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1889年ゴッホが

 描いたひまわりには、色落ちする傾向のある黄鉛顔料が使われている。今回その数と配置が分析された[1]。誰かが応援しているかはともかく、黄鉛顔料は無機染料の一種である。耐光性のあるそれはPbCrO4を含む。光に敏感な黄鉛顔料は、光の影響で、黒ずんでくるがCrO4-SO42-に置換えられる。光に敏感な別のタイプのものは、違った量の硫酸塩を含む。研究者らの分析の結果は、より暗い黄色の花、明るい花、さらには背景に黄鉛顔料があることを示し、別の染料と混合されている部分もあった。耐光性黄鉛顔料はオレンジ—イエローである。一方で光に繊細なサブタイプの顔料は、分析した画の表面のおよそ1/3で見つかり明るい黄色領域になっていた。さらに二つのサブタイプや、黄色と他の染料が複雑に混合した重なる層の可視化にも成功している。今回の成果は、画を保存するときに、どの部分がより劣化しやすいかを判断する場合や、芸術歴史家がゴッホの使ったオリジナルな色をデジタル再構成するときの一助になる。ゴッホの絵からいただいたごっ褒美である。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 March 12, p. 15.

DOI: 10.1002/anie.201713293

18.4.10

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