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トリクロサンは

 かつて抗菌石けんなどに含まれ、これを買っていた人も多くいた。ただしトリクロサンが耐性を引き起す可能性、通常の石けんや水だけと比較して抗菌効果があるかわからないため、昨年FDA201796日を期日に使用中止を発表した。それでも歯磨き粉へは、歯肉炎や歯垢の軽減に有効であることから使用が認められていた。その中今回、歯ブラシの剛毛に使われるある種のナイロンがトリクロサンを含む化合物を取込むことが報告された[1]。研究者らは22種類の手動歯ブラシ、人工唾液、0.3%のトリクロサンを含む六種類のベストセラーの歯磨き粉を使って三ヶ月間実験を行った。トリクロサンと他の歯磨き粉成分は、エラストマーの歯ブラシヘッドに蓄積されていた。半分以上の歯ブラシは、少なくとも三ヶ月間のブラッシングで10 mgのトリクロサンを含むことがシミュレートされた。さらにその後トリクロサンの入っていない歯磨き粉を二週間使ったところ、歯ブラシからトリクロサンがにじみ出ていた。トリクロサンの摂取の上限は0.3 mg/1 kg/1日であることから人への影響はないものの、歯磨き粉を通した化合物の移動というこれまで認識されていなかった経路があることも明らかにされた。研究成果にも磨きがかかっている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 October 30, p. 5.

DOI: 10.1021/acs.est.7b02839

17.11.16

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