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大気汚染で 

 微粒子にさらされて毎年3から4.3百万人の方が亡くなっている。その汚染の中の煙霧が、どのように発生するのか、まだよくわかっていなかった。中国では、排出規制による大気の質向上が成功しているものの、ひどい煙霧や中程度の煙霧の日があり、これが健康被害をもたらしている。煙霧の前駆体の一つは、石炭火力から排出されるSO2で、これが大気中で反応し煙霧の主成分である硫酸塩になる。ただしその量は50 ppbから数ppbまで減少しているにも関わらず、今も煙霧は起きている。それらを全部無くしたい。そこで研究が続けられた結果、黒色炭素に行き着いた[1]。この黒いチャコールのような粒子は、SO2ほどは中国では減少していない。そこで実験室で、北京の温度と湿度雨を再現したシミュレーションが行われた結果、二酸化窒素やアンモニア存在下、黒色炭素が、SO2のレベルが低くても、硫酸塩形成を触媒していることがわかった。まずNO2が黒色炭素の表面で反応し、亜硫酸(HONO)が生じる。アンモニアがその表面での相互作用を安定化し、HONOがSO2の硫酸塩への変換を可能にする。このタイプの反応は世界中で起きているはずだけど、中国ではアンモニアと黒色炭素の量が比較的高い。すなわちアンモニアは肥料から蒸発し、黒色炭素は、家庭で使う石炭あるいはまきから供給されて、捲き上げられるためである。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 February 17, p. 7.

DOI: 10.1073/pnas.1919343117

20.3.4

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