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液体漂白剤である

 NaOClは工業的な酸化反応では、魅力的な環境調和型の反応剤である。安価で爆発しない、しかも共生成物は、お宅にもある食卓塩である。ただし大きなスケールでの反応の効率の悪さが大きな課題だった。その中今回、結晶化した漂白剤であるナトリウムハイポクロライト・五水和物が、有機化合物を、家庭にある希薄な漂白剤よりも、効果的かつ高収率な酸化剤であることが報告された[1]。数年前、ある日本の企業が安定な結晶であるNaOCl•5H2Oを製造する方法を明らかにした。今回の新しい成果は、日本の企業と大学のコラボで、工業的に行われる様々な酸化反応が試された。その中とりわけ嵩高い二級アルコールのケトンへの触媒的な酸化反応は特筆すべき例である。たとえばテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩とTEMPOとが触媒する2-オクタノールの酸化は1時間で、97%収率でケトンを与える。液体漂白剤では、22時間後11%であるのとは対照的である。さらに液体漂白剤では全く進行しないトランスジオールの酸化的開裂によるジケトンへの変換反応も媒介できる。固体漂白剤が、期待にお答えしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 November 20, p. 9.

DOI: 10.1021/acs.oprd.7b00288

17.12.8

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