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グラム陰性細菌感染は

 病原菌に余分な膜があって、その抵抗性のために、抗生物質が、これを通り抜けることが難しい。この難儀な病原菌を殺すために、研究者らはシデロマイシンと呼ばれる薬物複合体を改良した[1]。この複合体は通常親鉄剤と抗生物質とのコンビである。それに対して今回は、親鉄剤とセファロスポリンとオキサゾリジノンが組み合わさっている。親鉄剤は病原菌を捕捉してコンビに渡す。病原菌は、セファロスポリンリンカーをβラクタマーゼ酵素で崩壊させるが、そこでオキサゾリジノンも放出される。酵素は抗生物質から病原菌を保護する役目もあるが、先の過程で破壊されたために作用しない。オキサゾリジノンは通常、グラム陽性菌に対してのみしか作用しないが、陰性菌でも、その防護システムが崩壊すると効果を発揮できる。今回の成果では、親鉄剤の驚くべき輸送能力が示されていること、病原性と関連する酵素と抗生物質の耐性がどのように関連しているかも明らかにされている。素速いトロイの木馬である。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 April 9, p. 14.

DOI: 10.1021/acs.jmedchem.8b00218

18.4.30

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