票しますか。その後、立候補している方々の名前が告げられて、改めて〇〇氏に投票する人は「1」を、〇〇氏に投票する人は「2」を・・・と続く。こちらは実家で洗濯の準備中である。水が溜まっている間に洗剤を入れたい。こりゃたまらんわい、えい「1」。比例代表区ではどの政党に投票しますか。7つほどの党名が告げられて、改めて〇〇党に投票する人は「1」を・・・と続いた。いいわ「1」。どちらも政権与党側である。安倍内閣を支持しますか。支持する人は「1」を、支持しない人は「2」を、こりゃあ身近で短い質問、自信を持って答えることができた。その後政権のありようや様々な質問があった。このCW (continuous wave) NMR方式の事前の予想、選挙結果に近かったでしょうか。次回は「よそうかな」かな。

17.10.22

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ラジカルリバウンド機構を

 使って40年以上、化学者や生物学者は、チトクロームP450のような遷移金属を持つ酵素がC-H結合を水素化する時の機構を記していた。そのような酵素はまず、高原子価金属オキソ種を使ってC-H結合から水素を取り除く。ここから炭素ラジカルと金属-OH中間体が発生し、水酸基が逆戻りで炭素ラジカル上に移動、金属は一電子還元される。これに関する十分な状況証拠はあるものの、水素が除去される運動よりもリバウンド段階が速くて観測することは、不可能だった。それに対してここではリバウンド機構が観測しうる最初のモデル系がつくられた[1]。このシステムはトリス(トリフェニル)フェニルコロール配位子に包まれたFe-OHに特徴づけられ、Fe錯体の高いレドックスレベルが安定化されて、十分な嵩高さで、FeOHではしばしば課題になる二量化を防ぐこともできる。その結果この場合のリバウンド反応は協奏的で、これをもとに水素化のための酵素あるいは合成触媒の設計も可能である。コロール配位子が研究をローリングさせた。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 2, p. 11.

DOI:10.1021/jacs.7b07979

17.10.21

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担持材料の表面に

 分散していたんじ金属元素は、不均一系触媒として独自の機会を提案できる。一般にこの種のシングルサイト触媒は貴金属を使い、高い効率が引き出される。加えて標準的な多元素ナノ粒子触媒と比較して比較的単純であるために、より簡単に価値のある反応機構の詳細を導くことも可能である。ただし単原子の多様性は調整するのが難しい。触媒合成を改良することによってパフォーマンスは向上するがそれで決着がつくわけではない。その中今回γアルミナに担持した単原子イリジウム錯体を1,3-ジアルキルイミダゾリウムイオン液体で処理することによって、錯体の触媒特性が向上し、高分解能X線吸収スペクトルでその理由が定量化された[1]。まずイオン液体でコーティングした原子レベルでアルミナ上に分散したIr(CO)2錯体は、1,3-ブタジエンの部分水素化を触媒した。ここでイオン液体がブテン選択性を増加させており、これはイオン液体からIrへの電子供与によると考察されている。単原子の世界も探検したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 2, p. 11.

DOI: 10.1021/acscatal.7b02429

17.10.20

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超原子価ヨウ素化合物は

 官能基を有機分子に組込むための豊かな反応剤である。たとえばこれらの化合物は、親電子的トリフルオロメチル化剤として広く知られているが、フッ素化反応剤は2006年に最初に報告された。ここでは三価ヨウ素が、二つの孤立電子対を保持しながら、CF3基とベンゼン環と結合できる能力を利用している。この反応剤では、ベンゼン環から伸びた酸素あるいは窒素置換基もヨウ素に結合している。それ以来様々な修飾がオリジナルな化合物に施されていた。その中最近の成果は、ヨウ素原子そのものの周期表で隣接するテルル原子への置換えである[1]。照れるねえ。超原子価化合物は13から18族元素を含み八つの価電子を持つ。ヨウ素(III)10電子であることと同様に、テルル(II)化合物もフッ素化剤として利用できると考えられた。CF2HC6F5基を含む一連のフッ素化Te(II)化合部物が調製されて、構造とスペクトルによる超原子価特性が明らかにされている。超原子価、表現の仕方わかりますか。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 2, p. 11.

DOI:10.1021/acs.organomet.7b00535

17.10.19

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Diels-Alder反応

 は古くから知られた変換反応で、四π電子のジエンと二π電子のアルケンから六員環がつくられる[4+2]環化付加反応として知られている。有機合成化学分野では莫大な研究例があり、多くのタイプの組合せがアルダーだけれども、未だに手の届かない系もある。今回研究者らは、不活性で安価なジエンとアルデヒドとのヘテロDiels-Alder反応を報告した[1]Diels-Alder反応の反応性は、二つの出発化合物のエネルギーギャップに支配されている。化学者はこのギャップを小さくするために、基質に異なる置換基を組込むか、触媒を利用する。ジエンとアルデヒドとの反応は、電子的に工夫された系に限定されていた。そこで研究者らは、かなり酸性度の高いキラルイミドジホスホリミデート(IDPi)を使って、電子的に不活性なジエンとアルデヒドからジヒドロピランを合成している。触媒が空間的に閉鎖的な状況をつくり、これによって高い立体制御を可能にし、酸が促進する副反応が抑えられている。IDPiの酸性度は現在調べられている途中だけどIDPiと類似の最も強い酸よりも高い酸性であると考えられている。ジヒドロピランの香料としての重要性も考慮された成果であり、研究室は香り豊かにちがいないとコメントされている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 2, p. 7.

DOI: 10.1021/jacs.7b08357

17.10.18

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今では皆さんも

 知ってふぁんねんStephan先生、2006年にFLPの考えを提唱した。電子豊富なルイス塩基は電子不足なルイス酸とペアを形成しようとするものの、どちらも嵩高い置換基でドレスアップしているとガタイがデカくて、近よりがたい。お互いの中和、結合形成もできない。そのためにfrustratedと呼ばれている。一方でこれによってFLPは、H2NOCO2のような小分子にバインドすることも可能で、有機化合物のH2による還元を、金属なしで触媒する。さらにFLPの高分子への組込みも行われていた。その中今回、嵩高いホスフィンルイス塩基あるいは、嵩高いボランルイス酸を側鎖に組込んだフラストレイテッドポリスチレンが合成された。これら二つのポリマーを混ぜると、嵩高さのために酸塩基相互作用が妨げられて、交差共役によってできる可溶性ポリマー鎖がブロックされる。そこにアゾジカルボン酸ジエチルエステルを加えると、酸塩基部位が相互作用し、ポリマーゲルネットワークが形成する[1]。ネットワーク形成は、ボランとリンの側鎖置換基を制御することによって調整できて、動的なゲルを形成する。たとえば切り込みを入れても、溶媒で膨れたゲルは、傷を治して、数分以内に均一のゲルを再び形成する。ポリマーゲル、曲げることもできると思う。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 2, p. 5.

DOI: 10.1021/jacs.7b07725

17.10.17

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過ヨウ素酸塩

 この研究のための通う人も多かった1950年代から1980年代。ヨウ素と酸素、水素からなるこのイオンはその間、水を含む溶液で主に研究されてきた。それ以来過ヨウ素酸は溶液中で、オルト過ヨウ素酸(H5IO6)やメタ過ヨウ素酸(IO4-)が平衡にあって、さらに二量体であるH2i2O104-も含めて存在しているとされてきた。過ヨウ素酸塩は強い酸化剤であり、C-H結合の官能基化やヨウ素化を含む多くの合成で利用されている。その中最近研究者らは、過ヨウ素酸塩の反応が文献とは違っていたので、その平衡を改めて研究することにした。その結果オルト過ヨウ素酸は確かに水溶液中で存在するものの、連続する脱プロトン化を受けたH4IO6-, H3IO62-H2IO63-とともに存在することが分かった。またメタ過ヨウ素酸も見たかったが、その証拠はなかった。さらに様々なスペクトルを利用して、異なる電解液やpHの効果も調べられた。その結果、1951年代の結果と同じ結果も得られた。過ヨウ素酸塩の平衡、たくさんの要素が絡む様相を呈している。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 2, p. 6.

DOI: 10.1021/acs.inorgchem.7b01911

17.10.16

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窒素原子上に

 孤立電子対があるために、アミンを含む化合物はタンパク質と容易に相互作用する。これらの分子はしばしば好ましい生物特性を示す。最もよく知られた一級アミンの合成法は、アンモニアとアルデヒドまたはケトンとのカップリング反応を含む。この変換反応の課題は高価な金属触媒を必要とする点である。今回研究者らは、高くはない、でも誰も食わないと思う、金属触媒を創製した[1]。これは一級、二級、三級さらにはN-メチルアミンの還元的アミノ化による合成に応用できる。研究者らはまず、コバルトジアミンジカルボン酸金属有機構造体を炭素テンプレートの上でつくり、それを800 °Cまで加熱した。それによって得られた触媒はコバルトナノ粒子を炭素殻に含む。この触媒ナノ粒子を使って140以上のアミンが合成されている。アミンには、覚せい剤であるアンフェタミンのような医薬品も含まれる。さらに反応は50 gスケールでも反応効率や生成物の収率を下げることなく行うことができてナノ粒子は6回まで再利用可能である。コバルトナノ粒子、がんばるとな。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 25, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aan6245

17.10.15

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ケタミンは

 多民族国家でも、50年以上麻酔薬として投与されている。10年ほど前、少量のケタミンが即効性の抗鬱剤としても作用することが明らかにされた。ついで昨年、ケタミンの抗鬱活性は、その代謝物である(2R,6R)-ヒドロキシノルケタミン(HNK)由来であることが発見された。HNKはケタミンの精神的副作用を示さない。さらにもう一つ今回研究者らは、エナンチオ選択的なHNKやその類縁体の合成方法を開発した[1]。これは化合物特異的な生物的な標的を決める一助になりまた新しい抗鬱剤も導き得る。9段階のHNK合成は二つの特徴を含んでいる。あるステップでは、伝統的なJacobsenエポキシ化反応の機構モデルを含み、修飾したMnサレン触媒を使って中間体のエポキシ化を行っている。別のステップでは、アルミニウムあるいはチタンベースのアジド反応剤を使いエポキシドのベンジル炭素上での開環を、通常は反転であるが、立体保持で進行させている。ケタミン代謝物の恩恵を数千人がすでに受けていることから、HNKは有望な医薬品候補である。NHKさん、このニュースどうです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 25, p. 9.

DOI:10.1021/acs.orglett.7b02498

17.10.14

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ヨーロッパの

 葡萄の木蛾は、地球上の葡萄園のフルーツをだめにする。この害虫に対する最も効果的な方法は、蛾自身の性フェロモンである。葡萄園の周りにこれを噴霧すると、オス蛾はメス蛾をみつけようと無駄な追跡を続けて最後に交配を諦めるが、後輩に託すわけでもない。ただしこの環境調和なフェロモン(7E,9Z)-ドデカジエン-1-イルアセテートは、従来の殺虫剤よりも60%程度高い。標準的な合成法は、比較的高価な八炭素アルキンからスタートして、四つの中間体を単離しなければいけない。そこで研究者らはより安価なワンポット合成に思い至り、フェロモンを50 kg工業スケールで合成する方法を報告した[1]。新しい単純な方法は、鉄を触媒とするリン酸ジエノールとGrignard反応剤とのクロスカップリングを基にしている。安価な六炭素アルコールを使い一つの反応容器中85%収率で導いている。従来法の11%とは対照的である。さらに現在、フェロモンの放出を徐々にできるためのマイクロカプセルの開発を行っている。フェロモンがオス蛾をたおすが。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 25, p. 9.

DOI:10.1021/acs.oprd.7b00206

17.10.13

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ほとんど知られていないこと

 米国では毎年2100万本ほどの木製の鉄道の枕木が使われなくなっている。それらはどうなるのか?枕木は通常30年ほど利用されて、その多くが燃やされて熱や電気がつくられる。残りは造園用の木材になるか埋立てに使われる。ただし燃焼や、低コストの天然ガスと組合せて化学的に処理された木材を使う環境に関するルールが変更になるために、多くの枕木が埋め立て用になる。この状況下研究者とある会社は、商業ベースの熱化学的なプロセスを開発した[1]。枕木の用途の鞍替えで、使用済みのそれらの価値が向上し、環境負荷も低減できる。プロセスは、枕木を細かく刻み材料を加熱、クレオソートあるいは銅ナフタレンを抽出する。これらは枕木に添加される保存料であり、木材を侵食する菌類の侵入を防ぐ。きれいになった木材は、ボイラーの燃料あるいは、熱分解でバイオオイルになり、ガソリン、ディーゼル燃料、化成品に変換しうる。バイオタールとして知られる残りの固体材料は、炭のように燃やされるか、農地に蒔かれて、土質の改良等に使われる。枕木のお先真っ暗ぎに明かりが灯った。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 25, p. 8.

DOI: 10.1021/acssuschemeng.7b02666

17.10.12

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ナノ構造の金は

 それ自身、触媒や環境発電、エレクトロニクスや他の応用でも有用である。その性能は、西濃地区でなくても、貴金属のナノスケールの構造の特異性と深く関わっているため、研究者らは材料の作り方をカスタマイズする様々な方法を探索していた。その中今回、金クラスターのコロイド状のアセンブリを基にした方法を思いつき、これによってナノポーラスな金で、かなり薄くて大きな孔を持つものが得られた[1]。通常の方法では30 nm以上の壁で、この壁の厚さに匹敵する孔を持つものが調製されるが、今回の方法は10 nmほどの薄さで数百ナノメートルの孔のものを与える。この特異な構造により、金原子がかなり表面に見られて、応用の際の性能向上が期待される。研究者らは、カリクスアレン-ホスフィンでキャップした金クラスターをつくり、電気化学還元で、金属クラスターの六方最蜜格子を導いている。この方法の特徴は嵩高い配位子を利用し、クラスターが壊れてしまって制御出来ないようになることを防いでいる。大きな孔、あなたもどうですか。

[1] Chemicals & Engineering News, 2017 September 25, p. 8.

DOI:10.1039/c7cc05116f

17.10.11

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太陽電池が提供できる

 電圧で二酸化炭素をエタノールやプロパノールに変換できるプロセスが開発された[1]。太陽エネルギーを使って化学合成を駆動する、人工光合成とよばれるこの神々しいプロセスは、カーボンニユートラル燃料を可能にしうる。そこではCO2が排出されるごとに、別の燃料分子がそれを捕捉する。ただしCO2をリサイクルできる触媒開発は困難であった。これまで鉄、銅、インジウムや別の金属を使ってCO2CO、ギ酸エステル、メタノールを含む炭素数が一つの化合物に変換されていた。いくつかの研究室ではナノ構造の銅や酸化銅を使って二つあるいは三つの炭素を持つ化合物の合成を達成していたが、いずれもそれらの電圧は太陽電池のそれよりも高かった。それに対してここでは、適切な量の銅ナノ粒子がロードされたカーボン紙が、600 mV CO2を還元し、エチレン、エタノール、1-プロパノールを含む二あるいは三炭素化合物をおよそ60%の選択性で与えていた。そのカーボン紙、平凡じゃないなあ。

[1] Chemicals & Engineering News, 2017 September 25, p. 7.

DOI: 10.1073/pnas.1711493114

17.10.10

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3-Dプリントでは

 複雑な形の物体をつくることが出来るようになってきたが、航空宇宙産業や自動車産業でも使える金属合金を使った技術は未だに進展が遅い。5500種類の工業的に使われている合金のうち、およそ10種類だけがプリントできる。これはレーザーを金属合金粉末に照射し、層ごとに融かし、総合的に組立てられるけれども、合金が冷えて結晶化すると、たくさんのクラックが生じ、機械特性が、得せいへんような、質の悪いものになってしまう。その中今回わずか1%の水素化ジルコニウムを高強度のアルミニウム合金に加えるだけで、これらの小さなクラックを排除し、優れた3-Dプリントされたアルミニウム合金がつくられた[1]。この技術は基本的に様々な合金に使用可能であり、製造プロセスに適合している多くの金属へも拡大しうる。研究者らによれば、ナノ粒子が正しく配列し種結晶として、融解した金属に作用し、小さな核生成の積み重ねで、合金が結晶化している、とのことである。

[1] Chemicals & Engineering News, 2017 September 25, p. 5.

DOI:10.1038/nature23894

17.10.9

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探検家は

 神話にある若さの泉の話はしんわに、なったかもしれないけど、生物学者は、多くの種で、カロリー制限が寿命を伸ばすことを見つけている。栄養的に完璧でカロリーを減らしたダイエットを行うことは、ネズミや猿でのライフスパンの向上と関連がある。ただし、どのカロリー制限が長生きを促進するのかが、わからないままだった。今回の研究結果は、機構にはDNAメチル化のパターンの変更を含んでいる可能性を示していた[1]。われわれの細胞は、メチル化ドラフトと呼ばれる遺伝上の過程すなわち時間をかけて、システインヌクレオチド塩基のメチル化あるいは脱メチル化を行っている。年齢に関係するメチル化ドリフトと、ガンや糖尿病のような年齢に関係する疾病の関連が、種を超えた老化とカロリー制限でのメチル化の役割の調査を促進させた。すなわちディープシークエンシング分析を使って、ネズミ、赤毛猿、マカク、人間のDNAでのメチル化ドリフトが測定された。さらにカロリー制限がネズミや猿でのメチル化ドラフトにどの程度影響するかも評価された。その結果、より長生きの猿や人間では、メチル化ドリフトの速度が、短寿命のメズミより遅かった。加えて、ネズミや猿では、カロリー制限のダイエットが長いと、どんな食べ物も口にできる同じ年齢の動物よりも、年齢に関連するメチル化ドリフトは少なかった。カロリー制限で、軽ろ〜に、異見あった?

[1] Chemicals & Engineering News, 2017 September 25, p. 4.

DOI:10.1038/s41467-017-00607-3

17.10.8

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スマート繊維が

 つくられた。テキスタイルなので、スタイルも気になるけど、体型ではなくて、機能性でスマートである。胚芽から成長する綿ファイバーは化合物を取込み、光るあるいは磁性を持つ綿織物をつくるのに利用できる[1]。組込まれた機能性化合物は、疎水性、導電性、あるいは外部の化学的な処理が施された別のタイプの織物コーティーングよりも、織物がすり減ることは少ない。そこでフルオレセイン誘導体を使った蛍光グルコース複合体と、ジスプロシウム錯体を使った磁性グルコース複合体を調製し、それらを研究室の培養基で、綿の胚芽に加えた。複合体は綿の細胞に入り、別のグルコース分子とセルロースの鎖に入り込み、綿が出来あがる。ここでは遺伝子工学は不要で、蛍光綿ファイバーは弱いものの、磁性ファイバーは弱くはなっていない。この方法によって竹、絹、亜麻のような他の生物系からも高付加価値の機能性製品を導くことへも展開可能である。今回はグルコース、フルコースでした。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aan5830

17.10.7

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試作品づくりには

 三次元プリンターは力強い技術である一方、実際に使うとなると、薬物送達のような生体医療の材料とまではいかない。その中今回、ポリ(乳酸-グリコール酸)のような生体適合性のある材料からマイクロデバイスをつくる方法が開発された[1]。研究者らは、ポリジメチルシロキサン鋳型を使い、多層のポリマーデバイスの個別の層の形をつくった。ついで熱を使ってそれらを配列、組立、結合させた。さらにポリマー成分をもとに、前もってプログラム化されたスケジュールに従って内容物を放出する充填可能なポリマー微小粒子をつくった。医薬品溶液で満たされた粒子を高分子の蓋でキャップし、熱でそれらをシール、微小粒子をはがした。これを使ったテストでは、期待のインターバルで内容物を放出できる微小粒子の中に抗原を入れることで、ワクチンの注入を一回ずつ行うことが出来る。実際に抗原のモデルであるオボアルブミンを含む微小粒子の混合物を一回ずつ941日間与えたネズミでは、抗体のレベルが、比較対象の場合よりも向上していた。抗体アップ、乞うご期待。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 9.

DOI:10.1126/science. aaf7447

17.10.6

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ロシアの化学者は

 1964年に、パラジウム塩とトリフェニルシクロプロペニウムクロリドとエチレンとを反応させた。その結果、二つのシクロプロペニル配位子でキャップされたPd3Cl4鎖からなる構造と言っていいでしょう、と提唱した。一方で別の研究者らは最近、シクロプロペニウムイオンと遷移金属とのいくつかの反応は、開環により四員環メタラサイクルを与えることに気がつき、1964年の分子とシクロプロペニウムに興味を持った[1]。そこで1964年に報告された反応を行い、実際に合成されていたのは、トリフェニルプロピル配位子でキャップされたより複雑なPd6Cl8クラスターであることがわかった。エチレンが引き起すPd(II)Pd(0)への部分的な還元、シプロプロペニウムのPdへの酸化的付加を経て、開環した配位子ができると考えられた。そこで開環を確認するために別の方法でもクラスターを調製した。これらの結果から、1964年当時には認識されていなかったけれども、この分子は最初の単離された有機金属Pdクラスター化合物で、しかも1966年にCotton先生が金属クラスターの概念を定義する以前に合成された、最初の遷移金属クラスターでもあった。ファーストクラスのクラスターです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 9.

DOI: 10.1021/acs.organomet.7b005

17.10.5

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3-Dプリンターを使って

 プリン体ができる日が来るかもしれない。その前に3-Dプリンターで普通ではない形の電子デバイスをつくることは挑戦的である。その中研究者らは、新しいインクを開発した。半導体インクは、平たい表面などにプリントしなければならないため、粘性が低い。通常電子デバイスを平面にプリントして、ついで3-Dに形を整える。この再形成には熱、曲げ、あるいは水や他の溶媒が存在する中で拡大するプリントできる材料を使う。ただし液体や熱にさらすことはエレクトロニクスにとっては望ましくはない、今回のインクは、長鎖あるいは短いアクリルポリマーでできている[1]3-Dプリンターがインクの層を出した時に、短いポリマー鎖は新しい層から下層部に移動し、すでに出ている層を部分的に修復する。インクの層が増えるにつれて、機械的な応力を引き起こしポリマーを堅くする。インクの層を堅いポリアクリレートで置換え、異なるパラメーターを制御すると特別の折りたたみが印刷された物体にプログラムできて、わずかな折りたたみ角も制御できる。実際に自己折りたたみ四つ足のエレクトロクロミック素子がつくられた。これは電圧に応じて色が変化する。インクがリンクして形ができる。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 8.

DOI: 10.1021/acsami.7b10443

17.10.4

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ペリ環状反応

 ペリカンさんが関わるわけではない。協奏的に電子が移動して構造転位が進行する反応で、有機化学者の標準的な道具である。ただし自然界でのこの種の反応はほとんどなかった。今回菌類の天然物であるレポリンCを導く生化学的な経路を触媒する酵素が同定された[1]LepIと呼ばれる酵素は、レポリン前駆体の脱水を引き起こし活性な中間体を導く。ついでこれがヘテロDiels-Alder反応によってレポリンCに変換されるか、分子内Diels-Alder反応を経て異なる中間体になってさらに逆Claisen転位でレポリンを与えるかである。合成化学的にはペリ環状反応は、高温を必要とし、反応の位置・立体化学の制御が難しくなる。それに対してバイオ触媒として、酵素は温和な条件での反応が期待される。さらにレポリンの高い殺虫能が新しい類縁体合成や大量合成への道も拓くことができる。またLepIは、S—アデノシル-L-メチオニン(SAM)を使っているけれども、ここではSAMの陽電荷を持つ硫黄上のメチル基が水素供与体として作用し反応を触媒している点珍しい。酵素で新しい構想も広がる。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 7.

DOI: 10.1038/nature23882

17.10.3

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神経科学者は長い間

 妊婦さんのウイルス感染と、その子どもたちに自閉症、統合失調症や他の神経発達の遅れが生じる数が増える可能性の間に相関ありそうと考えていた。この関連をネズミで再現することが行われている。ポリ(I:C)と呼ばれる二本鎖のRNAは、ある種のウイルスの遺伝材料と似ており、これを妊娠したネズミに注射しウイルス感染をシミュレートすることができる。その結果その子たちは、新しいかごの仲間を無視したり、繰返し掘ったりという社会的に異常な振舞をする。以前に別の研究者らは、Tヘルパー17(Th17)細胞と呼ばれるある種の免疫細胞がこの現象に含まれていることを見つけていた。今回母親の腸の中にセグメント化されたフィラメント状のバクテリアがいる時だけ、これらの細胞がつくられることがわかった[1]。たとえばバンコマイシン投与した妊娠ネズミの大腸には、ほとんどTh17がなくて、ポリ(I:C)で処置しても子どもたちには、異常な振舞は見られなかった。すなわち先の微生物は、動物の免疫系を駆動させてTH17細胞を作り、免疫シグナル分子を放出して、これが胎児に異常な脳の発達を引き起し,大事に至ると述べられている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 5.

DOI: 10.1038/nature23910

17.10.2

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自然界にはない

 通常ではない光学特性を持つメタマテリアルを発生させるために科学者は、金属ナノ粒子のようなナノスケールの構成要素を使っている。ただしそれらの光学特性をリアルタイムで調整することは挑戦的な課題である。今回研究者らは、金ナノ粒子でできた切替可能な液体鏡をつくった。かがみ込んで見てみたい。電圧を変えると反射ミラーと透明窓の間でデバイスがフリップする。この液体鏡は、16 nmの金ナノ粒子を12-メルカプトドデカン酸でキャップしてつくられている。ナノ粒子は、混ざらない水溶性と有機の電解質溶液の間の接合部分で密な単層を形成している。接合部分のナノ粒子の密度は、電解質濃度と、水溶液のpHに依存している。二つの溶液の中の電極の間の電位を利用して、組立過程が制御されている。ナノ粒子は-200 mVで堅く鏡に組立てられて、200 mVで窓に解体される。この反射と透明の状態がコインを使って示された。この成果の面白い点は、可逆な金属の振舞の発現である。「メタマテリアルを、みな待ってりある」である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 September 18, p. 5.

DOI:10.1038/nmat4969

17.10.1

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