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2018年7月

生体系で

 ポリマー合成を行うことができると、治療に応用するための生体適合性工学細胞を、希望通り提供することを可能にする。その中研究者らは、血から得た成分を触媒として利用した、可逆的付加—開裂連鎖移動(RAFT)によるポリアクリレートやポリアクリルアミド合成を報告した[1]RAFT重合が選ばれたのは、多くのモノマーが使えること、水が基本となる系で反応が行えるためである。体内での反応を駆動するために、酵素であるグルコースオキシダーゼを加え、過酸化水素を発生させた。ついで過酸化水素はヘモグロビンのヘム基を開裂し、それによって鉄イオンが放出されて、フェントン反応を経てヒドロキシルラジカルが発生、これが重合反応の開始剤になっていることが提唱されている。精製したヘモグロビン、単離した赤血球細胞、血液そのもの、いずれを使っても、高分子形成が触媒された。ついで研究者らは、生体分子と細胞をカプセルに入れ込むための反応に使うことを計画している。RAFTでもラフに仕込むと結果にアタフタします。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 9.

DOI: 10.1002/anie.201802544

18.7.31

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オパールや

 蝶々の羽根のような天然に見られる材料は、素晴らしい虹色を生み出すことができるために、人々を魅了してきた。今回研究者らは、レインボーヘマタイトと呼ばれる酸化鉄鉱物も天然由来の虹色を示す材料であるが、その色の要因を明らかにした[1]。研究者らは様々なイメージングとスペクトル法を使って、ブラジル産のレインボーヘマタイトを対象として、ヘマしないように、その化学組成と表面構造を調査した。その結果、鉱物は120 °の角度で配列している紡錘状のナノ結晶がスタックしたシートを含むことがわかった。ナノ結晶の配列は、光の回折格子、分裂や散乱のビームとして作用する。さらに研究者らは鉱物には、主たる元素としての鉄、酸素に加えて、アルミニウムとリンが不純物として含まれていることを明らかにし、化学組成をFe1.81Al0.23P0.03O3として計算した。結晶構造の中のこれらの不純物の存在によってナノ粒子が、高い対称性の斜方六面体に成長するよりもむしろ、紡錘状に成長することを促進させていると考えられている。さらにこの発見がナノクリスタルをもとにした虹色コーティングを引き起こすきっかけになり得る。美しいレインボー、陰謀はありません。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 9.

DOI: 10.5741/GEMS.54.1.28

18.7.30

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工学に興味が

あるんですけど、工学って何かわからなくて?「車に乗って、どこか遠くへ行くことを考えてみましょう。高速道路、自動車のエンジン、電気系統にセンサー、車体の材料、工学部には、それぞれを担当する分野があって・・・君ならまずどこから始めたいかな」などと説明。そのつめい、甘いよなあと思いながら、次の生徒さんを迎えた。「1年生で文系か理系を選ぶのを迷っている。得意科目は英語、国語だけど、数学、で機械に進みたいけれども」「医療機械をつくりたいけれども、工学部でできますか」「デザイン系の建築と工学系の建築ってどう違うんですか」「生命工学って?農学とどこが違うんですか」「何がやりたかまだわからないんですけど、なんとなく理系で」などなど、この日高校生は数年後の行き先のヒントを探す。ピンと来なくても、かすかな光を感じてもらえたでしょうか。工学部紹介ブースに加えて、文系、理系を問わず様々な分野の専門家、大学紹介ブース。関西からも多くの大学が参画。活気ある高校生。イベント途中、弁当を食べることも叶わず説明を続けた担当者の方々。台風で終了時刻の繰上げ。いい風に終わって無事帰路につけたでしょうか。

18.7.29

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犯罪の起きた場所に残る

 血痕が、容疑者や被害者に関する情報を提供できて、これが捜査の一助になる。以前の研究結果は、血痕のラマンスペクトルが民族を識別できて、DNA分析しなくても個々の性別も判定できることを示していた。血痕ベースで結構正解が出る。それでもさらに今回年齢の違いも判定できることが報告された[1]。研究者らは、三つの年齢層すなわち、一歳未満の乳児(infants)11-13歳のグループ(adolescents)43-68歳の大人から、血痕を集めた。785 nmの励起波長を使った場合には、血のラマンスペクトルは主に、ヘモグロビンによるものになる。そのスペクトルのうち、375 cm-11210-1270 cm-1の領域のピークの強さで、年齢が識別される。おそらく年齢と関連するタンパク質の二次構造のわずかな違いに由来している。さらにいくつかの年齢層からの血痕を分析して、年齢モデルによるギャプを埋めようと計画されている。これによって年齢層よりも、実年齢の特定を可能にしたいと考えられている。ラマンに絡まんと出ない成果です。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 9.

DOI: 10.1021/acscentsci.8b00198

18.7.28

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メキシコのチワワにある

 結晶の洞窟、退屈ではない。そこではセレナイトと呼ばれる石こう(CaSO4•2H2O)の結晶が木の大きさになるくらいに成長する。それに対して今回、水を失うと結晶表面が損傷する可能性があることが報告された[1]。研究者らは、洞窟の中の結晶のかけらを16通りの条件に晒した。それらの条件は、異なる大気、異なる温度、さらに水のあるなしが違っていた。研究者らは人の息から出される二酸化炭素に晒されると炭酸カルシウムが結晶表面で成長することを予測していた。ただし赤外吸収スペクトル、斜入射X-線回折分析では、炭酸カルシウムは観測されなかった。それに代わって石こう結晶の脱水型であるバサナイト(CaSO4•1/2 H2O)が発見された。長年にわたるこの変換は、結晶表面を曇らせ、傷跡を残すようになる。結晶の崩壊についてより深く学ぶことで、研究者らは、何世代にもわたって結晶を、よりよく保護できると期待している。結晶の保護のために、お化粧はできない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 8.

DOI: 10.1021/acs.cgd.8b00583

18.7.27

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β-グリコシダーゼは

 セルロースや、バイオマス中にある別の複雑な糖鎖をグルコースに変換することができる。グルコースは、エタノールのような価値のある化合物にさらに変換できる基本的な化学原料であるためβ-グリコシダーゼには、繰り越しだ〜ぜとならずに高い効率の変換反応を担って欲しい。ただしそれは、100 °C以下で融けるイオン液体には溶けない一方で、イオン液体は通常の溶媒には溶けない生体ポリマーや別の基質を溶解させることができる。加えて先の酵素は70 °C以上では作用せず、高い反応温度での変換速度の向上は期待できない。その中今回研究者らは酵素を二つの方法で修飾した[1]。まずN,N'-ビス(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミンをアスパルテートやグルタマーゼ残基と表面でカップリングさせてカチオン性にした。ついで界面活性剤であるグリコール酸エトキシレートラウリルエーテルと連結した。これによって酵素は本来の構造を維持しながらイオン液体にも溶解し137 °Cでも反応できた。110 °Cの反応速度は修飾前の酵素の30倍程度であった。酵素の修飾で高速化している。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 6.

DOI: 10.1038/s41557-018-0088-6

18.7.26

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宇宙船カッシーニの

 観測で得た土星の月であるエンケラダス表面からの噴煙のデータや地上からの観測結果は、そこにはメタンやホルムアルデヒドのような単純な有機分子があることを示していた。今回新たなデータの詳細が解析された[1]。その結果、宇宙船にある宇宙の塵分析装置(cosmic dust analyzer)は、分子量が8000ダルトン(Da)まであるとんというカチオンのスペクトルを記録していた。さらに他の装置からのデータも合わせて、研究者らは200Da以下の重さの分子フラグメントも同定した。これは脂肪族不飽和炭化水素、ヒドロキシやエトキシ官能基、カルボニル、窒素を含む部位と不飽和炭素に隣接する芳香環があること示している。ただしこれらのフラグメントの親分子については未解明のままである。いくつかの芳香環に関連するピークは多環芳香族炭化水素とは一致しない。あるいは芳香環や脂肪族部位でできたポリマーを含んでいるかもしれない。有機体とともに分析された氷に含まれる塩分から、分子は大洋には溶けていなくて、大洋の表面の薄い膜の中に浮いていた可能性が示唆されている。海中から吹き出て、有機化合物が微粒子になり、氷の殻がこれらの分子のまわりで核となって宇宙空間に飛び出したのではないかと説明されている。宇宙に夢中です。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 4.

DOI: 10.1038/s41586-018-0246-4

18.7.25

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魚類や鳥類、哺乳類が

 ウイルスに感染すると、体内で働き始めて侵略者を撃退するのを助ける遺伝子の一つがヴィペリンである。ただしこの遺伝子は、酵素をエンコードすることは知られているものの、それが触媒する反応についてはほとんど明らかにされていなかった。その中今回、酵素活性が調査された[1]。酵素はS-アデノシルメチオニン(SAM)を含み、電子移動を触媒し、ラジカル種を形成する。研究者らは、触媒する反応の一つが、シチジントリリン酸(CTP)の脱水反応で、7時んでなくても進行する。脱水反応によって得られる3'-デオキシ-3',4'-ジデヒドロ-CTPddhCTP)は、ある種のウイルスのRNAのゲノムの複製を阻害する既存の抗菌医薬品と類似の働きである。試験管内での実験で研究者らは、ddhCTPがジカウイルスやウエストナイルウイルスのRNAポリメラーゼを抑制することも決定できた。ddhCTPは、ウイルスのポリメラーゼが成長するRNA鎖に加える分子に類似であるため、いったんddhTCTPが入ると、その後の成長が停止し、不十分なウイルスゲノムになってしまう。次に研究者らは、ddhCTPが人や他の有機体のポリメラーゼとはなぜ干渉しないかを、感傷に浸らずに、解明しようとしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 July 2, p. 4.

DOI: 10.1038/s41586-018-0238-4

18.7.24

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掘削した油田

 やガス田から出る廃水は、舗装していない道路の塵の削減や氷の除去に使われている。削減に苦言を呈する人は田舎でもいなかった、多分。ただし今回の研究は、廃水の中には、発がん性元素であるラジウムが含まれていて、舗装した道路にゆっくりと染み出す可能性や周りの治水に広がる可能性を示していた[1]。研究者らは道路管理者の持つ廃水貯蔵タンクからのサンプルを分析した。その結果、サンプル中のラジウムが1230ピコキュリー(pCi)/Lの平均放射能であり、これは工業廃水からの排出の上限が60 pCi/Lと比較すると、かなり高かった。さらに降雨の影響を廃水で処理した道路についてシミュレートした結果は、道路にあるラジウムのおよそ半分が浸み出ていることを示していた。これらの結果より研究者らは2008年と2014年の間で、この種の道路処理によって、油やガスの廃水を出す施設の4倍のラジウムを、また廃水が浸み出すことで、200倍のラジウムが環境に放出されていると類推している。道路管理者も道路も、同様に動揺しているかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 11.

DOI: 10.1021/acs.est.8b00716

18.7.23

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庭で育てた

 フレッシュな野菜、夏のサラダには最適、ワインがあれば、なおさらだ。ただしワインのためにはその野菜では十分ではない。時にしてナノグラム/Lレベルでぶどうにメトキシピラジン(MPs)が含まれていることがある。寒い気候で育てて早い時期に収穫したぶどうは、より高い濃度でMPsが存在することがあり、このために余分な臭いが伴う。例えば3-イソブチル-2-メトキシピラジン(IBMP)はピーマン臭で、イソプロピル誘導体(IBMP)はアスパラガス臭である。ワイン製造者はこれらの化合物を加熱処理と活性化チャコールで除去することができる。ただしこれらの方法は、残すべき香りの化合物も除去される可能性がある。そこで最近いくつかのワイン製造業者はポリ乳酸(PLA)でこれをろ過し始めている。この場合はワインの香りを変えずMPsだけを取り去ることができる。さらに今回磁性ポリマーを使ったMPs捕捉が報告された[1]。研究者らはMPをテンプレートにしたメタクリル酸ポリマーを調製し、磁性を示す鉄酸化物粒子で処理した。カルベネ・ソービニオンサンプルのクロマト分析と嗅覚試験は、磁性ポリマーが、ワインのアロマを変えずにPLAよりさらに優れていることを示していた。このご時世ワインづくりにも、磁性ポリマーだわいん。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 11.

DOI: 10.1021/acs.jafc.8b01397

18.7.22

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有機ポリマーは

 二次元の大きな単結晶を形成しない。ただしもしそれが出来たら、その特性は有機化学で制御できて、エレクトロニクスやセンシングに利用できる成長し続ける2-D材料の仲間入りができる。いくつかの共有結合性有機構造体(COFs)は、2-D構造をとるものの、小さな50 nm以下の結晶領域を持つ不溶な多結晶の粉になってしまい、不要ですになってしまう。この課題を解決すべくここでは、COF結晶の核生成と成長が制御された[1]。先の問題を避けるために研究者らは、二段階合成法を開拓し、核生成と成長過程を分離した。核生成段階では研究者らは、ビスボロン酸化合物とトリフェニレン誘導体を反応させた。特別にブレンドした溶媒にアセトニトリルが含まれるために、安定なCOF-5ナノ粒子のコロイダル懸濁液ができた。ついでそれらをゆっくりとモノマーに加えると、コロイダル種結晶が成長し始めて、1500 nmの広さの領域を持つ2-D単結晶ができた。対照的にモノマーを素早く加えるとさらに多くのナノ結晶の核生成が進行した。COFで幸福に。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 10.

DOI:10.1126/science.aar7883

18.7.21

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アフリカ蜂化ミツバチの

 脳にある、攻撃的な振る舞いと関連し、従順なハチに攻撃性を与えるペプチドが同定された[1]。ブラジルの研究者らは、アフリカ蜂化ミツバチの研究用のコロニーから攻撃的なハチとそうではないハチを集めた。これらを鉢合わせるわけではない。研究者らはマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析イメージングを使って、ハチの脳のシグナルで重要であるとされている二つのタンパク質と、これらのタンパク質の四つのフラグメントが、存在する部分と相対的な存在比を明らかにした。その結果、攻撃的ではないハチと比べて、攻撃的なハチは二つのタンパク質の量は少なく、一方でフラグメントの量が多かった。ついでフラグメントのうち二つを合成し、それらを別々に、従順で生後7日のハチに注入したところ、ハチは直ちに攻撃的になった。本来この年齢のハチは巣箱の中でその維持やケアのために働き攻撃的になるとは全く予想されていなかったため、研究者らも驚く結果だった。従順のまま逡巡していたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 10.

DOI: 10.1021/acs.jproteome.8b00098

18.7.20

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直径10 nmの

 ドデカヘドラルシリカの囲いである「シリケージ」がつくられた[1]と掲示されている。研究者らはテトラメチルオルソシリケートと孔が広がったメチルトリメチルアンモニウム臭化物ミセルとを混ぜてそれを合成した。合成の反応機構では、出発化合物であるシリケートが、陰電荷を持つシリカクラスターを形成する。それが陽電荷を持つミセル表面のドデカヘドラに自己集合する。ミセルの端はケージ内に収まっているものの、後にそれを取り去ることもできて、中が空洞の囲いを形成できる。低温電子顕微鏡によって、自己集合した化合物の対称な構造が実証された。予備的な結果では、酸化バナジウム、金、銀もケージの中に自己集合することから、様々な無機化合物へも拡大しうる。この基礎的な研究成果は、香料、染料、医薬品などの分子をパッケージにしたり、保護するのに魅力的な結果であり、不均一系触媒やプラズモニクスへの応用も見据えることができる。ケージを作る経費も計上されていた。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 10.

DOI: 10.1038/s41586-018-0221-0

18.7.19

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ネズミに

 アルコールを飲んでもらう。次に人工甘味料であるサッカリンを含む溶液を与えた。サッカーを始めることはないけど、多くのネズミはこれを選んだ。一方およそ15%のネズミはアルコールを飲み続けていた。このネズミの割合は、アルコールを飲む人の中での、依存症の割合とほぼ同様だった。ついでこのネズミたちのへんとう体の研究が行なわれた[1]。その結果、通常のネズミと比較して、そのネズミたちのGAT-3輸送体タンパク質の生産量はおよそ50%以下だった。へんとう体はアルコール依存症に関わる脳の領域で、GAT-3は、神経伝達物質であるγ-アミノブタン酸(GABA)を、放出された後にニューロンに戻し、神経細胞の間のスペースからそれを除去している。さらにアルコール依存になった人の脳も観察されて、へんとう体でのGAT-3の制御の低下が見られた。ここでGABAレベルを減少させるためにGAT-3を標的にすることがベストかどうかは確かではないものの研究者らは、非公開な会社を立ち上げて、GABAがガバッと放出されるのを抑制する分子の予備的なデータを集めている。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aao1157

18.7.18

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環境負荷を低減するために

 有機溶媒を水で置き換える系が開発されている。その中今回、植物から得られる生分解性の材料であるセルロースが新しい添加剤として展開できることが報告された[1]。化学者はすでに水の中で小さな区画をつくるための界面活性剤を開発していて、これで通常は水に不溶な有機化合物が反応に関わることができる。ただし界面活性剤は効果的だけど反応が完結するまでに数時間を要する。その中ある会社は2%の量のセルロース誘導体を存在させると、Buchwald-Hartwigアミノ化反応が、水中で5分以内に完了し対応する生成物を収率95%で与えることを報告した。従来の界面活性剤法では3時間、有機溶媒中では高温72時間を要する系である。特許には、添加剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、アミドのカップリング、C-H活性化や別の反応でも有効であると記載されている。セルロ—ス誘導体の役割は不明だけど、水素結合供与体、受容体として作用しうるために、反応速度にも影響するのではないかとのことである。セルロースが浪費することなく活用されている。

[1] Chemical & Engineering News, 20 June 25, p. 8.

WO 2017129796A1

18.7.17

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水は

 万能な溶媒である。この万能性は水の比較的高い極性による。水分子の均等ではない電荷分布のために、全てのタイプの電荷を持った極性分子を溶かすことができる。また水の誘電率はおよそ80である。新しい実験では、小さな空間に水がトラップされると、この値が劇的に小さくなることが示された[1]。この結果は、生物、エネルギーや他の場合でも、分子間相互作用の表現を改良できるだろうとされている。水を小さな空間に閉じ込めたり、表面でフィルムを形成すると、固体表面に近い分子は、それ自身が層をつくる様に配列し、配向の変化に抵抗し、分極する。その結果、溶媒の誘電率は低下する。ただしどの程度誘電率が低下したかを実験的、理論的に明らかにすることは、様々な要因が関わるために容易ではなかった。今回原子間力顕微鏡を使った測定で、様々な高さのチャネルを六方系の窒化ホウ素結晶(hBN)に彫み、それらを水で満たした。その後の測定で、1 nm高さのチャネルの水の誘電率はわずか2で、従来の予測の10よりもかなり小さかった。誘電率について言うでんねん、でした。

[1] Chemical & Engineering News, 20 June 25, p. 8.

DOI: 10.1126/science.aat4191

18.7.16

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自然発火性の

 薬品をより安全に加えることができる小道具が開発された[1]。それはヒダのある首を持つバイアルの先が二つ、すなわち倍あるのと、三次元プリントで作成した反応剤の容器にねじ込むことができるボトルのふたを組合せた移動小瓶でできている。さらにシステムの安全を確保するために、金属クリップもついていて、これによって手は自由に使える。反応剤を加えるために小道具をセットした後化学者は、ヒダ付きのキャップと反応剤の容器のゴムのシールに長い針を押し込む。ついで必要な量の反応剤をシリンジに吸い込む。ついで針を3D-プリンターで作成したキャップから移動小瓶まで引き抜く。移動小瓶を外して、それを反応容器に取り付け、針を反応容器に押し込んで反応剤を加える。実際にこの道具は、学部生の学生実験でt-ブチルリチウムを加えるためのものであり60名の学生に試験をしてもらった。さらにこの安全な小道具があれば、高校生でもt-ブチルリチウムを計り取る経験をしてもらうことも可能である。それでも緊張して小道具を使う。心臓の鼓動も聞こえる。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 25, p. 7.

DOI: 10.1021/acs.oprd.8b00151

18.7.15

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土星やその輪っかは

 科学者を魅了してきた。それに対して今回化学者は、この天体に敬意を表して、炭素と水素のみで構成されたナノサターンを構築した[1]。東工大の研究者らが投稿した成果は、置換したアントラセンユニットで構成される大きな炭化水素の輪で中にC60が入り込んでいる。これまでフラーレンを取り込んだ化合物としては、ベルトタイプの炭化水素あるいは、ディスク様のチオフェンを基本とする大環状化合物だったため、今回のそれはディスクタイプの炭化水素でできたナノサターンの最初の例である。分子集合体を形成させるために、炭化水素の環とC60が組合せられ、弱いC-Hπ相互作用が、それらを保持させていた。さらに研究者らはX-線結晶解析によって、ナノサターンの構造を決定している。研究者の一人は「大環状化合物は、フラーレンを抽出したり、ふるいにかけたりするのに有用である可能性が高いけれども、それが今回の研究の興味の第一ではなくて、土星がそうである様に、この美しくて調和した形が、みんなの好奇心を刺激しうることである」と述べている。ナノサターンなのさ。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 18, p. 9.

DOI: 10.1002/anie.201804430

18.7.14

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カプサイシンは

 唐辛子成分で、細胞内のTRPV1と呼ばれるイオンチャネルに作用して、痛みや痒みを抑制してくれる。ただしこの緩和に伴って、カプサイシンやその誘導体は、しゃくやけど、しゃく熱感や弛緩熱のような副作用ももたらす。そこで研究者らはこの副作用を抑制しつつ痛みや痒みを簡単に抑制できる系を構築するために、カプサイシンを分子修飾してネズミで試験を行なった[1]。分子修飾の際に自滅できるスイッチとしてエステル結合が化合物の端に組み込まれた。肌にあるエステラーゼ酵素はこの結合を加水分解することができて、二種類の代謝物を与え、それらは身体から容易に放出される。まずは化合物のTRPV1活性を明らかにし、ついで人の肌細胞で加水分解される最も有望な候補が特定された。ネズミで最も高い効果を発揮した分子は、熱やかゆみに対する感度を軽減させるとともに、体温が急激に上昇することもなかった。またその効果は最大90分持続した。カプサイシンに関する最新の成果です。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 18, p. 9.

DOI: 10.1021/acs. jmedchem.8b00109

18.7.13

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リチウムイオン電池では

 リチウムとコバルト、ニッケル、マグネシウムや他の金属が組み合わさった電極が使われている。純度の高いリチウム電極は混合金属のそれよりも優れた電荷容量を有しているが、リチウム金属の反応性が、バッテリー電解液とパフォーマンスが低下する反応を引き起こしてしまい、さらに充電の際に安全性の課題も生じる。金属の利点を活用してこの課題を避けるために研究者らは、薄いフィルムを探索し、電極表面を保護することにした。フィルムは電気化学的に安定でなくてはならず、時に樹状突起が成長して、発火の恐れのあるピンホールがないもので、充電の際に、壊れることなく伸縮できる柔軟性も必要である。しかも金属電極との間でリチウムイオンのスムーズな流れも保証できるフィルムでなくてはならない。それでも研究者らは安価な析出法で、これらの条件を満たす、二層のナノメートルサイズのダイアモンドフィルムを作成した。二重層の設計で、ピンホールをブロックできて、エネルギー効率の高い電池が導かれた。これは400回以上の充電でも安定だった。充電、10年以上できるでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News 2018 June 18, p. 8.

DOI: 10.1016/j.joule.2018.05.007

18.7.12

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伸び縮みできる

 エレクトロニクスをつくるための、印刷して剥がす新しい方法では液体金属が鍵である[1]。ガリウムがベースの合金は、低温で高い導電性を示す液体であるため、曲げたりねじったりできるソフトなエレクトロニクスの導電体として利用可能である。研究者らは溶媒に合金の液滴を分散させてつくった液体金属インクを使って回路バターンをプリントしている。ただしガリウム合金の液滴はすぐに薄い酸化物を形成してしまうために、印刷した場合の導電性が低下する。この課題を克服するために研究者らは共融のガリウムインジウム合金をプラスチック基質にプリントし、液体金属パターンの上に柔軟なゴム層を流し込み、ゴムが硬化した後にそれらを剥がした。その結果、それぞれの液滴を囲む酸化層は、引き離れるように基質にひっつき、酸化膜が壊れ、素敵なことに液滴が繋がって導電性経路ができる。出来上がった回路は5倍に伸ばしても導電性は維持されていた。この導電体、どうでんしょうか。

[1] Chemical & Engineering News 2018 June 18, p. 8.

DOI: 10.1016/j.isci.2018.05.013

18.7.11

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芳香属性を

 解除するために74年前に誕生したバーチ還元(ナトリウム金属とアンモニア)が使われている。バーチ還元をバーチャルにデザインすることは容易である一方、実際には有害なアンモニアをタンクから取り出して蒸留するという面倒な作業も含まれる。その中改良版バーチ還元が開発された。研究者らはグラファイトをグラフェンに還元しようとした際に、かなり時間を要し、わずかな量だけど臭いのきついアンモニアが漏れてしまったため、さらに単純な系の開発に至った。新しい方法ではアンモニアの代わりに、市販の15-クラウン-5が使われて、これは反応の後回収できる。クラウンエーテルはナトリウムと混ざると、溶媒和した電子を放出させて基質を還元し、反応液は青っぽい色に変わる。ただしバーチ還元では通常三級アミドはアルコールに変換されるが、今回の条件では反応しない。このことからクラウンエーテルは、電子移動を内圏から外圏に置き換える機構に寄与しているのではないかと提唱されている。バーチ還元、バチカンでもできるよね。

[1] Chemical & Engineering News 2018 June 18, p. 8.

DOI: 10.1021/acs.orglett.8b00891

18.7.10

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ビッグバンから

 379000年ほど過ぎた頃、電子と陽子で最初の水素原子ができるとともに、光子が宇宙に放たれた。この光子を今でもマイクロ波照射(AME)として見ることができる。天体化学者らは1990年代にこれをマッピングし、宇宙の起源を理解しようとしていた。これまで長い間AMEは、多環芳香族炭化水素(PAHs)由来であると考えられていた。それに対して今回それは、ナノスケールのダイヤモンドによる可能性が提唱された[1]。電荷を持った回転する粒子は、電磁波エネルギーを放出する。AMEの起源がPAHsであると考えられていた2016年、AMEPAHsとが同じところ由来ではないことがわかって、それまでの仮説が疑わしくなった。その中今回科学者らは、星の周りの塵を研究し、AMEが水素化ナノダイヤモンドなのだ、というサインを観察した。これらのテトラヘドラルのダイヤモンドは数百の炭素原子を含み、ナノメートルあるいはそれ以下である。この起源は確かではないものの、高圧での崩壊や超新星誕生で形成された可能性がある。研究者らはさらに、ナノダイヤモンドのスペクトルと隕石に含まれるナノダイヤモンドのそれを比べて、その由来を明らかにしようとしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 18, p. 7.

DOI: 10.1038/s41550-018-0495-z

18.7.9

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麻酔薬ケタミンは

 けったいなアミンではない。通常の薬の効果がない鬱の患者さんに有効であるが、幻覚や中毒をもたらす。今回別の幻覚をもたらす化合物のニューロンへの、ケタミンと同様の効果が報告された[1]。それはニューロン間の連結成長を促す。ケタミンはシナプスを素早く成長させることは以前示されていて、さらにN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)がネズミの抗うつ効果も明らかにされていた。その中今回、DMT2,5-ジメトキシ-4-ヨードアンフェタミン(DOT)LSDを含む幻覚をもたらす化合物もまたネズミやミバエの脳や動物からの培養したニューロンのシナプスの連結を増加させることが見出された。幻覚は、タンパク質であるmTORを含む、ケタミンと同様な、シグナル経路でシナプスの成長を促進している。なおケタミンの場合には、ニューロンのN-メチル-D-アスパラギン酸受容体をブロックすることで、mTOR経路を活性化しているのに対して、幻覚をもたらす化合物では、5-HT2A受容体を標的にしていることが提唱されている。抗うつに好都合な経路の探索は続く。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 18, p. 6.

DOI: 10.1021/acschemneuro.8b00134

18.7.8

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多くのプラスチックデバイスは

 見えない薄いコーティングが施されている。その厚さはマイクロメートルで有機あるいは無機材料のこのフィルムが商品の幅広い特性を改良している。例えばポリカーボネートメガネレンズのポリシロキサンコーティングによって、引っ掻きに対する抵抗性がもたらされている。それでも製造業者は新しいコーティングを求めている。その一つ研究者らは、原材料を、盛りだくさんある、森に求めた[1]。様々な濃度のナノセルロースの小線維と、木からの強靭材料、ジルコニウムアルコキシドからなるガラス材料とエポキシで官能基化したシランからハイブリッドコーティングがつくられた。安価なコロイダル化学を使い、前駆体液を調製して、その混合物を柔軟なポリマー基質に散布し、そのサンプルを低温で固化させた。その結果、かなり透明なナノメートル厚さのフィルムが得られた。試験結果は、20wt%のナノセルロースを含むコーティングが、硬さと破壊抵抗をもたらし高分子材料を保護していることを示していた。顕微鏡分析では20000回曲げても層間剥離や亀裂は見られず、綺麗つであった。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 18, p. 4.

DOI: 10.1021/acsnano.8b01057

18.7.7

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触媒的な

 一酸化炭素の酸化は、自動車や工場の煙突からの排ガスを浄化するプロセスで、40年以上も研究されている教科書にもある系である。ただしこのCO酸化は複雑である。Pt表面には二つの可能性のある活性部位がある。それぞれの表面の99%が平面で、中程度の触媒活性を示し、残り1%Pt原子の層の間が高活性である。反応はまた二種類のCO2を放出する。一つは高温(hyperthermal)の高エネルルギーと速さのそれで、もう一つは中程度のエネルギーと速さである。科学者はこの複雑さを紐解く分析手法を持たず、正確な機構を、聞こうにもわからなかった。それに対して今回より微妙な見解が公開された[1]。酸素がバインドするPt表面で分子ビームを使ってCOを撃ち、スライスイオンイメージングを使って反応部位、速度、表面からCO2が脱出する角度が決定された。その結果三通りの機構が明らかになった。二つは熱いCO2を放出するが、これはおよそ700 K以下である。三番目の機構はより高温で有効だった。COOと反応し高温(hyperthermal)CO2を与える。Hyperthermalが収〜まる日本語がなかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 18, p. 4.

DOI: 10.1038/s41586-018-0188-x

18.7.6

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ドーパミンや

 他の生体アミンを含むアミンを同じキラリティーを持つアルコールに変換する酵素反応の収率と速度を改良できる閉回路フロー反応が開発された[1]。これによって農薬や食品添加物、香料や医薬品で広く利用されているものの製造が難しくて高価なアルコールを、容易に提供することができる。酵素反応は通常バッチ式で使われているが、ノッティンガム大学の研究者らは閉回路フロー系を使うことでその効率を20倍以上にすることができた。ただしフロー系とは言え風呂桶は使っていない、多分。さらに副生成物と最終生成物が、それぞれのサイクルの間で除去される。システムによって大幅な時間短縮ができたのでは、部分的に高い触媒濃度が適用されていること、水層の再利用、酵素補助因子を再循環させているためである。この戦略は、生体内での系を模倣したものであり、超効率、廃棄物ゼロ、高い原子効率と自動化の閉回路プロセスに仕上げられている。閉回路系、陛下にもご報告を

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 11, p. 9.

DOI:10.1038/s41929-018-0082-9

18.7.5

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不斉触媒反応の間に

 リアルタイムで鏡像体過剰率(ee)の変化をモニターする非侵襲的な方法として、二つのスペクトル法の組合せを研究者らは思いついた[1]。これは反応機構の解明、フロープロセスの最適化や触媒の不活性化をモニターする一助になる。反応の進行を追跡するために薬化学者は、基質と生成物の変化を測定する様々な方法を利用している。ただし反応中のeeの変化を測定する技術、とりわけ複雑な多段階不斉触媒反応では未だに難しかった。そこで研究者は、振動円二色性スペクトルとFT赤外吸収スペクトルを同時に苦労せずに測定できるフローセルを開発した。これによってそれぞれの鏡像体の濃度についての補完的な情報を得ることができる。実際にこの原理の有効性を実証するために、工業とも関連性のあるラセミ体エポキシドのサレンコバルト錯体触媒反応での時間的な変化がモニターされた。その結果明らかにされた機構の詳細が、実験と計算化学でこれまでに報告されていたそれと同じだった。リアルタイムがいずれはメモリアルに

[1] Chemical & Engineering News 2018 June 11, p. 9.

DOI: 10.1021/acscatal.8b01411

18.7.4

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綿織物に含まれる

 色つきの不純物を除去するために、過酸化水素でその成分を酸化する。さらに蒸気をあてると、上機嫌かどうかはともかく、反応は加速されるが、50分ほど蒸気にさらすために多大なエネルギーを必要とし、生地も傷む。それに対して4分間だけ蒸気にさらすだけで最適な白にできる方法が報告された[1]。ここでは漂白活性化剤であるn-[4-(トリエチルアンモニオメチル)ベンゾイル]カプロラクタムクロリド(TBCC)を使う。それは水溶液中で過酸化水素と反応し、過酸化水素より低温で活性な過酸をつくる。別の漂泊活性化材と異なりTBCCはカチオン性で、水中で陰電荷が広がる傾向にある繊維のファイバーと相互作用するには良い環境である。ただし化学薬品のコストは従来のものよりも高い。それでも生産効率と出来栄えの良さが、その余分なコストに値するはずである。さらにpH調整にこれまで使われている水酸化ナトリウムに替えて、よりダメージの少ないクエン酸塩を使うこともできる。酸素貸さんかで過酸になった。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 11, p. 8.

DOI:10.1021/acssuschemeng.8b00912

18.7.3

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熱帯淡水魚である

 ゼブラフィッシュに銅欠乏症を発現させるために、銅を摂取する役割を担うタンパク質の突然変異型が発現された。これによって魚は怠惰になり、睡眠と活動のサイクルが阻害された。このことは銅の調節が睡眠行動に重大な結果をもたらすことを示している。また研究者らは、ドーパミンβ-加水分解酵素にとって銅が重要ではないかと考えていた。さらにこの酵素は、青斑核として知られている脳のある部分にある神経伝達物質であるノルエフェドリンの生合成に含まれ、整合性を取るにも必要である。さらにその神経伝達物質に十分な銅があれば、それは活性化される。研究者らは二種類の同じサイズと形で、一つは硫黄原子四つを、もう一つは硫黄原子二つと炭素原子二つを持つ蛍光プローブや、スペクトル的な方法を使って検証したところ、青斑核には銅が豊富に含まれていることがわかった。銅が沢山の動画はまだない。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 11, p. 8.

DOI: 10.1038/s41589-018-0062-z

18.7.2

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目新しい小道具

 (ガジェット)や電気自動車に、カチャッと、電気を通す次世代バッテリーとして、リチウム金属バッテリーが最も有望である。リチウムイオンバッテリーと違って、アノードが純粋なリチウムでつくられていて、エネルギー貯蔵も現在のそれの2倍以上である。ただしこのバッテリーは簡単に火がつき、数百回の充電サイクルしか持たない。それに対して難燃性の電解液が使われた[1]。新しい電解液でつくられた電池は、600回の充電サイクルの後も性能は低下していない。その液はリチウム塩と既知の難燃性の溶媒のかなり密なクラスターを含み、クラスター形成によって、高価なリチウム塩の量が抑制されている。バッテリーが最初の数回充電される時、塩と溶媒はリチウムと反応しミクロメーター厚さのリチウムと金属の粒が密にパックされた層をアノード上につくる。この固体層が尖った金属の沈殿をつくるのを妨げて。リチウム金属が電解液と反応するのも回避されていて、バッテリーの寿命と安全性を担保している。加えて新しいバッテリーは300 Wh/kg以上のエネルギー密度で、現状のものよりも優れているが、期待されている標準値は500 Wh/kgである。バッチリ〜なバッテリー、更に先である。

[1] Chemical & Engineering News, 2018 June 11, p. 6.

DOI: 10.1016/j.joule.2018.05.002

18.7.1

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