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絹に

 4-アジドフェニルアラニンを入れ込むためにカイコの遺伝子操作が行われた[1]。アミノ酸がアジド基を持てばクリック反応によって新しい特性を付与することができる。決して不要ではない。ただし非天然アミノ酸を組込むと虫は生き延びることができないだろうとも思われていたために研究者らはまず、通常のフェニルアラニンに加えてアジドフェニルアラニンを入れ込むためのカイコのタンパク質をつくる機構を明らかにした後に、カイコのタンパク質であるフィブロインに組みこむ必要があった。そこでリボソームへ輸送するために、フェニルアラニンをトランスファーRNAに繋ぐ酵素であるtRNA合成酵素プールが作られた。ついでバクテリアスクリーニングシステムを使って、アジドフェニルアラニンをタンパク質に組み込んだ細胞が同定された。そこで見つけた四つの候補で、遺伝子組み換えのカイコの菌株が作られ、絹糸腺に異変型酵素が生産された。その結果得られた繭を分析、二つの菌株で6%以上のフェニルアラニンがアジド化体と置き換わっていることがわかった。最後にクリック化学を利用してアジド部位に蛍光発光分子を組み入れることも行われた。カイコを買い込んだのかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 April 9, p. 15.

DOI: 10.1021/acssynbio.7b00437

18.5.1

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