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単一のアルカン

 鏡像異性体を導く不斉水素化反応は、医薬品、香料、ファインケミカル合成の一助になる。ただしこの変換反応には、湿気に対して敏感で高価な触媒が必要である。より簡便で、より安価で環境調和型の反応が探索されている中、コバルト触媒が巧みにつくられた。プリンストン大学とメルクの研究者らは、一電子過程に縁のある亜鉛を使い、地球上に豊富なCo(II)Co(I)に還元、この化学種は光学活性ホスフィンの配位に好ましく、得られた錯体はエナミドを不斉水素化できる。反応は環境調和型溶媒であるメタノール中で進行し、そこでは水素も極性基を有する医薬品中間体も溶解している。研究者らはこの変換反応を使って、てんかん治療薬であるレベチラセタム(ケプラ)をエナミド前駆体から合成している。0.08 mol%の触媒充填量で200 gスケールで反応が行われた結果、期待の異性体を97%収率、98.2%鏡像体過剰率で得ている。コバルトで頑張ると。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 May 28, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aar6117

18.6.16

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