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2019年7月

原子間顕微鏡(AFM)を使って

 有機分子の構造や結合のパターンが、電荷によってどのように変化するかが明らかにされた[1]。この技術は、光合成、有機光起電装置や分子エレクトロニクスの研究を進めるのに利用し得る。これらの分野では、電荷と構造変化の関連はもっとも基本的でかつ中核になる点である。研究者らはAFMを使って、絶縁した塩化ナトリウムフィルムの上に吸着させた四つの分子を研究した。プローブとサンプルの間の電圧を変化させると、AFMは、単分子から電子を除去したり、それに電子を加えたりすることができて原子の位置を特定できる。例えば電子をアゾベンゼンに加えると、その共役系が壊れて、フェニル環が、通常の平面配列からねじれた状態に変化する。ジラジカルジアニオンペンタセンでは、AFMは2番目あるいは4番目の環の炭素原子が不対電子を引き受けていることを示した。さらにクロロフィルやヘムのようなポルフィリンの親化合物であるポリフィンでは、結合の共役が、中性の芳香環系から反芳香族性のジアニオンとの間で、どのように変化するかが明らかにされた。研究者らはこの方法によって、単分子合成、すなわち原子を移動させてそれらに電荷を加えて、個別の化学結合の切断や形成に利用することが考えられている。AFM、AM、FMラジオではないです。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 15, p.19.

DOI: 10.1126/science.aax5895

19.7.31

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鏡像異性体のうち

 一方だけを合成したいときは、通常キラル触媒を使って、合成の舵が希望の向きになるように工夫をする。それに対して今回研究者らは、キラルな溶媒が主な利き手になって触媒の方向を決めて、単一の鏡像異性体を導く方法を報告した[1]。ここでは、共重合体であるポリキノキサリン-2,3-ジイル(PQX)に、キラル溶媒である(R)-リモネンを通すことで、共重合体がねじれて、右手のヘリックスを形成させた。ついでヘリックスがPd触媒にバインドして、キラル構造が形成されて、それによって反応の対称性が制御されている。この研究を主導した日本のグループは、ここで調製した触媒の性能を、鈴木~宮浦反応で試験している。臭化アリールとアリールボロン酸とのクロスカップリング反応によって、炭素–炭素結合が形成されるが、S体のカップリング生成物を98%eeで得ている。さらにPQXがもとになるキラル触媒は、ヒドロシリル化を含む他の反応でも高い鏡像体過剰率を達成している。ここではリモネンが、いいもんね。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 15, p. 8.

DOI: 10.1021/acscentsci.9b00330

19.7.30

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米国内の猫の

 甲状腺中毒症の罹患割合が、1979年に最初の報告がなされて以来、急上昇している。2014年には10歳以上の猫のおよそ1割が罹患しているとのことである。これに対してその要因が探索された[1]。家庭にある家具に使われている難燃剤に何年も晒されるとそれが引き起こされる可能性がある。1970年代後半に猫の甲状腺中毒症の最初の例が報告された時期と家で難燃剤が導入された時期が符合している。ついで研究者らは、猫がそれに晒されることと疾病との関連性を調査した。ペット所有者のボランティアを募り、シリコンペットタグを一週間つけてもらった。ついでそれらをガスクロマト並びに質量分析を使って分析が行われた。同様に人にもシリコンのリストバンドを付けてもらって、人が化合物に晒されている状況もチェックした。その結果21の検出された成分のうち、甲状腺中毒症と深い関係があったのが、(1.3-ジクロロ-2-イソプロピル)リン酸塩(TDCIPP)だった。所有者が少なくとも一ヶ月消臭スプレーを使っているとそれに対する露出は大きかった。TDCIPPは、覆いを被せた家具の周りでゆったり座ることを好むような特別な行動と関連していて、これはより多くのTDCIPPに露出した結果である。心配であるペット所有者は、家具のカバーを使うことや、消臭スプレーの使用量を減らすことを考えるべきである。と提言されている。スプレーが変わったプレーを引き起こしていたようです。

[1] Chemical & Engineering news, 2019 July 15, p. 8.

DOI:10.1021/acs.est.9b02226

19.7.29

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強さと弾性

 この二つを材料に付与することは簡単ではない。強い材料は通常硬い。弾性のある材料は曲げやすい。これらの相反する性質を付与するためにここでは、熱分解炭素として知られる炭素の別の形態のものが選ばれた[1]。炭化水素ポリマーを真空中で高温まで加熱すると硬い炭素構造が出来上がる。熱分解炭素はロケット部品やかまどで使って、かまへんど、だけど弾性はそれほど大きくはない。その中研究者らは、熱分解炭素のミクロ構造に注目した。3-Dプリンターで作成された0.7–12.7μmの幅の高分子が900 °Cまで加熱されて、熱分解炭素ミクロ支柱が組み立てられた。それは、13.7 GPaの圧縮にも耐える一方で、狭い支柱は弾性も併せ持っていた。支柱をその高さのおよそ半分である直径2.3μmまで圧縮しても、破裂することなくもとに戻った。電子顕微鏡観察は、支柱は、炭素間が、ダイアモンドのような結合でできているが、グラフェンの1 nm長さの渦巻いたフラグメントの小さな穴の存在も示していた。この部分的なスポットのグラフェン層が、お互いに滑ったり、行き来したりすることで、弾性も付与されていると考えられている。ここの支柱いずれ市中でも使われるでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 15, p. 7.

DOI: 10.1038/s41565-019-0486-y

19.7.28

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海水中には

 40億トン以上のウランが溶けている。ただし低濃度(3.3 ppb)であることから、その抽出は挑戦的な課題の一つである。今回研究者らは、クモの糸とウラン吸着タンパク質を連結し、従来のものよりも高性能なウラン吸着糸を調製した[1]。理想的な吸着剤は、短時間で多くのウランイオンを捕獲すると同時にVO2+のような似たイオンを回避しなければならない。また一旦捕獲したイオンを容易に解き放すことができることや耐久性も必要である。従来の最も高性能な吸着剤は、ウランにバインドする部位としてアミドキシム基を有する安価なポリマー繊維が使われていた。20年程前に太平洋で、その繊維を350 kg使って、1kg以上のウランが回収された。ただしこれは4~8週間を要し、バナジウムにも、馴染み、同様に回収していた。今回のそれは、2014年シカゴで開発されたスーパーウランバインディングタンパク質(SUP)を使い、さらにSUPをクモの糸で見つかったタンパク質と結合させている。得られた繊維に海水を3~5日間流したところ、繊維1 gあたり12.33 mgのウランを抽出できてしかも金属選択性も高かった。また繊維をEDTAで洗うとウランが脱離し、その能力の90%程度が保持された。ただし10回使用の後には、70%程度以下の性能になっていた。一斉のうで、使うにはさらに改良が必要である。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 15, p. 6.

DOI: 10.1002/anie.201906191

19.7.27

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ナノスケールの解像度の

 イメージング法が開発されつつある。これによって反応している分子の位置を特定できる。これも「お得やってい」だけど、それには蛍光分子か蛍光ラベルが必要だった。それに対してここでは、非蛍光反応を顕微鏡で可視化できる方法が報告された[1]。まず非蛍光反応と蛍光反応それぞれと、それらを組合せた系を研究し、それら二つが競争することを明らかにした。ついで補助的な反応(ここでは蛍光反応)の速度を、蛍光顕微鏡を使って測定し、触媒表面で蛍光生成物が形成する部位をマッピングした。ついで競争する反応が反応混合物に加えられて、その効果をモニターした。これらのデータからナノスケールの精度で、触媒表面のどの部分で反応が起こっているのかを示すことができる[1]。例えばヒドロキノンの、ビスマスバナデート(BiVO4)粒子上でのキノンへの光酸化が研究された。この反応そのものは蛍光発光しない。そこでこれをAmplex redのレソルフィンへの光酸化と組合せて、赤色の蛍光領域でのキノンの生成を明らかにした。BiVO4のサイズやモルフォロジーを制御したイメージングが、どの結晶面が触媒のスイートスポットなのかを明らかにしている。すなわち主に(010)面でヒドロキノン酸化が起こっていると考えられていたが、側面の(110)面でもわずかに起こり、これらの面の角ではほとんど起こらないことも示された。蛍光が非蛍光に移行するようです。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 15, p. 4.

DOI:10.1038/s41557-019-0288-8

19.7.26

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シリコンのような

 半導体は一般に光の波長を電気に変換できる。課題は材料が利用できる波長の幅の拡大である。そのために研究者らは基礎に戻った。光子が太陽電池にあたると、エレクトロンとホールが生じ、この電荷の組合せが励起子と呼ばれる準粒子である。シリコンでは励起子は、電子が流れると素早く分離する。ただしテトラセンのような別の材料では、風変わりな動きをする。励起子分裂と呼ばれる過程を通して、特別な量子スピンを持った励起子は、二つのより低いエネルギーの異なるスピンを持つ励起子に分裂し、それぞれは、もとの半分のエネルギーを持つ。そこでこのテトラセンとシリコンを組み合わせると、原理的にテトラセンは、シリコンが吸収しない光を吸収して励起、礼儀正しいかどうかはともかく、エネルギーを互換性のある励起子としてシリコンにエネルギーを供与できる。実際にこれを実現するためには、シリコンを保護層でコートする必要があった。今回ナノメートルの厚さのハフニウムオキシニトリドのフィルムは、シリコンを不動態化するとともに、テトラセンからの電荷の通過を実現できた[1]。その結果、電流効率が従来の29%から35%まで向上すると推定されている。ちなみにテトラセンの構造はらせんではありません。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 15, p. 3.

DOI:10.1038/s41586-019-1339-4

19.7.25

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数千年の間

 凍っていた北極の土が、気候変動のために、異常な速さで融けている。融けた永久凍土層は、水や栄養素を解放し、それらがメタン生産のバクテリアやメタン輸送植物の成長を刺激する。科学的なモデルは、これによって災害を引き起こすループが生じる可能性があること、メタン排出によるさらなる温暖化とそれによる永久凍土の融解が促進されて、さらにメタンが、たんと出る可能性を示している。今回研究者らは永久凍土から融けた栄養素と増加するメタン排出の間の相関に関する実験結果を報告した[1]。研究者らはアラスカで、メタン輸送草によってツンドラが増加している場所を探索した。この植物は、ストローのように作用し、迅速に土からガスを大気に輸送する。研究者らはツンドラサンプルを研究室に持ち帰り、永久凍土融解の間に放出される高い濃度の窒素やリン成分にさらした。低いレベルの栄養素と比較したところ、メタン排出がこれらのサンプルでは64%増加した。ただし北極の植物やバクテリアの数は変動するために、この結果が他の地域に適用できるかは不明である。ツンドラのデータ、しっかり積んどらんといかんです。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 1, p. 11.

DOI:10.1029/2018JG004641

19.7.24

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ヒドロゲルは

 医療用デバイス、細胞工学やセンサーでも必要不可欠である。そのほとんどが水であるが、そのために凍ってしまい、0 °C以下では使い物にならなくなる。その中今回開発されたヒドロゲルはこの欠点を克服すると共に、強さと成形性、接着性と自己回復作用を有していた[1]。材料は-80 °Cまで伸縮性があって、別の合成あるいは天然のポリマーがベースになったゲルよりも強い。研究者らは、ヒドロゲル前駆体を、クエン酸ナトリウム入りの水—グリセリン溶液に3時間浸した。グリセリンが0 °C以下で水が凍るのを防止する。ゲルの強さは、ゼラチン鎖とグリセリンの間の水素結合とゼラチンとクエン酸塩の間のイオン相互作用によるものである。ゼラチンは容易に結びついたり離れたりするために、成形性と自己修復性がもたらされている。これらの特性から、柔軟なエネルギー貯蔵素子やソフトエレクトロニクス、0 °C以下条件に設計された身につける素子への応用も可能である。さらにごく低温で貯蔵された細胞や組織や臓器への損傷も防ぐことが可能である。ヒドロゲル、とろけることもないでしょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 1, p. 11.

DOI:10.1021/acsami.9b05652

19.7.23

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硫化水素は

 平滑筋を弛緩させ、いかんですが、血管を拡張させる。それはさらにガンや糖尿病を引き起こす。第一次世界大戦では、化学兵器としても使われたことから、テロリストが使う化合物として注視されている。H2Sは、低いレベルでは腐った卵の匂いがし、高濃度では、重大な健康被害を引き起こす。現状ではFDAが承認したH2S中毒の解毒剤はない。その中研究者らは、H2Sと最も速く反応するプローブをデータベースで探索し30の候補を特定した[1]。ついでリストの絞り込みを行い、有望な化合物として、メタンスルホニルアジドを、H2Sに毒されたネズミで試験をした。この化合物で処置されたネズミは、比較対象のグループとは異なり、全て生き延びた。この成果は、文献にあるたくさんのデータパラメーターを使って、合成やスクリーニング指針を導き出している好例である。さらに化合物の絞り込みで、実際に使える解毒剤やH2S捕捉剤が確定されることが期待されている。パラメーターを絡めた〜探索も有効である。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 1, p. 10.

DOI: 10.1002/anie.201905580

19.7.22

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清浄水に

 世界の三分の一以上の人がアクセスできていない。太陽光が駆動する蒸留は、海水を脱塩したり、汚染水の浄化を可能にして、浄水を提供する環境調和型でかつ経済的な方法である。これに関連して研究者らは二年前に、安価な太陽光蒸留技術を開発した。このシステムでは、液体の水は通さず、水蒸気は通過できる高分子膜を使う。膜の片側は安価なカーボンブラックナノ粒子で覆われて太陽光を吸収して温まる。粒子は膜にある海水を沸騰させる助けになり、得られた水蒸気が通過し別のところで回収される。さらにその効率向上を目指して、太陽熱収集器、放物面鏡あるいは、より光を膜に集めることができるお皿を使って海水を素早く熱していた。ただし今回これらの高価な収集器が必要ない系が作成された[1]。すなわち小さなプラスチックレンズを組合せて、光をホットスポットにスポッと集光させると、光が照射されてできた熱が、指数関数的に蒸気圧を上昇させて、より多くの水蒸気が膜を通った。ここでは10.16 cm X 40.64 cmの膜が、八つの5.08 cmの幅のレンズで覆われて、膜の5 mm幅のスポットに太陽光が注がれている。24 時間で、レンズのない場合と比較して30%以上の浄水が生産された。最も太陽光が強かったときには途中ででも生産速度はおよそ50%向上していた。レンズの使い方の練習を

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 1, p. 8.

DOI: 10.1073/pnas.1905311116

19.7.21

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嵐雪、金属、医薬品

 さらには病変組織の中でさえも結晶が形成される。にも関わらず溶液で最初に何がおきて結晶になるか、いわゆる核形成については、あまり理解されていない[1]。核形成の伝統的なモデルでは、少ない数の原子あるいは分子が、核と呼ばれる区別できる結晶を形成しこれが出発になる。この解釈はいくつかの系では正しいものの、そうではない場合もある。また原子レベルでの解像度ではこの核の形成は観測されていない。そこで研究者らは、原子電子断層撮影法(AET)を利用して、加熱によって結晶化する鉄–白金合金ナノ粒子を観測した。電子顕微鏡のもと、サンプルを回転し、一連の2-Dイメージを構築し、それから3-Dの絵が再構築された。核形成過程は、520 °Cでナノ粒子を加熱すると、時間ごとに進行することがわかった。この過程で個別の原子の追跡で、核形成が進行する様子を見ることができた。はじめは二から三個のFe、Pt原子のコアなグループから始まり、最終的に層になった結晶パターンが、出来上がる。一方で別の原子はコアからの距離に応じて、秩序立ってはいなかった。新しい核は大きさを変え、消滅したり、別の核と一緒になったりしていた。核形成の隠し味でした。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 1, p. 6.

DOI: 10.1038/s41586-019-1317-x

19.7.20

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大気中の

 原子状臭素の、史上初の直接測定が行われ、ほんのわずかな化合物が、低地にあるオゾンの減少や土地への有毒な水銀の沈着で、重要な役割をしていることが明らかになった[1]。以前の研究では、原子状臭素は、日光と海の水しぶきと反射する雪との相互作用による光化学で、北極の大気に入ることが示されていた。ただし科学者は直接臭素のその後の反応を観測したことはなかった。果たして臭素はどこに収束するのか?今回研究者らは現在利用できる検出技術を使って、短寿命原子のわずかな濃度を測定した。すなわち遠く離れたアラスカ州バローまで、CI質量分析装置を、まずは飛行機で運び、ついで雪上をソリに積んでツンドラを走った。2012の春、北極での原子状臭素の量は14 pptに達していることがわかった。それは以前のBrOのサテライト観測による臭素の量の3~10倍である。気候変動が、原子状臭素のオゾンや水銀に対する反応にどう影響するか、今後解明すべき課題である。アラスカでやりますか。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 July 1, p. 7.

DOI: 10.1073/pnas.1900613116

19.7.19

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ボストンマラソンや

 ウルトラマラソンの選手、ボート選手の排泄物のサンプルの研究によって、これらの耐久力のあるアスリートは、筋肉で生成する乳酸塩の一部を有用な化合物に変換できる大腸の微生物の多くを一時的に温存していることがわかった[1]。そのベイヨネラ属からのバクテリアをネズミに投与したところ、していないネズミと比較して長い間走ることができた。この結果は、ベイヨネラ属が運動の副生成物である乳酸に施すことが、パフォーマンスを向上させることを示唆している。アスリートは一般の人よりもより多くの種類の腸内微生物叢を持つものの、これまでの研究ではそれらとアスリートのパフォーマンスの関連性が、これでおま〜すという結果は報告されていなかった。研究者らの排泄物からのDNA配列を決定したところ、ベイヨネラ属が特に多いこともわかった。さらにその数はレースの後には増加しているようであった。乳酸塩は、筋肉が生産する廃棄物で、大抵の場合肝臓で代謝されるが、ある程度は腸へも入り、そこでベイヨネラ属は、小さな脂肪酸として吐き出す。そのうちの一つプロピオン酸塩は、高揚を抑え、エネルギーが増強することと関連している。まあそんな」とマラソン選手は言うかもね。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 24, p. 7.

DOI: 10.1038/s41591-019-0485-4

19.7.18

 

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摩擦電気ナノ発電機

 (TENGs)は、単純な体の動きからのエネルギ―を電気に変換する。ただしそれは複雑で製造するには高いコストをみこすことも必要である。今回研究者らは、有機分子にレーザーを強く照射してグラフェンフィルムをつくり、柔軟なTENGsを作成した[1]。TENGsは二つの密に接近した薄膜の間、すなわち電子ドナーで通常は金属と電子を掴む誘電性ポリマーの間を、電荷が移動することが重要である。すり減る、あるいは曲がった時には二つの表面は逆の電荷をつくり上げる。ポリマー上の電極は電流を引き出す。従来電極は、金属あるいは炭素ナノ材料から組み立てられるが、真空蒸着のような経費のかかる技術が使われている。それに対して今回、赤外レーザーパルスを使いグラフェン泡製造法を開発した研究者らが、一段階法を開発した。すなわちTENGs製造のために、誘電性ポリイミドに赤外レーザーが照射されて、表面にグラフェン電極を製作した。これが炭素原子を再配列させて、グラフェンのナノスケールシートからなる、泡のような導電性の黒い層が形成された。ついで研究者らは、電子ドナーとして肌を使ったTENGsを作成した。ビーチサンダルのかかとに接触する表面に置いたところ、装着車の歩行からエネルギーが供給されて、低出力センサーが駆動した。ただしTENGは2 kmほど歩いたところ、汚れのために停止した。天狗さんもびっくりした。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 24, p. 11.

DOI: 10.1021/ acsnano.9b02596

19.7.17

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接着剤に

 全ての特徴を組込むのは難しい。それらは通常強いか元に戻せるかである。しかも接着したい表面が粗いあるいはデコボコだった時には、せっかく強く接着したのに元に戻すことはさらに難しい。今回研究者らは、デコボコな表面に、強くて元に戻せる接着剤開発を行った[1]。そこではカタツムリの冬蓋と呼ばれる、粗い表面にしっかりつかまることができる構造が研究者らを触発している。新しい材料は、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)のヒドロゲルがグリコールジメタクリレートと交差連結によって組み立てられている。このソフトな水和状態で、材料は標的となる表面に順応できる。ヒドロゲルが乾燥するにつれて、それは表面にしっかりと接着し、その強さは1 cm2当たり892ニュートンで、これは強力瞬間接着剤と考えられるのに十分な強さである。研究者らはこのカタツムリ触発接着剤を使い、蝶の羽のような繊細な物体を動かした。接着と可逆性の機構を理解するとともに、次の段階では、熱、光あるは電場で活性化できる新材料が期待されている。カタツムリ、そのつもりなくても、研究者を刺激している。

[1] Chemical & Engineering News 2019 June 24, p. 11.

DOI: 10.1073/pnas.1818534116

19.7.16

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爆発物や

 推進剤をつくる、メリーランドにある米国陸軍の研究所にいる化学者には、危険な反応に慣れていない人はいない。例えば3,4-ジシアノフロキサン(DCFO)は、エネルギー材料へのエンルートで通常使われる原料である。一般には5 gあるいはそれ以下で使用する。それは遡ること60年弱前、1962年に起きた。基本的な合成手順では、反応途中で、激しい加熱が起きて、有害なガスが発生した。またDCFO製造では、時に激しく進行する反応がおさまるまで、排気装置のサッシを閉めてその場を離れる必要もある。この状況お察しいただきたい。それでも低収率でしか得られないときもあって、原料も高価である。その中今回DCFO製造の新しいプロトコールが報告された。安全に合成できて、一回の操作で60 gの生成物を導くこともできる。シアノ酢酸を塩化メチレン中に懸濁させて、そこに3時間かけて濃硫酸と濃硝酸の混合物を加える。これによって84%純度のDCFOが収率72%で得られる。思案の末、シアノ酢酸をサクサク使う方法になったか

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 24, p. 11.

Dev.2019, DOI: 10.1021/acs.oprd.9b00186

19.7.15

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プレッツエルは

 他の焼き菓子とは違う匂いの堅いスナックである。地域によって違いはあるものの、どこの製品もしっかり噛む必要があって塩味が効き、焼く前の生地のアルカリ処理によって表面は、茶色に光っている。二人の研究者はこの光る表面が独特の匂いの源であると考え、地元のベーカリーで、焼いた新鮮なプレッツエルを購入、ガスクロマトグラフ質量分析と専門の匂い鑑定士と、表面の匂い化合物を同定した[1]。22の匂い化合物が同定された。ついでどの分子がプレッツエルの化合物の鍵となっているかを明らかにした。例えばフェニル酢酸は、プレッツエルの表面にあって、似合っていて、他のパンにはなく、特徴的な成分である。ただし研究室でフェニル酢酸のないサンプルをつくっても人はそれを区別することは出来なかった。さらに別の匂い物質を個別に除去していった結果、二つの分子が特定された。それは焼かれたような匂いの2-アセチル-1-ピロリジンとカラメル臭の2,5-ジメチル-3(2H)フラノンだった。これらの分子は他のパンでも見られる化合物であるが、その比の違いが、苛性ソーダで処理された際に引き起こされる化学に影響しているらしい。プレッツエル、レッテルに成分表示を

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 24, p. 9.

DOI: 10.1021/acs.jafc.9b02601

19.7.14

 

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エルゼビアの

 データベースReaxysを使って研究者らは、1800年から2015年までに論文や特許に報告された14百万化合物のリストを作成した。それぞれの年の分子の数をプロットしたところ、うろっとすることはないものの、新規化合物の登場は年間4.4%ずつ多くなっていた。ついで研究者らは、215年間を発見のペースや新たな化合物の種類をもとに三つの時代に区分けした。最初の時代は1800年から1860年で、proto-organic period (原始有機期)とした。この時期、別の時期と比較して、金属を含む化合物が新しい分子の中で高い割合だった。この時期はまた、年ごとに登場する化合物の数が最もばらついていた。このばらつきが1860年に変化する。化学の価数や構造に関する理論によるものである。この有機の時代には、炭素や水素を含む化合物が新発見のほとんどになり、1880年頃には90%程度で、その後このしきい値はほぼ一定だった。第三の時代は有機金属期と名付けられて1980年に始まり今日に至る。この現代期では、金属を含む化合物の発見が再登場した。なお二つの世界大戦の間は、新化合物発見の数はかなり低下したが、いずれも5年以内には、もとのペースに戻っていた。Reaxysで把握したいが始まりかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2109 June 24, p. 8.

DOI: 10.1073/pnas.1816039116

19.7.13

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あなたがもし

 相当なパンチ力があったとしても、家族との喧嘩は避けるのが賢い。シャコ類、車庫ではなくて海に棲むが、貝殻を裂くほどタフなカニのような付属品を身につけているため、先のアドバイスに従った方がいいけれど、そうではない。この攻撃的な海の甲殻類は、数センチまで成長し、腹部の鎧を使って、欲しい物を得るために縄張り争いをして、複数のパンチを食らうが、それでも生き延びている。顕微鏡ならびにX線による応力試験で研究者らは、尾節として知られている保護する臓器がいかに作用しているかを明らかにした[1]。研究者らは二種類のシャコ類の尾節を比較した。攻撃的な一方は犠牲者を打ち砕き、攻撃的でないほうは犠牲者を突く。これらの種の尾節は、石灰化した角質でヘリカルな内部層と外側の頭部から出来ていて、これがエネルギーを消費させる。ただし粉砕する尾節は、よりタフで、より厚く(700 μm)て、攻撃的でないもののそれが100μm程度とは対照的である。加えて石灰化の度合いも大きくくぼんでいて、反復する高エネルギー衝撃に耐えることができる。シャコ類、社交的なのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 9.

DOI:10.1002/adfm.201902238

19.7.12

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米国と台湾のチームが

 六つの小さな衛星を打ち上げ、それが熱帯の緯度の軌道を回る[1]。衛星は、温度、圧力、湿気に関する高解像度の多くのデータを供給し、これによって熱帯低気圧予報を向上させることができる。COSMIC-2あるいはFORMOSAT-7と呼ばれているこのプロジェクトではさらに、惑星のイオン圏についての前例のないレベルのデータも取得される予定である。大気の高い高度の領域は、太陽によって引き起こされた電子の渦とイオンであり、それは地球の磁気圏と隣接している。これまで大気科学者は、この領域をモニターするための限定的な手法しか有していなかった。以前の衛星や地上レベルのシステムは、イオン圏についての低い解像度のデータを時々送信するだけだった。それに対してこのプロジェクトでは、赤道の北及び南40 °の範囲のイオン圏の電子密度のデータを連続的にモニターできて、宇宙の天気の予報を可能にする。これは、空の交通や配電網と干渉しうる磁気的および電気的な混乱を予測する一助にもなり得る。衛星、え〜でっせい。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 9.

19.7.11

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周期表を

 下がると簡単に、ランタニドが見つかる。このfブロック元素は、金属が+3あるいは最近では+2の酸化状態の錯体を形成する。分子状でLn4+化合物はセリウムだけだった。それに対して今回テルビウムでも+4化合物を形成することが報告された[1]。研究者らは他のランタニドでもおそらく同様の化合物が見つかるであろうと述べている。Tb4+錯体のために、電子豊富なテトラキス(t-ブトキシ)シロキシド配位子と二つの金属すなわちKとTb3+を含む錯体が合成された。ついでそれが強い酸化剤で処理されて、[Tb(OSi(OBu-t)3)4]が導かれた。研究者らは、テルビウムの酸化状態を電子常磁性共鳴ならびに磁気測定で確認し、Tb3+/Tb4+のレドックスポテンシャルも測定した。Ce4+は高い酸化能力を有し、触媒や材料科学へ応用されている。これらの応用が他の+4ランタニドへも拡大されることが期待されている。触媒に使って、反応が行ってるびうむになりますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 9.

DOI:10.1021/jacs.9b05337

19.7.10

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A型赤血球は

 糖鎖の中で、末端がN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)で覆われていて、別の血液型の人では免疫反応が起こるために利用することができない。O型はGalNAcやB型のガラクトースを持たないため、苦闘することなく、どの血液型の患者さんにも適用できる。以前A型血液をO型に変換できる酵素が同定されたが、それは大量を必要とする。その中今回新たに、人の糞便の中のバクテリアのメタゲノミクスから、より効率的な酵素が同定された[1]。研究者らは培養できないバクテリアのDNAを大腸菌に転写して、A型をO型に変換できる微生物を探索した。最も働きがよかった大腸菌は、複数の微生物叢の酵素を生産した。ただしそれらは単独で血液型変換はできなかった。様々な組合せを試して、高効率で期待の変換を行えるペアが同定された。GalNAc脱アセチル化酵素が、糖鎖のアセトアミド基をアミノ基に変換し、ガラクトサミン中間体を与える。二番目の酵素はガラクトサミンを除去し、O型の抗原が出来上がる。いずれの酵素も、さらに単離精製することなく、生理学的なpHでどの血液でも効果的に働いた。実際に利用できるかは、これによって得たO型血液の輸血の安全性試験の結果次第である。大型プロジェクトお堅い検証が必要である。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 8.

DOI: 10.1038/s41564-019-0469-7

19.7.9

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砂糖よりも

 200倍もの甘さを天然物であるステビアに付与する酵素が結晶化された[1]。素敵やなあ。酵素は、ウリジン二リン酸依存の糖転写酵素(UGT76G1)であり、それは枝分かれしたグルコシドをステビアの中の化合物、ステビオシドとリバウジオシドAに付加させる。研究者らによれば、その枝分かれがなければステビアは甘さを失うらしい。結晶構造を得るために研究者らは、リバウジオシドAをUGT76G1にバインドさせて、触媒作用するヒスチジンと成長する枝分かれに適合できる大きなキャビティを明らかにした。このキャビティは糖転写酵素に特異的である。今回の構造解明は、食品科学者が糖由来ではないより良い甘味料をつくる一助になる。なおある人にとってステビアは、苦い後味が残り、その部分を有機化学的手法で合成するのはかなり骨の折れるプロセスである。またステビア分子の多くの部分が甘みの味覚芽と相互作用するが、その内のあるリバウジオシドでは、苦い後味は残らない。そこで酵素の作用を理解することで、苦味なしのリバウジオシドや関連する分子の生産のスケールアップにもつながる可能性がある。苦味なし、みんな知ってる日もくるかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 7.

DOI: 10.1073/pnas.1902104116

19.7.8

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太陽光と光触媒を使って

 水を分子状の水素と酸素に分解する反応は魅力的でかつ安価な方法である。このプロセスでは通常半導体触媒が使われる。光照射を受けると励起電子が発生し、これが水中のプロトンを還元し水素が出る。一方で光吸収によって励起ホールあるいは陽電荷担体も発生し、この酸化能力が触媒を損傷させる。そこで捕捉剤が加えられるが、それによって値段が上がり廃棄物も発生する。それに対して研究者らは、励起ホールも利用して、グリーンケミストリーの二大テーマである「水からの水素発生とバイオマスからの燃料製造」を同時に達成したいと考えた[1]。一連の金属ドープした触媒が試されて、可視光照射下、RuでドープしたZnIn2S4がフランをカップリングさせて、二量体、三量体や四量体を導くと同時に水素も発生した。ついでその水素と二番目の触媒を使いC12からC18のディーゼルに特徴的な炭化水素を76%収率で製造した。なおここでは可視光源としてLED光が用いられているが、太陽光を直接使うことができればさらに画期的な系になる、と書っきたいです。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 7.

DOI: 10.1038/s41560-019-0403-5

19.7.7

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ポリウレタンは

 履物や家具などの日常品に広く使われている。一方でその合成は、活性なN,Nジメチルアミン触媒を用いるが、それが製品に入り込み、有毒なホルムアルデヒドが出る。その中、ホルムアルデヒドを発生しない触媒候補が提案された[1]。ポリウレタン合成は、芳香族イソシアネートとポリオールを原料として、三級アミンが触媒する。N,N-ジメチルアミン触媒中のメチル基がホルムアルデヒドに至るためにメチル基ではなくて、より長いアルキル置換基や様々な環サイズのアミンを使った反応がモデル化されて、遷移状態での活性化自由エネルギーが決定された。ついで実験によりポリウレタンフォーム合成が活性の最も高かった二つの触媒を使って行われた。その結果三級ピロリジンがかなり有望であり、ホルムアルデヒドの発生もなかった。今回の研究成果は、量子化学計算によって研究者が触媒反応を予測しうることを示している。なおそれに基づく実験も行われているが、製造現場で使うかどうかについては明言が避けられている。もっと売れたんやを待っているのかも。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 17, p. 6.

DOI: 10.1021/acs.joc.9b01319

19.7.6

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物質は高圧で

 特性が変化する。科学者は常圧の数百万倍の圧力を発生させることができて、これによって、室温付近での超電導、高分子窒素や、別の予期しない特性を導くことができる。このような圧力下、元素がどの様に振る舞うかをよりよく理解するために研究者らは、個別の元素の電気陰性度や電子配置を予測した[1]。対象となった元素は、原子番号が1から96うち、トリウム、ウラン、ネプチニウムを除いたものである。それら三つの元素では、300 GPaでガンパッても反応せず計算できなかった。その結果、周期性についてのいくつかの化学者の直感が、高圧下では有効に働かないことがわかり、新たなガイドが提供された。圧力下では、電子の軌道は、主量子数に従って一般には満たされることを確認した。例えばカリウムでは、300GPaでは4s軌道に電子が入る前に3d軌道が満たされるが、これは常圧での順番とは逆である。また1から10属並びにランタニドとアクチニド元素の高圧での電気陰性度の傾向は予測できなかった。それでもこれらの結果、高圧での極性や反応性の変化を予測する一助にはなり得る。高圧下でのデータが、結構集められたか。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 10, p. 11.

DOI: 10.1021/ jacs.9b02634

19.7.5

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ある種のワニトカゲギスは

 海面から500 m潜った深海で、何かしんかいなと、待ち伏せしている。そこは生物発光からの光だけの世界である。その生き物は長さ15 cm程度であるものの、食欲旺盛な肉食動物で、自分の半分程度の大きさの魚を食べる。また暗くて艶のある体を持ち、アゴから光を発することができるヒゲが伸びて、それが発光して餌食をおびき寄せる。ワニトカゲギスの尖った歯が、割れたアゴから伸びてきても、餌食はそのギスの接近に気がつかない。その歯は、光の散乱を抑えることができるナノスケールの構造を持ち透明であるためである。研究者らはワニトカゲギスのサーベルのような歯を研究し、それらが、エナメルのアモルファスマトリックス中で、20 nmのヒドロキシアパタイトの結晶からなる鉱物を含んだエナメルのような層で出来ていることを発見した[1]。この層が、ヒドロキシアパタイトマトリックス中に埋め込まれた直径5 nmのコラーゲンナノファイバーからなる歯の象牙質を囲んでいた。これらのナノ構造が、水中では、光の反射や散乱をさせず、歯が見えないようにしている。研究者らは、歯に触発されて、ナノクリスタルやセラミックスを使って同様な材料をつくりたい、と考えている。ワニトカゲギス、わりと過激です。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 10, p. 11.

DOI:10.1016/j.matt.2019.05.010

19.7.4

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ディーゼルの排気や

 ブレーキ粉塵や別の粒子は、喘息、心疾患や他の疾病を引き起こす明らかなリスク因子である。院試で問われるかはともかく、この微粒子物質を大気から除去するためにランカスター大学の研究者らは、木々を見始め、ある種の木は、超微粒子に対するフィルターであることを発見した[1]。九種類の木から枝を集め、葉っぱを洗って、そこにある粒子を取り除き、枝を実験用の風洞に置き、それらをディーゼル排気に晒して、枝の両側の空気の質を見積もった。直径が100 nm以下の超微細な粒子を除去する効率は、木の種類によって異なっていた。ニワトコ70.5%、イチイ71.5%、さらにシダレカンバは頑張って79%だった。マイクロスケールの構造を有する葉っぱ、あるいは多くの小さな葉っぱを持つ枝は、より大きな表面積を持つために、粒子を捕捉する効率も高いのであろう、と述べられている。植樹の大切さ、食事しながらでも、考えてみましょう。枝(branches)なんで昼食(lunch)かな。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 10, p. 11.

DOI: 10.1021/acs.est.8b06629

19.7.3

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北極グマの

 毛深いコートが、北極の氷に対して予想以上に強い防衛力を示す。中が空洞の毛皮の、より糸が熱を保持し防水マットにもなり、これが動物を暖かくかつドライな状態に保つ。この構造に触発されて研究者らは、伸縮できて防水の強い絶縁のエアロゲルをつくった[1]。この北極グマの毛を真似た材料は、建物や航空機の熱や音を遮断するのに利用できる。一方でそれらは弱くてしなやかさがなかったために応用分野が限定的だった。そこで研究者らは、ナノチューブよりも太い頑強な炭素チューブに着目した。グルコース溶液に35 nmの幅と5μmの長さのテルルナノワイヤを浸して加熱し、滑らかな炭素殻を持つ、相互に連結した網を作成した。ついで不活性雰囲気下でそれを加熱し、ナノワイヤを除去し、炭素がもとになったエアロゲルとした。製品は、これまでのエアロゲルや絶縁体よりも軽くて、よりよく熱を保持していた。またそれを10%程度にまで圧縮することを一万回以上行っても、もとに戻り、絶縁の性質を失うことはなかった。絶縁が強〜えん、です。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 10, p. 10.

DOI: 10.1016/j.chempr.2019.04.025

19.7.2

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1日に推奨されている

 水分をペットボトルから主に供給しているとしたら、年間9万粒子のマイクロプラスチックを消費していることになります」というのが人のマイクロプラスチック消費に関する利用できるデータを総合的に見た最初の研究からの警告の一つである[1]。研究者らは、大気、水や他の飲料水、食料のマイクロプラスチックの量に関する良質なデータを選択し、で〜たらめなデータは排除した。ついで米国での日々の基準と消費の習慣と相関をとり、米国人が一日どの程度のマイプロプラスチックを消費しているかが見積もられた。ただし米国人のカロリーの85%を供給している肉、穀物、野菜を含む食料についてのデータが含まれていないこともあり、研究は未完である。それでも少なくとも39000から52000の粒子を体内に年間取り込んでいると推定されている。これらの毒性化合物や外因性内分泌かく乱物質になり得るプラスチックの実際の消費量は、おそらくさらに高いものと思われることから、もし水道水や使い捨てではないプラスチックを買うとしたら、被曝は劇的に変化させることも可能であろう。利便性の高いマイクロ・・・で倍苦労する時代になったか。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 June 10, p. 10.

DOI: 10.1021/acs.est.9b01517

19.7.1

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