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胃腸の中の

 ある種の大腸菌は、コリバクチンと呼ばれる一連の代謝物を製造する。これが人の結腸ガンのリスクと関連している。コリバクチンは10年以上前に発見されたものの単離には至っていない[1]。以前に二つのグループがコリバクチン-DNA付加物を報告していた[2]が、全体の構造は解明されていなかった。今回それらのうちの一つのチームが、分子とDNAが交差連結したコリバクチン代謝物の構造を明らかにした[3]。また構造決定の段階で、合成法も開発し、その分子のさらなる研究を可能にしている。研究者らは構造解明のために、DNA中の二つのアデニンとの交差連結した付加物として分子を捕まえて、質量分析、同位体標識、化学合成を組み合わせて構造を決定した。コリバクチンは、二つの求電子的スピロシクロプロピルジヒドロ-2-ピロンと容易に加水分解されるジカルボニルを含む。その中のシクロプロパン環が開くことでDNAを惹きつける。合成は、ジアミンを二つのβ-ケトチオエステルでアシル化し、二重シクロ脱水化を経ている。今回の結果を受けて、さらにバクテリアの病原性、片利共生やガンでの役割に関する研究を推進することができる。コリバクチン、こりばきちんと解明されますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 August 12, p. 8.

[2] (DOI: 10.1021/acs.biochem.8b01023, DOI: 10.1126/science.aar7785

[3] DOI: 10.1126/science.aax2685

19.8.6

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