« ミツバチは | トップページ | 重症急性呼吸器症候群 »

二つのアルキル基の

 ラセミ体混合物を、どちらの立体化学も制御して連結することはほとんど不可能である。その中今回研究者らは、キラルニッケル触媒を使ってそれを達成した。親電子剤と求核剤とを82%収率、95%立体選択性でカップリングさせている[1]。さらにこの類稀なる系は19の官能基を許容する。一般に置換反応によるC-C結合形成反応は難しく生成物はラセミ体混合物を与える一方で、そのような骨格を持つ医薬品は片方のみが生理活性を示すことが多い。立体選択性を付与するには光学活性な配位子が必要であるが、ここでは二座配位のイソキノリンオキサゾリン配位子を使い、アミド酸素がNiに配位、ついで親電子剤がカップリングし、四つの可能性のある生成物のうち一つが得られている。研究者らの仮説では、反応はラジカル機構で進行し、中間体は立体化学を失い、それらが収束するために立体化学の制御を達成しているとしている。またラジカル反応であるため、チオフェン、アルデヒド、臭化アリールのような官能基も許容できている。立体選択的アルキル–アルキル連結、やりきることができました。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 February 3, p. 8.

DOI: 10.1126/science.aaz3855

20.2.25

|

« ミツバチは | トップページ | 重症急性呼吸器症候群 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。