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炭素同素体の一つ

 フラーレンが発見されて同定された頃、計算化学は、より小さな炭素分子が環状化合物(シクロ[n]カーボン)として存在することを示していた。が感情的にはならず、実際の分子の合成、単離、同定が行われない限り、類推の域であると言われていた。その中今回、シクロ[18]カーボンが合成されて、特徴が明らかにされた。合成は、原子レベルの技術と、同素体がつくられた1980年代に最初に使われた前駆体分子との組合せである。2016年IBMの研究者らが、走査型トンネル顕微鏡の針先から出る電圧パルスを使って、分子中の結合を一つずつ切断し、ついで原子間顕微鏡で、何が導かれたかを検証するする方法を示していた。それを見ていた今回の研究者とIBMとのコラボで、多環の前駆体から一酸化炭素を取り出す方法を使い、シクロ[18]カーボンが導かれた[1]。分子は9回対称性を持ち、二重結合が連結するよりもむしろ、三重結合と単結合が交互に繋がっていることも決定された。「想像たい」だった同素体の一つが仕上がった。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 August 26, p. 6.

DOI: 10.1126/science.aay1914

19.9.11

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