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Grignard反応は

 炭素と結合したハロゲン化マグネシウムが、カルボニル基に付加してアルコールを与える。教科書の説明は、求核付加反応とラジカル機構の可能性を言及している。今回さらにその詳細を明らかにするために、コンピューターシミュレーションが使われた[1]。これまでの系とは異なり、分子動力学を用いて溶媒のより正確なモデル化が行われた。その結果、CH3MgClとアセトアルデヒドあるいはフルオレノンとのTHF中の反応は、求核反応とラジカル反応が競争的で、そのエネルギー差は1 kcalしかなくて、これらをシミュレーションで区別することはできないことがわかった。ただし今回は、より正確に溶媒をシミュレートできることから、THFの重要な役割が明らかにされた。マグネシウムは通常四配位であるが、そこに五番目の配位子としてTHFが登板して、金属の電子対称性を変化させて、結合切断と形成を支援している。いずれの経路を通るにしても、単に基質と反応剤との課題ではなくて、溶媒分子の数や動きが反応機構で鍵となる役を担っている。マグネシウムは溶媒で、いい塩梅になるのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 February 24, p. 7.

DOI: 10.1021/jacs.9b11829

20.3.14

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