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新しいタイプの

 抗生物質候補が発見されたと広報された[1]。それはメチシリン耐性菌(MRSA)や慢性感染症に関連する休眠状態のバクテリアに対して作用しうる。研究者らは低分子ライブラリーから線虫の一種であるシノラブディス・エレガンスを死滅させるMRSAの能力を低下させる分子を選別した。すなわちCD437CD1530として知られている二つの合成レチノイドが抗生物質候補として特定された。これらの化合物と一緒に二時間培養させるとMRSAMW2は検出限界以下に減少した。さらにバクテリアを高濃度のレチノイドにさらすと突然変異で生き残るはずのMW2は全く見られなかった。CD437の抑制の限界濃度以下の条件でMW2100日間成長させた後でも二倍程度の増加であり、従来のシプロフロキサシンが256倍であるのとは対照的である。すなわち今回のレチノイドは、それ自身あるいは他の抗生物質であるゲンタマイシンとの組合せで、しつこいMRSA細胞を退治できる。そこではレチノイドはバクテリアの膜脂質の二重層を壊し、ゲンタマイシンはおそらく細胞の中に拡散してダメージを与えるというイメージである。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 April 2, p. 11.

DOI: 10.1038/nature26157

18.4.24

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