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2018年3月

上を向いて歩こう

 を熱唱された、酉年生まれ。この三月末で退任される。愛知県東部で生まれ15歳までをそこで過ごす。その後新聞配達をしながら高校を卒業された。大学卒業後、当時の文部省に入省。昭和の頃、お見合いを世話される方も多かった。その回数も70を超えた。それでも独身で海外赴任。そこで巡り合った日本人女性が伴侶になった。岐阜大学に部長として赴任されて最初の研修。「部長不要論」を聞いて衝撃を受けられた。でも確かにハンコ押すだけの立場ではと、これには反抗すべしと様々な企画・提案もされた。他大学で数年を過ごした後、この方でなければ勤まらないと三顧の礼をもって本学に来ていただいた。講話の後半、込み上げてくる熱い思い。走りながら考えて、本学を牽引されて来たけど、やり残したことも多い。「可能性の追求」「一歩踏み出す勇気」「ゴールは全力で走り抜けるもの」などなど、たくさんのメッセージもいただいた。透き通るような声の司会も素晴らしかった。お稽古されたに違いない。

18.3.31

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5万年ほど前に

 隕石が地球に激突して、北東中国にボール状のXiuyanクレーターができた。と同時に地球化学研究のための収集品も、くれ〜た〜。顕微鏡さらにはスペクトル手法を適用することで、そこにあった炭酸塩鉱物が分析されて、ダイヤモンドのサンプルやそれが生成した新しい機構が明らかにされた[1]。研究者らはカルシウム、鉄さらにはマグネシウムを含む鉱物であるアンケライトに衝突があって生じた高温高圧の効果に注目した。その結果衝撃の圧力は25-45GPaであり温度は800-900 °Cで、その条件はアンケライトが分解しダイヤモンドを形成するのに十分である。その過程で炭酸塩成分は、自己還元を引き起こしダイヤモンドに変化、Fe2+Fe3+に酸化されて、マグネシオフェライト(MgFe3+2O4)の高圧多形体を形成した。この過程は融解、流体や追加の還元剤を含まず、炭酸塩からダイヤモンドが形成される。このことは、地球の下部マントルでは、ダイヤモンドは珍しくない鉱物であることを示唆していた。ダイヤが、マントルで待っとる可能性がある。

[1] Chemical & Engineering New, 2018 March 5, p. 6.

DOI: 10.1073/pnas.1720619115

18.3.30

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過酸化水素は

 漂白、殺菌、酸化で、商業的に利用されている。その製造量は、2022年までには年間550万トンに達すると言われている。工業的にはアントラキノンからエネルギーを必要とする多段階を経て製造されている。水素と酸素とから直接合成する方法は、より少ないエネルギーで済むが、水が熱力学的に好まれる生成物であるためにこの経路は難しい。その中ナノ粒子触媒や電極触媒による直接合成法の可能性が注目されるも、触媒の安定性と生成物の選択性に課題があった。ナノ粒子触媒は反応器の中でしばしば構造変化を伴う。この変化を同定できれば触媒設計をデザインできるけれどもこれも難しい。その中今回、X線吸収スペクトルで、酸化チタン上のナノ粒子Pd触媒がモニターされた[1]。室温でセルに水を入れて、9.8気圧で水素と酸素を様々な比率で混ぜた。その結果、加圧する前から、Pd粒子表面に吸着された水に酸素が溶けていた。加圧すると、状況がさらに変わって、過酸化水素が出来てきた。ただしH2O2の比は、0.5から2.0でなくてはいけなかった。2.0以上だと水が生成していた。α-Pdヒドリドとβ-Pdヒドリドが関わっている。日取りの善し悪しではない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 March 5, p. 6.

DOI: 10.1021/acscatal.7b03514

18.3.29

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充電可能な

 極寒の中でも使えるリチウムイオンバッテリーをつくるために研究者らは、酢酸エチルを寒さに耐える電解質溶媒として選択した。酢酸エチルの凝固点は-84 °C。仰天するかもしれないが、その付近の温度になっても粘性は上がらないという天性の性質を持つ。加えて、従来の無機電極の代わりに有機材料を電極として使った。バッテリーが充電されると、ポリイミドアノード材料が反応し、リチウムイオンがそれにバインドする。かたやカウンターアニオンは、ポリトルフェニルアミンカソードに吸収される。バッテリーが放電するときは逆の反応が起こり、リチウムイオンが放出される。この有機バッテリーは50 °Cから-70 °Cで働き、-70 °Cでは室温の70%の貯蔵量を保持する。しかもこの温度幅の広いバッテリーはわずか1.2 Vで作用する。なお今回のそれは極寒に加えて、高い高度で使われる機械や宇宙ステーション、惑星探査へも利用可能。Fudan大学で普段から開発されてきた成果である。

[1] Chemical & Engineering News 2018 March 5, p. 4.

DOI: 10.1016/j.joule.2018.01.017

18.3.28

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シクロプロパン環を

 タンパク質触媒を使って構築する方法は以前にも開発されていた。ただしそのヘムタンパク触媒は、それほど腕白ではなくて、比較的反応性の高いアルケンの反応を触媒していた。実際にそれらは市販で入手できるけれども、不活性なアルケンの変換も含む困難なシクロプロパン化も達成できる触媒が期待されていた[1]。そこで指向性進化法が採用されて、自然淘汰モデルをシミュレートして有望な候補の探索が行われた。その結果、バクテリアとアーキアから四つのヘムを含むタンパク質が最適化された。それぞれは不活性なアルケンである1-オクテンから異なるシクロプロパン立体異性体を製造することができる。カルベントランスファーによるシクロプロパン合成は、大腸菌の中で起こり、アルコールや他の反応を阻害する官能基があっても進行する。今回の成果は、天然にあるヘムタンパクの多様性と、指向性進化法の組合せから得られたものであり、他のタイプの新規な立体選択的触媒探索にも応用可能である。指向性進化法を実行しんか、で始まったか。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 March 5, p. 4.

DOI: 10.1021/acscentsci.7b00548

18.3.27

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1970年代に

 Corey先生によって初めて開発された合成経路の分析プログラム[1]、決して確かなものにはなっていなかった。それに対してここ数年の間にいくつかの新しいものが登場し、Chematicaはその一つである。それはごまんとある合成のルール50000個に従うようにプログラムされている。Chematicaのアルゴリズムは、標的に対する合成経路を提案し、新規で高効率選択的な経路を探す。このスキルを実証し、すっきりするために、8種類の標的が入力された。Chematica15から20分でそれぞれの経路を計画し反応条件を示した。その経路に従って実際の合成が行われてすべてが成功した。七つはすでに合成方法が報告されていたが、収率の向上、合成段階の短縮、かかった時間の縮小、コスト減を達成していた。八番目の標的は天然物の最初の合成になった。この成果に対して、全合成における苦役を減らすことができるという意見と、報告された系との差異はわずかでそれほどのベネフィットがあるのかという意見があった。どちらにしてもChematicaを待ちかねている人たちもいる。

[1] Chemical & Engineering New, 2018 March 5, p. 3.

DOI:10.1016/j.chempr.2018.02.002

ちなみにCorey先生のプログラムは、Logic and Heuristics Applied to Synthetic Analysis である。

18.3.26

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芳香族C-H結合を

 直接C-F結合に変換する一般的で温和な方法は、従来法では合成困難なフッ素化化合物を合成できる方法であるが、新規な医薬品やその候補を組立てるためには、たくさんの官能基が組込まれた合成の後半段階で利用される。これまですでにアルキルC-Hのフッ素原子への置換えについては良い方法があったが、芳香族C-Hに関する例は、きれいになかった。これまでの方法ではフッ素ガスを使ったりしていたが、過激な条件が他の官能基を壊してしまう。それに対してここでは、親電子的なフッ素化剤が開発された[1]。しかもエステル、塩素、スルホンアミンドのような官能基が生き残る。フッ素原子は芳香環のオルトあるいはパラ位に組込まれる。この反応を使って、たとえば脂肪低下薬であるシプロフィブラートのフッ素版が合成されている。研究者らは、ブレンストーミングを経てアイデアを紙に書いたものの、実現するには、触媒やそのバランスの最適化に何年もかかった。Pd(IV)錯体を使っているが、配位しているピリジル基のオルト位の塩素が必要不可欠だった。フッ素化だけに

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 26, p. 7.

DOI: 10.1038/nature25749

18.3.25

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ダイヤモンドアンビルセルを

 使って、どんなもんどでも浴びる・・・ではない。この中にm-カルボラン-9-チオラート(Cu-S-M9)を入れて、12ギガパスカル(GPa)の圧力をかけると、銅—硫黄結合が切断されて、Cu(I)Cu(0)に還元された[1]8GPa以下では、化合物の構造は変化するものの、もとの状態に戻る。8から12GPaの間ではいくつかの結合が解裂する。これはカルボランの立方体構造が圧縮に抵抗し代わってその力を銅—硫黄結合に向けているためである。Cu-S-M9の配置が結晶内のその力を非対称化しCu4S4を変形させる。DFT計算の結果は、圧力が、分子軌道の電荷密度を、歪みのかかった銅—硫黄結合から、それが開裂するまえに緩和され、電子が硫黄から銅に移動することを示していた。配位子はまたこのメカノ化学変換を阻止することもできる。たとえばアダマンタン-1-チオレート銅(I)では20 GPaでもなにも起こらなかった。この場合アダマンタン配位子は,お互いに押し合い、銅—硫黄結合に歪みがかかるのを、頭んから、防いでいる。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 26, p. 6.

DOI: 10.1038/nature25765

18.3.24

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空の軌道と

 孤立電子対を持つ一価のホウ素化合物であるボリレンは、かなり電子豊富な遷移金属と同様な振舞をする。なかなか借りれんけれども、それは電荷密度を供与し、安定なN-N三重結合を活性化しうる[1]。低分子を用いた窒素固定は化学における最も難しい課題の一つである。今回の成果は窒素固定と活性化化学で新しいパラダイムを提供している。遠い先にはアンモニア合成のような大容量窒素固定反応を改良する一助になり得るものの、それはまだまだ先ではある。現段階では窒素分子一つを捕捉するためには二分子のボリレンが必要である。ただし低原子価典型元素誘導体は長年、限定的な科学社会のために、研究室でのみ好奇心をくすぐるものであると見なされてきたが、今回の低配位ホウ素中心での窒素固定は、基盤科学の有用性を示した素晴しい成果である。今後は反応機構研究を通した条件最適化が計画されている。窒素固定の新しいお答えである。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 26, p. 5.

DOI:10.1126/science.aaq1684

18.3.23

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久しぶりに

 北習志野に来たらしいのう。でそこから一駅移動して日本化学会春季年会の会場に向かう。巨大なキャンパス、以前を思い出しながら移動。案内版は英語がメジャー、それを見て英語ができない自分を実感。内容を把握できる速度、スキャンの速度が違う。午後2時過ぎに到着して軽食をと思ったけど軽率、食堂は午後2時までだった。展示・ポスター会場に出向いた。いつも通りの抽選券、青玉だった。メジャーをいただいた。柔らかさもあるもののウエスト測定のためではない。コーヒーもいただいて、企業さんのブースからポスター発表を回る。今回の発表件数は知らないものの、なんだか例年よりも減った感ありだった。黙って聴衆を待つ学生さん、話を聞かせてもらった。その場を去って巡っていると「説明どうですか」と勢いよく声をかけられた。熱意のこもった説明、時間もかかる。で最後は目的の前の前の段階で終わっていたというお話。こりゃあ中々厳しいなあと、感じてしまった。学術情報部のブースでもらったBCSJチョコとIF 3.0のチョコが気持ちを和ませた。ちなみにCLチョコは、くれ〜と言っても品切れとのことだった。

18.3.22

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新反応開発では

 たくさんの条件を設定して探索実験を繰り返し、良好な結果、全く進行しなかった結果など様々なデータが蓄積される。にも関わらず論文で公開される内容はほんの一部でしかも最善の結果が主である。一方、機械学習ではコンピューターアルゴリズムが、リズムよくデータのパターンを見出すため、これを化学者が利用できると、これまで変換反応で使われたことがない基質を使った反応の最適要件を引き出すことができると研究者らは考えた[1]。このためにまずBuchwald-Hartwigアミノ化反応の収率を予測するために機械学習が利用された。アルゴリズムは、ハロゲン化アリール、Pd触媒配位子、塩基、イソオキサゾール添加物を許容した。超高速反応技術によって4608の反応が行われ、そこからのデータを使いアルゴリズムを組み立てて、他の反応条件の結果も得た。いくつかのアルゴリズムを行った結果、いわゆるランダム森林モデルが最適だった。またモデルには含まれていなかった反応を阻害するイソオキサゾールを予測できた。今回の成果は化学者がC-Nカップリング反応で、イソオキサゾールモチーフを有する基質の収率を最大化もできる。これは偉大か。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 19, p.8

DOI: 10.1126/science. aar5169

18.3.21

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多くのデータで

 コンピューターが訓練して予測をする機械学習は、様々な応用のための確かな分子を見つける速い方法になり得る。ただし用いるデータの良質さも必要である。今回研究者らは機械学習を使って高スピンと低スピン状態のエネルギーギャップが小さな新しい無機化合物を見つける探索を行った[1]。光や熱は、スピンクロスオーバー錯体(SCCs)と呼ばれる分子を高スピン状態にすることができるためセンサーやスイッチとして有用である、これは一致した見解である。ただし無機分子のスピン状態と別の特性は複雑で、モデルを教える利用できるデータも少ない。この限界を克服するべく、標準の探索のアルゴリズムと人工ニューラルネットワークと呼ばれる機械学習を組合せて八面体のSCCsが探索された。その結果ネットワークは5 Kcal/molあるいはそれ以下のエネルギーギャップを持つ錯体を絞込んだ。DFT計算では数日を要するのに対してこの方法は数分で372までの解を引出した。そのうちの70%が価値のある標的であると判断された。機械が学習する機会、一回だけじゃない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 19, p. 8.

DOI: 10.1021/acs.jpclett.8b00170

18.3.20

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液体入りの

 カセットボトルをビルドドライバーに差し込む。変身にビビるど、でも返信はない。石ノ森章太郎さん原作の仮面ライダーが形を変えて続く。これもかめへん、キライダ〜と言わなくてもいいけどライダーシーンが減ったらしい。敵も味方も仮面ライダーばかりで初心者には難しそうである。それでも先のビルドドライバーがおもちゃになって坊や達がお持ちになる。ドライバーを腰に巻いてはヒーローになった気分。昔々はお面をつけては風呂敷をマントにした。今時のそれでは、新しいボトルがテレビで登場すると補充したくなる。その数80余りらしい。それぞれのボトルの外側に音声を指定する凹凸の記号列がある。差し込む組合せによってその後に発する言葉が違う。ついでAre you ready?と告げられる。少々の乱暴な扱いでは壊れない素材に、ボトルは子供達でも簡単に差し込むことができるような工夫が施されている。日曜日の朝ごとに、新しいボトルがあったらしいと、思わず注文してしまいそうである。

18.3.19

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極地魚は

 凍結を防止するいわゆるグリコプロテイン(AFGPs)を含む分子防御によって、凍るほど冷たい水の中でも血液の流れは止まらない。これらの柔らかい分子は、食べ物や組織を冷凍保存するためにも大いに期待されるものの、どの程度氷の広がりを抑制することができるかを、実権があっても、実験的に正確に把握することが難しかった。今回分子動力学シミュレーションによって、AFGP群の中の最も小さなAFGP8が、水と氷の接触面で如何に氷にバインドするかが明らかにされた[1]。研究者らは、AFGP8のペプチド骨格やそれにぶら下がる糖鎖に含まれる多くのメチル基が氷の表面に弱く繋がっていることを明らかにした。この可逆なバインディングによって、グリコプロテインは、結晶の中の隠れ場所を見つけるまで表面を動き回り、氷の成長を抑制している。今回の成果は、これまで長年に渡る議論の対象だったAFGPのバインディング機構を解決している。氷、小売り業者も関心が高い。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 8.

DOI: 10.1021/jacs.7b13630]18.3.18

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二次元材料が

 各段に増加している。それらの多くはマイクロエレクトロニクス分野であるが、原子レベルで薄い回路ユニットは、トランジスターや他のデバイスを極端に小さくすることができる。ただしそれらは高い信頼度で修飾しなくてはならず、技術者は2-D材料のスイッチを入れたときの温度上昇、膨張率、どの程度の速さで熱が拡散するかも検知する必要がある。これらのパラメーターを測定する方法はあるものの依然不足している。たとえば、走査プローブ法では、総裁が指示してもだれかが忖度しても、カンチレバーチップの大きさのために高解像度を達成できず、また試料は測定に影響する支持台に置かれている。その中新しい高解像度の温度測定法が、走査型透過電子顕微鏡法と電子エネルギー損失分光法を組合せて開発された[1]。この方法を使って技術者らは、グラフェン、MoS2MoSe2WS2WSe2を含む2-D材料に支柱なしで置かれたサンプルの、温度や熱膨張係数のマップを数ナノメートルの解像度で作成している。高解像度でかっこいいぞう である。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 7.

DOI:10.1103/PhysRevLett.120.055902

18.3.17

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炭素−炭素結合を

 連結する、なくてはならない反応の一つである鈴木宮浦カップリング反応は、テレビでも放送された、有機ホウ素化合物と親電子剤を利用する反応である。ただしビニルホウ素と臭化アリールとの組み合わせでは、温度上昇に伴い制御できなくなる場合がある。そこでこの反応の加熱の挙動を、80 °Cで様々な塩基、溶媒、触媒を使った条件で、ダウアグロサイエンス社の研究員らが系統的に精査し、よりよく取り扱うための指針が報告された[1]Pd触媒は素早く発熱反応を引き起こす。この発熱は、常々一定であり、無水条件よりも水系の方がさらに速かった。さらにアリール親電子剤や溶媒、塩基、触媒、ビニルホウ素種が反応の発熱挙動に影響を与える。研究された多くの反応は、溶媒の沸点温度よりも高い温度や反応混合物の分解温度に達していた。効率の良い冷却システムがなければ、反応は、危険な暴走反応になりかねないと注意喚起されている。皆さんも関係なくはない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 7.

DOI: 10.1021/acs.oprd.8b00001

18.3.16

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リンを含む化合物は

 必ずしも簡単に製造されるわけではない。例えば、リン酸を還元し、自然発火性で毒性の同素体である白リンに変換する。さらにそれを塩素ガスと反応させて三塩化リンに至る。この経路は危険な反応剤を使うものの、除草剤であるグリホサートや電池の電解質であるヘキサフルオロリン酸リチウムのような大量生産される化合物製造に利用されている。それに対して今回別の経路が開発された[1]。まず塩化ナトリウムを使ってリン酸を脱水しP-O結合が三つ連結した六員環化合物であるトリメタホスフェートを導く。ついでこれをトリクロロシランで還元し、これまで知られていなかった、田舎にもない、ビス(トリクロロシリル)ホスフィドアニオンを発生させる。これが様々な化合物と反応し、ホスフィンガスやヘキサフルオロリン酸アニオンのような有機リン化合物を与える。これによって、これまでは白リンに依存していた重要な化成品製造を、それを使わないで製造しうる。白リン代替、九分九厘以上成功かな。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 7.

DOI: 10.1126/ science.aar6620

18.3.15

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火山、煙突や

 他の人為的な要因で放出される水銀は地上に落ちて土壌の中の有機物と混ざる。微生物はそれを分解して水銀は大気や水系に戻る。ただし凍った土壌ではこの過程が起こらない。何年にも渡る堆積で、水銀は永久凍土の奥深く深くに留まる。不覚であった。北極では2100年までにこの永久凍土の30-99%が失われると予測されている。これによって水銀について何が起こり得るかを考えるためにアラスカの13の場所から堆積物が集められた。永久凍土やその上の土の中の水銀濃度から、凍った層には170万トンの水銀があることが推定された。これは永久凍土のおよそ半分である。これまでの水銀推定量が45万トンであったこととは大きく異なる。水銀そのものの害は大きくはないものの、メチル水銀を形成することで危険性が格段に増す。永久凍土から大洋や水系に入った水銀は漁場に影響を与える。今後は、永久凍土が融けて水銀がどう移動するかを理解することが重要である。A級の方法で堂々とチャレンジしたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 6.

DOI: 10.1002/2017GL075571

18.3.14

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1899年に発見された

 Baeyer-Villiger反応ではケトンと過酸の反応から例えば高分子前駆体であるカプロラクトンを導くことができる。この楽とん思われる反応だけど、巧妙なアルキル基の転位を伴い反応の最適化が難しい。反応機構に関する議論は古くから行われていて、その一つCriegee中間体は生成するものの安定性が低くてすぐに消え去る。その中今回安定化されたCriegee中間体が、温和なルイス酸と希薄な過酸化水素を用いた反応で合成されて、構造的さらには計算化学的に特徴づけられた[1]Criegee中間体はケトンに過酸が付加した構造であるが、ここではそれを環状にするとともにOH基をOOH基に置換えている。この構造入替は、鍵となる反応を加速する電子軌道相互作用を遮断している。ここでOOH基をOH基に変換しても、かなり安定であるけれどもBaeyer-Villigerエステルを形成することもできる。今回の成果でBaeyer-Villiger反応の合成的利用も、やばいや〜になるほど、拡大される可能性もある。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 5.

DOI: 10.1002/anie.201712651

18.3.13

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炭素−炭素結合を

 連結する、なくてはならない反応の一つである鈴木宮浦カップリング反応は、テレビでも放送された、有機ホウ素化合物と親電子剤を利用する反応である。ただしビニルホウ素と臭化アリールとの組み合わせでは、温度上昇に伴い制御できなくなる場合がある。そこでこの反応の加熱の挙動を、80 °Cで様々な塩基、溶媒、触媒を使った条件で、ダウアグロサイエンス社の研究員らが系統的に精査し、よりよく取り扱うための指針が報告された[1]Pd触媒は素早く発熱反応を引き起こす。この発熱は、常々一定であり、無水条件よりも水系の方がさらに速かった。さらにアリール親電子剤や溶媒、塩基、触媒、ビニルホウ素種が反応の発熱挙動に影響を与える。研究された多くの反応は、溶媒の沸点温度よりも高い温度や反応混合物の分解温度に達していた。効率の良い冷却システムがなければ、反応は、危険な暴走反応になりかねないと注意喚起されている。皆さんも関係なくはない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 7.

DOI: 10.1021/acs.oprd.8b00001

18.3.16

 

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木の特性を

 向上させるために研究者らは、木を水蒸気、熱、アンモニアにさらした後押し潰したり圧縮したりしてきた。これによって木の厚さは元の40%程度になるものの、木の内部には穴や溝が残ったままであり、失敬にも湿気があると膨張してしまう。その中新しい方法が開発された[1]。まずNaOH/Na2SO3溶液の中で天然の木を沸騰させてより多くの孔をつくり木を柔らかくする。ついで100 °Cで木の成長の方向とは垂直に木を圧縮する。木は相当多くのグルコースポリサッカリドセルロースやそれより少ない量の五糖ポリサッカリドヘミセルロース、フェノールポリマーであるリグニンを持つ。これらは先の沸騰させる条件での安定性が異なるためにヘミセルロースの75%とリグニンの50%が取り除かれセルロースはほとんどそのまま残っていた。部分的にリグニンを除去することは木を完全に圧縮する鍵だった。接近した僅かな隙間のあるセルロースナノファイバーの間での水素結合相互作用が、圧縮した製品の強度を向上させている。オイルでコーティングすることで湿気にも耐えうる。また弾道試験では、3 mmに圧縮された木の薄板は、通常の木を撃ち抜くエアガンの弾を止めた。そのことから乗り物や船のボディ、そうこうするうちに、装甲などへも利用できるようになる。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 12, p. 4.

DOI: 10.1038/nature25476

18.3.12

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チケット売場では

 

 顔写真の撮影、一人数秒で終わった。しばらくして顔写真つき入場券を受け取る。アンコール・ワット、12世紀前半にスーリヤバルマンII世によってヒンドゥー教の寺院として建立が始まった。壁面にはバトルの歴史が描かれている。第一回廊から第二、第三とつながるが、この日は満月、聖なる日、第三回廊には入れなかった。帰ろうか、皆さんで昼食。夏の日差しが強くなる中プリヤ・カーンを訪ねた。この日は、京都で一年過ごしたと言うツアーガイドさんの日本語解説。その寺院の入り口にも「乳海撹拌」が記されているとのこと。ヒンドゥー教の天地創造の話らしい。大蛇に阿修羅が大事や。樹齢300年の樹木が遺跡と一体化。そこを離れてアンコール・トム、五つの門のうち勝利の門からバスで入ってバイヨンへ、すごさもやばいよん。砂岩に加えてラテライトも使われる。鉄成分による赤みと硬さが特徴。第一層から第三層までたくさんの四面像がある。厳しい顔、柔和な顔、紙面に書ききれずにカメラで切り取った。お土産屋さん経由でホテルに移動。日本語の学校を作ったと言うガイドさん。子供たちが大きくなって、自分と同じような職業もいいし、カンボジアを日本のような国にするのに活躍もしてほしい、とのこと。凡人ではないガイドさんへ、思わず拍手。

 

18.3.11

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電気が消えて

 発表会場が真っ暗、しばらくして復帰。ただしプロジェクターを立ち上げるのに時間がかかる。再開できる体制になって演者は続きを説明。でもそろそろ終わりの時間だと座長が言う。中断の間も持ち時間が費やされた。「これでええんじゃ」とは思えない演者だったけどパワポを送ってSummaryに来ていた。外はSummerである。さらに急ぐ座長。終了後はそこがバンケット会場、準備時間の確保が必要だったらしい。バンケットではこちらのダンスがいくつか披露された後、組織委員長が歌う「北国の春」中国語字幕にマレー語の歌か、相変わらずの豊かな声量と歌唱力。日本からの参加者を束ねて「王将」を合唱するとのこと。どうしよう。餃子の歌?村田英雄さんの名曲だけれど、登壇したほとんどの人はそれが流行った頃はまだ生まれていないとのこと。藤井聡太さんについての話題が紹介された後、マイクを手にした。カラオケならぬ歌付きだった。これで運の尽きになりませんように。

18.3.10

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ICPAC

 パックツアーとは違う。カンボジア化学会とInstitut Kimia Malaysia(マレーシア化学大学)との共同開催の国際会議である。大学名に「化学」が入っているのもマレやしなあで「2030年に向けた持続可能な発展のための化学」が主題。開会式では、会議の実行委員長、カンボジア化学会会長、先の化学大学の学長代理に、カンボジアの文部科学省に相当する省の副大臣が挨拶をされた。普通の椅子に座るチェアマン、特別なチェアに座る副大臣。どちらも「sustainable」、エネルギー、水、生活の基盤の安定性が強調される。ギフト贈呈の後、出席者全員で写真撮影。主賓の方の前後に適当に並ぶ。カメラマンが「もう少し右に移動してください」とか「表情が硬いので、皆さんスマイルで」と参るほど言うことはない。気が付いたら終わっていた。5階から1階の発表会場に移動中。「先生、registrationはどこですか」と聞かれた。こちらは講演会場を捜す。最初のコバルト触媒の発表へ向かう。遅れると困るど、数ある会場の一つ、演者がお見えになった。ここでええんじゃだった。

18.3.9

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スワンナプーム国際空港に

 降りた。ボーディングブリッジから移動の通路、長い道のりを移動。動く歩道で止まる人に苛立ちを感じて間を抜ける人もいる。この光景、今時分、今自分がどこにいるのかがわからなくなる。デンバー?カンザスシティ国際空港か、観察すると案内ボードに自分には馴染みのない文字。これがその場に来たことを示していた。待ち時間 、ラウンジを利用できそうである。ゲートがCなのでそこで聞くと「これはバンコクエアウェイズの搭乗券なのでD-7ゲートのラウンジを」とのこと。ゲート間の移動の芸当よく歩いた。ナイトキャップを忘れていた。最初のプランはここで購入予定。酔うてへんでも忘れることもある。離陸してシェムリアップ空港、タラップを降りて空港ビル、格別な情景である。税関検査を無事通過して忘れず購入。100ドル紙幣を出した。「私はキャッシャーでないので新しいドルが必要、これは古いドル」とのこと。??? 確かにもう一枚手元にあったそれとは違っていた。たくさんの紙幣をお釣りにもらって失敬した。

18.3.8

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混雑する

 チェックインカウンターに保安検査場。春休みで海外に行く学生さんも多い。こちらは一人、検査場でジャケットを脱ぎパソコンを出して財布などをカバンに入れてゲートを通過する。金属探知された模様。「身体を確かめていただきます」とのことで、なんだか小道具を使って身体をスキャンしている。はっと気がついた。「ベルトや」と述べると「身体の中程で反応がありましたから」とのこと。再び検査装置をくぐった。目的地では、小さなドル紙幣が有効であるとのこと、あなどるべからず。以前から持っていた100ドル紙幣を外貨両替にて、まさに両替をお願いするものの、それはできませんとのこと。意外ではないけど外貨との両替だった。搭乗時刻になった。ほとんど最後の乗客としていつも乗り込む。タイ国際航空、ロイヤル・オーキッド。機体も大っきいどの777。客室乗務員は、手を合わせて乗客を拝む。タイ式のご挨拶。タイにも行きたいけど、今回は乗り継ぎのみ。

18.3.7

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メタノール脱水素

 (MDH)酵素は、メタノールをホルムアルデヒドに、高速で変換する[1]。これはメタノール代謝の鍵段階である。その酵素にはピロロキノリンキノン補助因子を含み、通常これがカルシウムにバインドしている。それに対して火山で見つかった菌[2]では、ランタニドイオンがいることがX線構造解析より明らかにされている。そこでランタニド-MDH錯体の働きを理解するために研究者らは、酵素よりも取扱いが簡単なモデル化合物を開発した[3]。補助因子は様々な方法で金属イオンにバインドするため、ここではピロールやカルボン酸部位がなくて、嵩高いシクロヘキシル基を持つ従順な代役を採用した。得られた錯体は、こちらもメタノールの便利な代役であるベンジルアルコールをアルデヒドに変換することができて、触媒的に酸化剤、塩基として働いていた。DFT計算の結果は、ヒドリド転位を含むことや、ランタニドイオンが鍵中間体への活性化障壁を下げていることを示していた。なお配位子からの電子受容性がランタニドのほうがカルシウムより高いことがよいらしい。モデル化合物がもう出る頃だったかな。次は神社へ。

[1] Chemical & Engineering News 2018 February 12, p. 3.

[2] 村井君のブログ、18.3.5

[3] DOI:10.1111/1462-2920.12249

18.3.6

 

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ランタニドイオンは

 中性の水では、生体利用性がほとんどない[1]。その中10年前にイタリアで、蒸気を出している火山の坊主地獄で、ランタニドが足りんと生きることができない生命体が初めて発見された。その生命体がメタンを常食とするのを助けるために、それが持つある種の菌(Methylacidiphilum Fumariolicum)には、セリウムやランタンのような希土類原子を鍵として有するメタノール脱水素酵素(MDH)が含まれる。これはランタニドがナポリから離れた硫気孔の火山クレーターの熱い酸性条件では、たくましい微生物が2-3μMの濃度のごちゃまぜの希土類にアクセスすることができるためである。特に先の菌が健康に育つためにランタニドの供給が必要である[2]。ランタニド-MDH錯体を利用している微生物としては、2010年ディープウォーター・ホライズン原油流出事故のあとの水のサンプルからも発見され、それは事故の時に放出されたメタンと遊んでいた[3]。さらにサンノゼ州立大学キャンパスの、葉っぱに住むバクテリアも、ランタニドとMDHを一緒に使っている[4]。ランタニドをバクテアリも食ってリアンである。

[1] Chemical & Engineering News 2018 February 12, p. 3.

[2] DOI:10.1111/1462-2920.12249

[3] DOI:10.1038/s41598-017-11060-z

[4] DOI:10.1126/science.aaa9091

18.3.5

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320年ほど前に

 つくられた石橋を渡る。その先に校門、神社。周囲を囲む石塀全長765 m。苔も生えていなければ岩の間から草も生えていない。まずは、溝を掘ってそこを基本に石を密に積み上げた。中の岩は水洗いして植物の種などが残らないように手入れをした。それを入れ込んでその上に岩を密に積み上げた。1670年頃、子供達への教育の大切さへの強い思いを持っていた藩主池田公の主導で、閑谷(しずたに)学校が計画されて、家臣である津田永忠が31年の歳月をかけてその場所がつくられた。神社の横に孔子廟、最も高い場所である。「三歩下がって師の影を踏まず」というボランティアの方の解説。学校全体が長続き出来るような様々な工夫が施されている。それから数百年経って楷の木が植えられた。楷書の語源だとのこと、疑問も解消された。今も使われている講堂。漆塗りの床、許しを得ないと入ることは出来ない。その解説を聞いていた途中、エルダー女性パワーを感じた。解説に驚嘆しメモをとっておられた。閑谷で静かに、が一変した。もういっぺん訪ねたい。

18.3.4

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駅西口より

 バスに乗る。交通系カードも使える。およそ25分、目的の大学に到着。正門へ向かうエスカレーターは稼働していない。階段を移動、疲れた〜と思っていると再び階段が目に入った。こちらはエスカレーターが稼働していて、ちょっと感動。初代理事長の像に建学の理念が記されたプレート。原爆が投下された後の惨状を見て「教育による人材育成」の大切さを実感された初代理事長。歴史、伝統を感じさせる大学の正門。その斜め前には記念館。かつて鈴木章先生もここで過ごされたことがある。クロスカップリング反応について概説されている。大学の歴史、関連する資料の展示。正門を入るといくつもの建物が目に入る。それぞれA1A2A3などと名付けられている。ただし紙のサイズとは違う。その中一際目立つA1号館、まさに豪華。入って右手のプレゼンテーションルーム。ここでお話をさせていただいた。幾つも質問をいただきなんとか完了して外に。この建物の最上階辺りの壁には、昨年一躍有名になった学校法人の名前が掲げられていた。皆様たいへんお世話になりました。

18.3.3

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ガスセンサーは

 大気の質やエンジンのエミッションをモニターするような工業的応用で重要な役割を果たしてきた。加えて呼気中の揮発性有機化合物を分析し、疾病を予測する高感度な手作りのガスセンサーもあるが、これはしばしば半導体酸化物、ナノマテリアル、2-D材料が基本である。それに対して今回、チタンカーバイドMXene化合物がガスセンサーに組込まれた結果、ppbレベルの感度とこれまでの最高のS/N比を記録した[1]。黒リン、二硫化モリブデンを含む様々な2D材料が最高のパフォーマンスを示すガスセンシング材料にランキングされている。その中、一連の2-DメタルカーバイドやニトリドであるMXeneが応用できるかどうかが探索された。アセトン、エタノール、アンモニア、プロパナールや他の呼気分析に資するガスを用いて、気分よく、直接の比較が行われた。その結果MXene化合物であるTi3C2は他の2-D材料に比べてS/N比が100倍程度高かった。これはMXeneの多孔性、金属様の導電性、検体を吸着できる豊富な表面によるものとのことである。MXeneに任せんといかんかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 5, p. 11.

DOI: 10.1021/acsnano.7b07460

18.3.2

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一世紀以上前

 化学者はアリールハライドのホモカップリングを発見した。そこでは銅触媒が二つのハロゲン原子を説得し二つのアリールを一緒にした。この力強い二量化反応は長年、ビアレーン合成の主たる方法で、他にはほとんど、あれ〜へんだった。今回それが名古屋大学のチームによってアップグレードされた[1]。すなわちクロロフェニレンの縮環型二量化反応で新しい二つの結合形成によって環を生起させている。反応ではPd触媒、嵩高いアダマンタン配位子が二重の炭素-水素結合活性化を促進し、縮環したトリフェニレンがコアとなる構造が構築されている。このタイプのπ共役系構築は、有機ELや太陽光発電のような応用面で重要な特性を有する化合物群を用意できる。さらに部分的に縮環したアレーンは、鉄触媒を用いたScholl反応で成功裏にチャックされて完全に縮環した多環芳香族化合物になる。以前の縮環していない芳香環を出発化合物に用いた同様の反応は望ましくない副反応を伴うこととは対照的である。この追加の段階によって、切望されている独自の光電子工学特性を示すグラフェンナノリボン材料提供に、名乗りを挙げている。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 February 5, p. 11.

DOI:10.1126/science.aap9801

18.3.1

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