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ベンゼンのような

 芳香族分子は、炭素原子の上下に広がるドーナツ型の軌道にあるπ電子を含む。その部分がどう〜なっているのかも知りたい。すなわちこの電子の非局在化が4n+2π電子の場合、芳香族性が生まれて分子の安定化に寄与する。芳香族性を定義する特徴の一つは、磁場がこれらの非局在化電子を循環させて環電流となり、それ自身の磁場がベンゼン環内に発生する。これらはNMRスペクトルで反映される。これまでに合成されている最も大きな環は62π電子を含んでいた。ただし環が大きくなるとツイストして非局在化が妨げられる。その中今回、亜鉛ポリフィリンとアルキンを連結させて自転車の車輪の輪止めのような分子が合成された[1]。外周は16 nmで12のポルフィリンユニットと6つの輪止めのペアで構成されている。中性条件では、それぞれのポルフィリンがそれぞれ環電流を保持しているが、酸化状態を変化させるとグローバルな環電流が生じる。+6酸化状態では、162π電子の芳香属性を示した。特異的な量子効果を期待してさらに大きな芳香環合成も展開されている。また別のグループは三つのチオフェン環を含む系を報告している[2]。芳香属性、後続の研究者もご奉公している。

[1] Chemical & Engineering News, February 3, p. 6.

DOI: 10.1038/s41557-019-0398-3

[2] DOI: 10.1038/s41557-019-0399-2

20.2.22

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