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天然物合成の際には

 構造の複雑さが一番課題である。これらの分子は一般に多くの立体中心を有し、研究室で合成する際には、多段階合成や触媒も必要である。化学者は常に、より短くて効果的な、天然物への経路を探している。そのような進展が、医薬品、農業製品、材料合成のための方法の改良に繋がる。今回研究者らは、プレイソラクトン(preuisolactone)Aをわずか三段階、収率57%で導いた[1]。この化合物はプレイッソメリンという菌類から単離できるが、それは七つの連続する立体中心を持ち、ラセミ体混合物である。従来この種の複雑さの分子の合成には20段階程度が必要となる。それに対してここでは類似の天然物の生合成経路に触発されて、一対のアキラルポリフェノールから三段階の酸化過程を経て、分子構築が達成された。さらにプレイソラクトンAはこれまでテルペノイドであると考えられていたが、それはポリケチドのようであることも明らかにされた。今回の成果は、連続的な酸化反応が、かなり複雑な天然物を導く力強い方法であることを示していて、これ以上短くて申し分のない経路はないだろうとのこと。生合成にヒントを得て、成功しました。

[1] Chemical & Engineering News 2019 September 23, p. 9.

DOI:10.1021/jacs.9b08892

19.10.18

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