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ヘビに噛まれて

 年間およそ10万人の方が命を落としている。そこでヘビ毒に対抗できる医薬品を開発するためにも多くの毒成分が必要である。その中今回、ネズミや人の幹細胞から小さな臓器を成長させることができる科学者らが、ミニ版の毒牙をつくる方法を明らかにした[1]。ちなみに毒牙だけど独学ではない。小さな臓器をつくるには幹細胞を必要とするもののヘビのそれは知られていない。そこで研究者らはある種のヘビ(Cape coral snake)の卵を入手し、そこから胚芽にある毒牙を切り出し、哺乳類の臓器を成長させるために用いる薬品の混合物の中に入れた。ただしそれを孵化させる温度を37 °Cから28–32 °Cに変更した。ヘビは変温動物だけど、一般に哺乳類よりも体温は低く、高くなると細胞が死ぬ。驚くべきことに直ちに成長が始まり、人で知られている臓器の構造と同様のそれが出来て、天然と同様の濃度の毒も得られた。これのスケールアップにはかなり労力も必要とするために、すぐに抗毒素を生産することは叶わないが、分泌のような基本的な細胞プロセスの理解の一助にはなる。研究チームではさらに10種類のヘビやトカゲから毒を生産する臓器を成長させている。幹細胞、関西でなくてもあります。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 February 3, p. 7.

DOI: 10.1016/j.cell.2019.11.038

20.2.23

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