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ポリマー

 メカノ化学は、メカノホアと呼ばれる官能基に依存し、そこが引き伸ばしや押しつぶしに対して応答して化学的な変化が進行する。今回研究者らは、新しいメカノホアとして、2-メトキシ置換のジェミナルジクロロシクロプロパン(MeO-gDCC)を開発し、それをポリマー鎖に組み込んだ[1]。超音波でこのポリマーを強打すると、シクロプロパンの炭素–炭素結合が切断されて、塩化アリル中間体が発生、さらにpHの変化という化学信号が発せられる。ここで、MeO-gDCC からは67 プロトンが生まれる。単分子力場スペクトルは、メトキシ基の組込みがメカノ酸を、引っ張りに対してかなり繊細なものにしている。おそらくシクロプロパン環の開環の段階で遷移状態が安定化する。単分子実験は、実際の系とはかなり距離があるために、このメカノ酸をポリ(ジメチルシロキサン)とローダミンBとブレンドし、6 mmの幅のポリマーディスクがつくられた。それはプロトン化によってピンク色になる。ディスクを叩くとポリマーは酸を放出し、ディスク全体に広がり傷ができる。色の変化の広がりを測定すると、いつ衝撃があったかを、数分から30分の間で正確に類推することができた。メカノ酸の発生、今かの〜。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 January 27, p. 6.

DOI: 10.1021/jacs.9b12861

20.2.13

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