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土星の衛星である

 タイタンでは、湖、海、雨のもとが水ではなくて炭化水素である。衛星には炭化水素砂丘もあって、100 mの高さまで砂が積み上がっている。これまで科学者は、タイタンの大気で起こる反応が砂丘の粒子を形成させていたと考えていたが、今回の実験では宇宙の放射と衛星の表面にある氷のアセチレンとが相互作用して形成している可能性を示唆していた[1]。砂丘の粒子は大気化学で生成するそれよりも100倍の大きさであることから、実験室で銀河宇宙放射線(GCR)の氷のアセチレンへの作用が検証された。GCRそのものは十分なエネルギーを有していないけれども、氷のなかの分子からGCRは電子をキックアウトできて、これもエネルギーを持つ。低圧5ケルビンで、アセチレンを電子が蹴るびん とベンゼン、三つの環が連結したフェナントレンや他の多環芳香族炭化水素(PAHs)の形成が観測された。実際にタイタンで観測されるPAHsは、実験室のそれよりも大きいため、より長い反応過程が含まれている可能性がある。タイタンにアセチレンが、いたいたん だった。

[1] Chemical & Engineering News, 2019 October 28, p. 6.

DOI: 10.1126/sciadv.aaw5841

19.11.16

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