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炭素—炭素単結合は

 最もなじみのある共有結合であり通常その長さは1.54 Åである。この長さを嵩高い置換基を使うと引き伸ばすことができるという新しい実験成果が報告された [1]。研究者らはまず、かなりひずみの高い部位と二つのスピロ環ユニットを持つ安定なジヒドロピラシレン化合物を設計した。そこでは二つのスピロ環が向き合い中心の炭素—炭素単結合を引き伸ばすことができた。ラマン分光によって伸縮振動が観測されてC-C単結合の存在が確かめられた。さらにX線構造解析も行われた。その長さは、以前にカゴ型二量体で計算されたアルカンの結合長の理論限界であるカン1.803 Åよりも長い1.806 Åだった。ちなみにこれまでは結合解離エネルギーが0で解裂すると考えられて、過去の計算は結合長と結合解離エネルギーの間の直線関係を想定して行われていた。それに対して今回の北大チームの結果は、この相当に長い結合は、直線関係から外れる可能性を提唱している。北大でさらに極大まで伸びますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 March 12, p. 11.

DOI: 10.1016/j.chempr.2018.01.011

18.4.8

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