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核廃棄物を

 地下貯蔵庫に永久に保存することが多くの国で考えられている。まずは核廃棄物をガラスやセラミックスと混ぜて、それらをステンレス製の小型の缶に入れて包み込む。これらそれぞれについては、寒さや湿気の条件への抵抗性が試験されてきた。これも必見である。ただしこの評価系は、お互いの物質は個別であり相互にコンタクトすることは考慮されていない。その中、核廃棄ガラスあるいはセラミックスから放射性元素を取り除き、ステンレススチール板に押し当てて、それらを塩化ナトリウムに30日間浸す実験が行われた[1]。実験が終わりに近づいたとき、ガラスやセラミックスと接触しているエッジに沿って、スチールに穴があいた。セラミックスは7日で腐食し始めていて、30日後のガラスよりもかなり悪い状態だった。ガラス、セラミックスは、様々な金属酸化物で構成され、スチールは主成分が鉄、ニッケルやクロムもわずかに含む。これらの相乗的な化学相互作用で、想像以上の腐食が引き起こされている。すなわち金属イオンやプロトンの放出が影響しあってフィードバックループになっている。今回の結果は、現在のモデルが腐食を過小評価していることを示唆している。視察も必要である。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 February 3, p. 5.

DOI: 10.1038/s41563-019-0579-x

20.2.21

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