« 期待の合成反応が | トップページ | メジャーリーグ(MLB)ベースボールでは »

20年ほど前には

 ミミズがカナダの北の森のような、寒くて酸性の土壌で見かけるとは考えられなかった。それに対してミミズが北進している。ミミズは土をかき混ぜて、土壌と植物の間の栄養サイクルをかき乱すこともある。このミミズ、自らの北進は十数年をかけたものであり、野外での調査が必要だった。そこで研究者らはカナダの北にある三つの森に入り、炭素貯蔵の変化を調査した[1]。その結果、いくつかの場所では、太陽の光が届きにくくて、普通は植物が生育する林床があるが、それがほとんどなくなっていた。ミミズの侵略まではアルバータのその土壌の上の層は、1ヘクタール当たり30トンの炭素が貯蔵されていたが、今では、2トンまで減少している。さらにこのミミズが引き金を引いた変化は、思わぬ方向で森全体のエコシステムに広がり得る。ミミズが穴を掘ってそこに炭素が戻るかもしれないけれども、逆のことも考えられる。他にも例えば、林床では、サトウカエデが芽生えるが、これを間食するシカが、しっかりと見つけるのが簡単にもなる。今回の報告は、これらの全体像が見えない中で、何をすべきかを考える好例が、ここにあることを示している。ミミズたち、耳が痛いで、その移動。

[1] Chemical & Engineering News 2020 January 6, p. 7.

20.1.23

|

« 期待の合成反応が | トップページ | メジャーリーグ(MLB)ベースボールでは »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。