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二つの塩素原子を

 アルケンに付加できる触媒で、ハロゲン源として塩素塩だけを使う方法は、塩素化天然物を合成する新しいアプローチを提供しうる[1]。今回の系は、古典的な19世紀の化学の懸案になっていた課題をアップデートしたものである。1870年頃より、炭素–炭素二重結合に塩素ガス(Cl2)を付加させて、隣接する炭素上に塩素が組込まれたジクロロ化合物が合成されてきた。塩素ガスは、取り扱いに注意が必要であることから、研究者らは、ヨードベンゼンジクロリドのような代替物を使っていた。これは1886年にドイツの化学者Willgerodtが、ヨードベンゼンに塩素ガスを通して調製した化合物であるものの、塩素ガスを必要とする。それに対してここでは塩素化剤として塩化セシウムを、セレクトフルオルと呼ばれる酸化剤や触媒量の4-ヨードトルエンと混ぜた。これを様々なアルケンと反応させると、隣接ジクロリドが最大88%収率で導かれた。新たな塩素化を記念して、演奏会いかがですか。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 August 5, p. 11.

DOI: 10.1021/acscatal.9b02313

19.9.2

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