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周期表のシンデレラ

 としてビスマスを考えてみよう。それは有毒な兄弟(鉛、スズ、アンチモン、テルル、ポロニウム)に囲まれているため、多くの場合反応剤として利用することが見逃されてきた。ただしビスマスやその化合物は医薬品にも使われるほどに安全である。その中今回、ビスマス化合物がレドックス錯体として誕生し、遷移金属触媒サイクルを模倣することが報告された[1]。すなわちBi(II)とBI(IV)を介してアリールボロン酸やエステルをフッ素化できるビスマス触媒が提供されている。研究者らはこの系を遷移金属触媒の代替として利用するよりもむしろ、ビスマスに関する概念を実証したかったとしている。また他の研究者は、この成果は、ビスマス化学ひいては典型元素化学での画期的な成果であると述べている。ただし現状では激しい酸化剤を使う必要があるが、これは重い原子ではよくあることであり、むしろ驚くべき反応性の兆候は、重い典型元素の配位やレドックスを探求するための議論を引き起こす機会でもある。ビスマスこれで済ますわけにはいかない。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 January 20, p. 10.

DOI: 10.1126/science. aaz2258

20.2.7

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