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2020年4月

米国で販売される

 ガソリンのほとんどがエタノールを10%程度含んでいる[1]。そのエタノールのほとんどはとうもろこし由来である。例年600億トン以上のそれが自動車燃料に利用されている。それに対してCOVID-19パンデミックによってガソリン需要がおよそ半分にまで減っている。200程度あるエタノールプラントのうち70が停止し別の70は減産。さらにエタノールプラントでの発酵は米国のCO2供給の37%を担っている。CO2供給は、アンモニア製造プラントからも行われておよそ20%であるが、今はほとんどオフシーズンでオフラインである。(おふくろさんにも伝えて)一方でCO2需要は冷蔵工業が最も多く次にビール醸造所やソフトドリンクメーカーである。小さな醸造所はCO2を冷凍液体として購入する。大企業は個別に契約をして必要量を確保しているが小さな会社ではそうはいかない。なおビールやソーダの中のCO2成分はわずかなため、高価なCO2でも価格にそれほど影響はしないものの、タンクが空になったらビールタンクも空である。だからCO2の安定供給をお願い。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 27, p. 11.

20.4.30

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米国化学工業協会(ACC)は

 現在のシャットダウンが6月末までに解除された場合だと、化学製品の生産高はおよそ3.3%落ち込み、もしシャットダウンが第四四半期まで続くと6.5%まで落ち込むと推定している[1]。この推定には薬剤は含まれていない。なおこれは米国におけるシャットダウンによるものだけではなくて、他国での制限も関連しており、世界的な経済は1930年以降で最も厳しい状況になっている。ACCは世界貿易の落ち込みは10.55%、世界的な工業製造はおよそ4%減で、米国に限ると8.4%減であると予測している。微かな希望の兆しは、ウイルスに対応する中、個人用保護具(PPE)、医療機器、テストキットや消毒剤の需要が伸びている点である。クリーニングや消毒のための界面活性剤の需要は急激に上昇し、PPEのニーズの高まりが第一四半期の収益を浮上させている。さらに水ろ過材料、食品や飲料の原料、体に良い働きのバクテリア、エレクトロニクスで利用される材料は好調な販売である。加えて加工食品のための柔軟な梱包材料も10%程度の上昇が見込まれている。化学産業での雇用については、小売店、レストランや別のサービス産業のように苦しむことはないが、2020年は化学関連の仕事で全従業員の5.15%およそ28000人が職を失う可能性に言及している。これは過去3年間の雇用拡大を無効にするものである。それでも前を向こう。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 27, p. 4.

20.4.29

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小規模の

 初期の研究は、ヒドロキシクロロキンと抗生物質であるアジスロマイシンがCOVID-19からの早期回復の助けになることを示していた[1]。ただし複数の医師が検証せずにそれらを投与したものの結果は芳しくなかった。ブラジルでは81人の入院患者に投与したところ、高用量の患者のうち32%が、また低用量の患者のうち15%が死に至った[2]。米国では368名の患者で試験を行い、ヒドロキシクロロキンを投与された人のうち28%が、またそれとアジスロマイシンの両方を投与された人のうち22%が死亡した。それに対してこれらの薬を飲んでいない患者の死亡率は11%だった[2]。ただしこれらの論文は査読される前の内容である。NIHのエキスパートは上のどちらの薬も臨床試験前に使用することは推奨していない。その中マサチューセッツの病院とNIHで510名、またかなり厳密なプラシーボも含めた臨床試験が440名のCOVID-19の入院患者に対してノバルティスが実施している。ノバルティスはすでに3千万錠を米国政府に寄付している。さらに別のグループは、健常な医療従事者やCOVID-19と診断された人の濃厚接触者で検査を行なうことを計画している。ヒドロキシクロロキニンにアジスロマイシンの効果、気にんなります。邁進するしか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 27, p. 11.

[2] DOI: 10.1101/2020.04.07.20056424

[3] DOI: 10.1101/2020.04.16.20065920

20.4.28

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世界中のガス会社が

 ガスシリンダーの供給を増加させ、病院現場で液体酸素タンクと酸素供給システムを組み立てている[1]。これはCOVID-19患者を治療するための医療用酸素の需要の急上昇に呼応するものである。欧州の工業ガス協会によれば、医療用酸素の需要は通常の5から10倍になっているとのことである。この需要上昇に対応するために米国のある会社は、4万リットルの医療用酸素タンクと14千リットルの予備タンクを、ベット数が400床の一時的な病院に設置した。イタリアや東フランスでも4から6倍の需要である。幸いなことにこの需要の急激な増加でも供給不足には至っていない。日本ガスの子会社であるオキシメサ(Oximesa)は、お気にめさないかは知らないが、24時間体制で生産を行っている。またAir productsとAir liquideは、一時的に病院になった施設のために7 kmの酸素導管を引いた。英国でも4000床設置した臨時病院に、酸素タンクと4 km導管が導入されている。医療用酸素は米国と欧州で全体の15%ほどが供給されている。そのうち45百万シリンダーがリサイクルされて、さらにその中の15-20%が医療用酸素として認められている。

[1] Chemical & Engineering News April 20, p. 11.

20.4.27

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電子タバコの

 液体や蒸気は、金属や半金属を、人の健康を害するレベルまで含んでいるかもしれない。ということがかもし出されている。また蒸気を吸った人は、通常のタバコよりもこれらの元素を、より多く血液や身体の体液に取り込むことになる [1]。これらの喫煙デバイスは、ニコチン溶液を加熱するために金属のコイルを使い蒸気を発生させている。コイルそのものが金属源であり、中には液体を保存するための合金もある。複数の研究結果は、蒸気の中の金属量は、液体が加熱された後に上昇することから、加熱過程で放出される金属が何かを類推できる。さらに使用者が肺まで吸い込むエアロゾルに含まれる金属量は、液体の中の量よりも多い。また使用者の血液や尿の分析結果は、電子タバコは、鉛やヒ素を含む多くの金属の被曝源であることを示していた。加えて通常の喫煙者よりもカドミウムを除く金属については、多くの量の金属を吸引していることもわかった。金属被曝は、ガンや他の疾病のリスクを増加させ、肺細胞へダメージも与える。電子タバコのマーケットは常に拡大し、新しい使い捨て容器も販売されている。研究者らはそれらについても、どの程度の金属被曝があるのか以前のモデルと比較しながら研究を継続している。電子タバコの金属、バーコードで判別できないでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 March 30, p. 7.

DOI: 10.1289/EHP5686

20.4.26

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COVID-19を引き起こす

 新型コロナウイルスSARS-CoV-2がCOVID-19患者の排泄物でも見つかっていることから、廃水をもとにした疫学が集団における疾病の広がりを追跡するのに効果的な方法である可能性がある[1]。廃水疫学は、コミュニティーでの薬物使用をモニターするためによく使われている。さらにそれは個別の試験に限界がある場合に感染の広がりについての情報を提供することもできる。その中研究者らは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を使って、マサチューセッツの廃水処理施設からの下水の中のSARS-CoV-2を測定した。米国でCOVID-19が最初に報告される前の四つのサンプルは全てネガティブだったが、3月18日から同月25日までの10サンプルは全てSARS-CoV-2に対してポジティブで予想した以上のレベルだった。今回のこのアプローチは特に、コミュニティーがCOVID-19に比較的無縁な時に、それをモニターするのに有効である。この分析に携わっているBiobotは、一週間に100以上の廃水処理施設からのサンプルを得ている。Biobotは分析にも没頭している。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 20, p. 4.

DOI: 10.1101/2020.04.05.20051540

20.4.25

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イタチは

 人の呼吸器感染を引き起こすウイルスの研究には不可欠な動物でSARS-CoV-2にも罹患できる。ただしイタチではそれが肺ではなく上気道でしか再現できない。イタチ、君たちでも難しい。ただこのことは、イタチはウイルス複製の軽減や、その停止のための抗ウイルス剤やワクチンを試験するいいモデルになり得ることを示していた[1]。COVID-19の動物への感染はまず3月に香港で二匹のワンチャン、ポメラニアンと2歳になるジャーマンシェパードが罹患したことが報告された。ここでポメラニアンは命を奪われた一方で、シェパードは兆候が見られなかった。同じ3月ベルギーと香港で猫ちゃん2匹がウイルスに対して陽性だった。そのうちベルギーの猫は、呼吸困難や下痢を引き起こしていた。異なる種でウイルス感染するのは珍しいことではないが、受けやすさの違いは、ウイルスが乗っかる細胞の受容体の違いである。中には先天免疫がある場合もあって、例えばアヒルは、ある日インフルエンザウイルスをもらっても発症しない。一方で鳥はインフルエンザ病に陥る。人はおそらく猫からCOVID-19をもらうことはないものの、一般にペットを飼っている人は衛生的にして、特に餌を与えたり、排泄物を処理した後の手洗いが勧められている。またCOVID-19に罹患したときはペットや他の動物(人を含めて)との接触は制限した方が良い。イタチの症状、生い立ちとは無縁か。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 20, p. 4.

DOI: 10.1126/science.abb7015

20.4.24

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ファビピラビル

 ブランド名アビガンは2014年日本で承認されて、インフルエンザや別の医薬品に応答しないウイルス株の感染の治療に使われている[1]。富士フィルムの広報担当者は、その特徴的な作用機構から新型コロナウイルスへの感染にも効果的であると述べている。それは富士フィルムの子会社である富山化学が開発し、鍵中間体であるマロン酸ジエチルは化学製造メーカーであるデンカが供給している。ただマロン酸ジエチルが過剰供給であったため2017年に新潟県のプラントが一旦閉鎖していたが、プラントを再スタートさせる予定である。設備は取り壊されておらず5月の終わりにはフル稼働したいとのことである。これでデンカから出るかと思われる。富士フィルムによれば日本でのフェーズIIIの100人程度の試験が6月には完了する見込みで、米国では50人程度のフェーズIIの試験が予定されている。これまでの人の臨床試験では悪い反応は見られていないものの、臨床前研究で胎児に対しては害がある可能性があったため妊婦さんでの試験は行われていない。レムデシビルと同様、ファビピラビルもウイルス複製に含まれるRNAポリメラーゼの選択的抑制剤であり、動物試験では、インフルエンザ、西ナイルウイルス、黄熱、手足口病や別のウイルスに対して効果的である。なお現状ではCOVID-19に対応するためのファビピラビルの大量注文は日本政府からだけである。WHOは多国籍な臨床試験を、四つの今ある医薬品で行っているが、ファビピラビルを含めていなかった。田舎での試験も、期待したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 20, p. 11.

20.4.23

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低温電子顕微鏡法(Cryo-EM)によって

 RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の構造が明らかにされた[1]。RdRpはウイルスがRNAゲノムのコピーをつくる鍵となる部分である。ウイルスのスパイクタンパク質とともに、人に感染する際に含まれるRdRpや、ウイルスのタンパク質製造を助けるその主なプロテアーゼは、SARS-CoV-2に対する薬の主な標的の一つである。新型コロナウイルスのRdRpは、nsp7やnsp8として知られているいくつかの小さなタンパク質にバインドしている。別のRdRpと同様に右手の様な形をしているが、握ってみることはできない。2019年Cryo-EMによって、SARS-CoVのRdRpの構造が解析された[2]。このウイルスはCOVID-19を引き起こすウイルスと類似である。二つのポリメラーゼは、ほとんど同じアミノ酸配列を有しRNA重合を触媒する活性部位は同一である。薬剤開発でCoV-2ポリメラーゼを標的にする利点は、開発者がHIV治療のためのポリメラーゼ抑制剤の設計の経験があること、さらにポリメラーゼを妨害する方法が、過去数年間に格段に進展している点である。SARS-CoV-2 RdRpを抑制しうる医薬品の一つがレムデシビルである。これは元来エボラウイスルを標的としていた。新たに明らかになった構造から、レムデシビルのトリホスフェートがどの様に、ポリメラーゼにバインドするかがモデル化されている。さらに他のポリメラーゼを標的とする医薬品であるファビピラビル(販売名:アビガン)も同様にバインドするのではないかと研究者らは考えている。Cryo-EMが構造に食いついた。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 20, p. 4.

DOI: 10.1126/science.abb7498

[2] DOI: 10.1038/s41467-019-10280-3

20.4.22

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薬剤開発企業は

 実験室レベルのCOVID-19に対するワクチンの臨床試験を相当に速いスピードで始めている[1]。中国では五つのワクチンの試験が始まり、米国では二つ、さらに今月には三つ目の試験が予定されている。さらに二つが英国とオーストラリアで来週始まる予定である。基礎科学から臨床科学への移行のペースのこの速さは、世界的危機の深刻さが如何に大きいかを示している。WHOは少なくとも70のCOVID-19に対するワクチンが開発中であると述べている。COVID-19ワクチンの臨床試験に最初に取りかかったのは、バイオテック企業のモデルナ(Moderna)で、SARS-CoV-2のゲノムがダウンロードされてわずか66日目のことである。この会社ではワクチンが免疫系にSARS-CoV-2スパイクタンパク質を認識し破壊する様に伝えることができることを期待している。モデルナからもう出るかなと期待したい。多くのワクチン開発者は同様の戦略であるが、別の方法としてモデルナは、メッセージャーRNAの中のスパイクタンパク質をつくる遺伝子のための遺伝子指令をコード化している。中国でCanSino Biologicsは、アデノウイルスのベクターワクチンと呼ばれている遺伝子改変した通常の風邪のウイルスにスパイクタンパク質をコード化している。また二つの大手製薬会社が共同でCOVID-19ワクチン開発に乗り出しているが、この協調は初めてのことである。英国ではアデノウイルスベクターワクチンの臨床試験に500人が参加予定で今月中に始まりそうである。参加者の半数の人にワクチンが、半数の人はプラシーボが投与される。ワクチンで楽ちんを達成したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 20, p. 3.

20.4.21

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プラスチック袋

 いわゆるレジ袋の使用禁止を地球の日である4月22日に実行する予定だったサンフランシスコは、それを2021年1月15日まで延期した。ニューハンプシャーやマサチュセッツでも同様に、使い捨て袋の使用を促している。プラスチック工業はこの方策を歓迎し、「プラスチック袋は、食料雑貨店で働く人たちをCOVD-19から保護する」とある団体は主張している。公共の食料を維持するという必要不可欠なサービスを提供しているこれらの労働者を守るために、雇用主や政府の人は可能なことは全て行う必要がある。その方法の一つが、バクテリアやウイルスや伝染性のものが潜む可能性のある再利用可能バッグの利用禁止である。プラスチック工業団体は、使い捨てバッグは、最も衛生的な選択であると指摘している。団体は2011年、2019年買い物客のバッグからバクテリアが見つかったこと、2012年オレゴンでノロウイルスが大流行したのも再利用可能な食べ物袋と関連していることも引用している。環境団体の創設者は、企業は脅し戦術を使っていること、現状では再利用可能袋がCOVID-19の拡大と関連している証拠はない。と述べている。使うレンジが広がっているレジ袋、入れ知恵にはご注意を。

[1] Chemical & Engineering News 2020 April 13, p. 10.

20.4.20

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SARSが流行した2006年

 患者さんからSARS-CoVウイルスに対する抗体が単離された。今年の初め中国の研究者らは、それらの一つCR3022がCOVID-19を引き起こすSARS-CoV-2のスパイクタンパク質にバインドすることを報告した[1]。研究者らは抗体がどの程度正確にスパイクタンパク質にバインドするかを見るためにCR3022のサンプルを注文し、受容体がバインドするSARS-CoV-2領域(RBD)のスパイクタンパク質も製造した。X線結晶解析の結果、抗体はRBDが人の受容体と相互作用する部位にはバインドせず、ウイルスが人の細胞に感染し、タンパク質の構造が変化したときにだけ、抗体はその隣の部位にひっかかることがわかった。すなわち先の抗体はSARS-CoV-2へはそれほど強くはバインドしない。この成果は、抗ウイルス薬やワクチン開発のための大きなヒントである。またCR3022が標的とする二つのコロナウイルスのドメインのメインは同様だけど、SARS-CoVのRBDはグリコシル化部位を有しSARS-CoV-2のそれは、それを持っていない。この小さな違いが抗体CR3022のバインドの強さに影響している可能性がある。研究者らはどちらのウイルスも中和できる抗体の発見を目指している中、COVID-19から回復した人たちから抗体サンプルの提供の申し出をもらっている。週末だけでも相当な数だった。今回のCoV-2だけではなく、関連するコロナウイルスから身を守ることができるワクチン開発をしたいとしている。自らを鼓舞しながらCoVに向き合っている。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 13, p. 5.

DOI: 10.1080/22221751.2020.1729069

20.4.19

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1970年4月11日

 ケネディ宇宙センターからアポロ13号が打ち上げられた。その二日後の13日、不完全な配線が宇宙船の酸素タンクの一つで爆発を引き起こした。そこから乗組員3名を安全に帰還させるための張り詰めた3日間が始まった。勇気、創意、共同作業、今も語り継がれる。その中ここではエンジンについて明かされた。宇宙船を地球の軌道に乗せるためのエンジンも爆発によって失われていた。そこで月着陸船のエンジンを使い、船を月の周りに飛ばして新しい軌道に入れることをNASAは考え、船に読み込ませる新しいコードを直ちに作成した。前代未聞なれどもNASAは、なさねばならなかった。ただしエンジンの燃焼室が摩耗して亀裂する恐れもあった。飛行士たちがエンジン点火、月を周回した後、地球に帰還する安全な軌道に入り、さらに地球に近くに従って修正し、太平洋上に無事帰還した。Hello Houston, this is Odyssey. Good to see you again.[2] この時のエンジンがピントル式噴霧装置で、アポロ計画全体で使われ続けた。そのミッションが完了した後は、その設計が、宇宙船やミサイルを制御する、正確な小型ロケットエンジンをつくるのに採用されて、50年以上経た今も、新分野開拓に貢献している。新聞屋さんも注目か。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 13, p. 8. Podcast

https://cen.acs.org/physical-chemistry/Podcast-chemist-helped-save-Apollo/98/i14

[2] この部分の音声、映画「Apollo 13」(1995) のトム・ハンクス(多分)

20.4.18

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サイトカインストームとして

 知られている制御できない免疫応答、これは重篤なCOVID-19の人に見られるが、その応答を、珍しい血液ガンの治療に使われているルキソリチニブが抑制できるはずであると医師は考えていた[1]。4月2日無作為化試験がアナウンスされて、350の入院患者さんのうち半数にはルキソリチニブが投与されて、半数の患者さんには薬ではなくて現状で最高のケアを施した。臨床試験登録ができない重篤なCOVID-19の患者さんに対しては、医師も患者さんも投与されていることを知っている、いわゆる非盲検試験が行なわれた。ここではその結果の記載はないものの、その有効性は他でも確認されている。ルキソリチニブは一般に安全だけど、身体の免疫応答を抑制し得ることから、感染の初期の段階でかつ身体がウイルスと闘おうとしている時には使わない方が良い。むしろウイルス量が減り、サイトカインストームが起こり始めた、通常では感染の二週間後に、使うべきである。ストーム、臨床的悪化、さらには人工呼吸器の使用を回避する適切な治療法の確立が重要である。なおサイトカインは、免疫細胞が生産する、シグナリング分子であること、書いとかんといかん。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 13, p. 11.

20.4.17

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手作りマスクはどの程度効果的かpart 3

 マスクを手作りする際にはそのデザインや生地など考えると最適が何かが難しい[1]。専門家によれば、手作りマスクの素材の浸透性は様々で何が良いかを決めることはできない。一体どの程度タイトに織られているかがポイントの一つである。天然繊維は人の息で湿気にさらされると膨張し、繊維の性能を予想外に変化させてしまう。織物の孔と通気性はトレードオフの関係で、小さな孔では息が難しくなる。外出着に使われている軽量で微小孔性の材料であるゴアテックスについて、SARS-COV-2を効果的にろ過するかの問い合わせが相次いでいるが、メーカはその通気性の悪さに警告を出している。研究者らはT-シャツ、トレーナー、タオルやポケットチーフのろ過の効果も検証し、飛沫の10から60%を抑制できること、これらは外科用マスクや防塵マスクに匹敵することを報告している[2]。ただし試験した粒子のサイズや速さにも依存し、またどのように装着するかもかなり効果に影響を及ぼす。CDCは多層な織物で顔をカバーすることを推奨している。別の研究者らは不完全でもマスクをつけることはウイルスにさらされる危険を軽減できそうであると述べている[3]。一方でマスクをしているということで安全であるという錯覚に陥り、他の予防措置を疎かにする可能性もある。6フィート以上の感覚を保つことの重要性が繰り返されている。これらをひっくり返さないでね。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 13, p. 4.

[2] DOI: 10.1093/annhyg/meq044

[3] DOI: 10.1371/journal. pone.0002618

20.4.17

 

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手作りマスクはどの程度効果的かpart 2

 自家製あるいは非医療用マスクが、着用している人の呼吸からの放出をブロックし細菌の拡散を最小化できるように仕立てられている場合には、外科手術用マスクのように使えるかもしれない[1]。これらのマスクは通常、紙のような不織布でつくられており、顔の周りにゆるりとフィットして、使用者が息を吸い込むと、空気が端から漏れるようになっている。その結果、ウイルスを吸い込むことに対する信頼できる保護であるとは考えられていない。それに対してかなり微細なポリプロピレン繊維でつくられたN95マスクは、しっかりとフィットしているために、使用者への感染粒子の入り込みをトラップできる。またN95の繊維は静電的に帯電していて、空気透過性を保持しながらも粘性も付与できている。もしN95マスクを正しく使用すれば、浮遊微量粒子の少なくとも95%にフィルターをかけることができて、これは医療従事者にとっては不可欠である。またSARS-CoV-2に感染していても軽症の場合や、無症状の人が、意に反して、ウイルスを広めることが明らかになり、布あるいは外科用マスクによって呼吸の放出をブロックすることが重要であると認識されてきた。特に外科用マスクは、呼吸器疾患の人が大気に放出するウイルスの量をかなり削減することができる[2]。外科用マスク、かようなことで需要拡大かも。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 13, p. 3.

20.4.16

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手作りマスクはどの程度効果的かpart 1

 社会的距離戦略(social distancing)の重要性が指摘されている[1]。6フィート(およそ1.8 m)の間隔をとることが、ウイルスのまん延を抑えるためには重要である。加えてマスク着用について、SARS-CoV-2がどのように広がるかということと並行して理解が始まっている。専門家はウイルスは飛沫によって他人に感染すると考えている。この場合飛沫は始末が悪い。唾液や粘液の感染性の滴は、会話や咳で放出されるが、それらは比較的大きくてある一定の距離飛び散り、1-2 m以内に着地する。なお別の研究は、くしゃみや咳はさらに遠くへそれらを飛ばしうることを示している[2]。一方で研究者らは、SARS-CoV-2が空気中でより遠くへさらに長い時間生きるような、より小さなエアロゾルを通して感染するかどうか意見の一致を見るには至っていない。ある実験ではウイルスは、制御された実験室条件ではエアロゾル中で3時間感染力を保持しうることが示されている[3]。ただしWHOはこの実験はエアロゾルを発生させるために特殊な装置を使っているため、通常の人が関わる咳の条件を反映していないと指摘している。咳対策に一石を投じたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 13, p. 3.

[2] DOI: 10.1111/j.16 00-0668.2007.00469.x

[3] DOI: 10.1056/NEJMc2004973

20.4.15

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大学院化学工学

 プログラム、2年かけて応募して入学を許可された学生[1]。学内でのオリエンテーションへの出席の招待をもらった。その段階ではCOVID-19が移動にそれほど影響を与えるとはほとんど考えていなかった。旅立つ前大学院でのアドバイザーにそちらの州への移動は安全かどうかを尋ねた。答えは「大丈夫、こちらでは一切影響はない」だった。心配だったものの旅の準備をして入学する大学へ向かった。その後すぐに、この旅は最初から混沌としていることを、渾々と、知らされた。まず搭乗者の検温によるスクリーニングでフライトは3時間以上遅れた。次に複数の学生が訪問をキャンセルし自分の所属すべきグループは20人だったのが6人まで減った。さらに複数の教員が研究室ツアーを行わなかった。そのうちの一つの研究室に特に興味があったためかなり落胆した。ついで大学は新入生を含む全てのメンバーのキャンパスからの立ち退きを決めた。これによって直ちに安全に家に帰ることを強いられた。今この学生さんは大学院進学という自分が決めたことは良かったのかどうか疑問に思っている。コロナウイルスパンデミックの中自分のような状況の学生に、今のところ大学は何も用意していない。その要因、知りたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 20.

20.4.14

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過去数ヶ月の間に(Part III)

 1月の終わり、北京大学では研究室がシャットダウンされて、学生がキャンパスに入ることは許されなかった[1]。先生は3月半ば頃まで、C&ENチームがコンタクトした頃まで、すなわち50日以上を家で過ごしていた。最初は家ではきないことばかりを考えていたものの、この機会に何か新しいことを学ぼうと考え始めた。医薬品化学の本を数冊読む機会を得た。先生は復帰したら、いずれこの分野の化学に関連する実験を始めたいと普段から考えていた。学生たちも同様に新たなスキルを身につけ始めている。これに尽きる。学生とはWeChatを通して会話をし、復習できる論文や文献検索によって、新しいアイデアを出すように促した。あるいは学生たちの合成の技能向上のために、より多くの有機反応を覚えるようにも伝えた。さらに学生は先生と一緒に幾つかの総説の執筆も行っている。学生たちが、これまで学んできたこと、今後の人生で何をしようかと熟考する絶好の機会でもある。さらに英語のTVプログラムを視聴することも勧めた。英語力の向上もええことである。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 17.

20.4.13

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過去数ヶ月の間に (Part II)

 ウイルスが韓国で拡大した2月はじめ、大学は閉鎖されなかったものの、厳しい規則が適用された。成均館大学では、学部生は冬休みが終わるまでキャンパスに戻ることが許されなかった。一方で教員、大学院生、博士研究員は、建物に入る前に体温測定しなくてはいけなかった。さらにいかなる時もフェイス・マスクを着用する必要があり、対面で話すことは避けることが基本だった。どうしても話をと言う場合には、距離をとるか、同じ研究室にいても電話で話をすることが推奨された。場面変わって、シアトルにあるワシントン大学、1ヶ月以上前3月6、7日のこと、大学院生の求人プログラムの世話をしていた先生。マンツーマンのミーティングであるが、その後のディナーは、ないでぃなあ〜 でキャンセル。ポスターセッションも同様だった。この状況がエスカレートして、実習の講義をどうするかを考案しなくてはならなくなった。その結果、自分たちが実験を行い、それをビデオ収録し、学生はテレビ会議システムであるZoomで学ぶ方法を採用した。そのためこの先生、これまで以上に業務に携わっていると、感じられている。業務、今日無理も、時にはある。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 17.

20.4.12

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過去数ヶ月の間に (Part I)

 世界中の化学教員の生活も劇的に変化した[1]。COVID-19パンデミックが広がる中、大学は閉鎖、研究室も閉鎖、遠隔講義に移行し、社会的に距離をとる戦略やテレビ会議が通常になった。それらが実際に先生方の生活をどう変えたか、武漢の先生方の声である。武漢大学の先生1月23日武漢が都市封鎖された時、春節で中国の南Sanyaにいた。空路で帰宅予定だったが、家族のうち娘が熱を出した結果、家族四人が2ヶ月間ホテルで過ごすことを余儀なくされた。ラップトップしか手元になかった先生、新しいラップトップを購入し、オンライン教育プラットフォームテンセント(Tencent)とメッセージングアプリケーションとを使って遠隔講義を実施した。別の武漢の先生も同様にテンセントで、転々とせずに講義を配信した。ただし研究室に入ることが許されて実験も行えるものの学生たちが戻ってきていない。段階1から4までを考え、使える時間が増えたことから、この間に論文2つの投稿に至った。ただし家では、教授としての業務と、学校が休校であるために6歳と9歳のキッズの母としての役目もあった。子供たちの通常の世話、食事、それに学業これらを、無理くり、やりくりしなくてはならなかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 17.

20.4.11

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英国とオランダの

 政治家が「COVID-19試験キットの提供が遅れているのは、コロナウイルスの存在を決定するための抗原検査の際の試薬、特に酵素と緩衝液の不足である」と指摘した[1]。さらにオランダの政治家は、PCR検査のための緩衝液の最も新しい分は、ロッシェが出荷していないと訴えた。オランダのメディア支局は、ロッシェは自国のスイスでの試験のために緩衝液を保持している、それはあかんでしょう、と伝えている。一方でロッシェは、必要な分は欧州や他の地域に供給しているとC&ENに述べている。英国では、試験の必要性が極端に増加しているために危機的な状況であり、それは化学試薬の入手の可能性のためであると指摘されている。いくつかの英国の試薬製造会社は、より良い計画を立てることで、しばらくするとより多くの試薬が利用できるようになるだろうと述べている。今回の危機のような時には、既存の資源を別の目的に利用することも必要であるが、これにはマネジメントと協調が重要である。さらにある会社は1日4百万のCOVID-19試験を可能する試薬製造ができるキャパシティがあると述べている。この量は、UK全体のヘルケアシステムにマッチしている、間っ違いなく。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 11.

20.4.10

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COVID-19の流行で

 およそ2ヶ月以上都市封鎖が行われた武漢[1]。ここでの工業がかなり落ち込んでいる。3月27までのデータは、今年最初の2ヶ月で14%の製造のダウン、利益は39%の落ち込み。化学製造が最も影響を受けて製造・利益それぞれ21%、66%の落ち込みである。2月の半ばより中国では、工場の再稼働を促し86%が再開しているものの多くの工場がフルオープンではない。武漢には、リンの化学工業もあるが3月16日時点で原材料と輸送の課題に直面している。さらに環境保護規則を遵守する難しさもある。リンを含む肥料は春に需要が高まるが、多くの技術者が武漢に、足が向かん様である。また世界的な需要の落ち込みで、モバイル、おもちゃ、衣料品など中国製の製品の注文のキャンセルも事態を悪化させている。これによって中国の海岸地域での輸出を基本にしたプラントの倒産やシャットダウンも起きている。今年の当初の目標である成長率を達成するのは困難で、昨年程度で落ち着けばかなりいい方である。ただし中国の化学工業は危機を乗り越えて強くなったと述べている人もいる。高品質な化学領域で投資家を安心させるとともに、低価格のマスク製造まで展開できていることがエピデミックの間に示された。アカデミックでさらに分析を。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 10.

20.4.9

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新型コロナウイルス

 SARS-CoV-2が昨年末に検出された時、研究者らは、最初の場所からウイルスがどのように人に移動したかを明らかにしようとしていた。コウモリがウイルスの起源ではないかと考えられていたが、コウモリのコロナウイルスは、SARS-CoV-2とは、いくつかの鍵となる点で異なっていた。特にスパイクタンパク質、これが細胞表面の受容体にバインドしてウイルスが生き物に侵入することができるが、そのタンパク質が違っていた。中国の官庁がアウトブレイクと関連していたマーケットを閉じたため、そこで販売されている動物が持つコロナウイルスを試験することができなくなった。それでも広西医科大学と香港大学の研究者らは研究を継続して、わずかな数のセンザンコウに注目した[1]。センザンコウは、鱗状のアリクイ(哺乳類)[2]で、色々やりにくいものの、2017年、2018年には密輸を阻止するための奇襲で捕獲された。そのセンザンコウから単離されたコロナウイルスのRNAは、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質と非常に関連のあるタンパク質をエンコードしていた。このことは新型コロナウイルスがセンザンコウ由来であることを必ずしも示してはいないが、同様の経路で別のウイルスが登場するのを防ぐためには、センザンコウの販売を、マーケットでは行うべきではない、ま〜けとってと言われても。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 8.

DOI: 10.1038/s41586-020-2169-0

[2] ウィキペディア

20.4.8

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自動車製造の

 落ち込みが化成品の需要を半分程度に押し下げている[1]。3月半ば頃に米国や欧州では、キャンセルの最初の波が来た。並ではない規模でサプライチェーンにも波紋を広げている。ある企業はアジア以外にある自動車排ガスの制御系の製造ラインをシャットダウンさせた。別の会社も、中国での需要が回復し始めている中で一時的にプラントを停止した。今回のパンデミックの影響はおよそ62百万ドルであると見込んでいる。自動車1台あたりおよそ3000ドルに相当する化成品が搭載されている。自動車以外にも、凍結防止やハイオクタン価の燃料の原材料であるメタノールの需要も第二四半期では低迷することが予測されている。そこで関連企業は500百万ドルをメタノール製造に投資する予定だったのを、最大18ヶ月延期することにした。化学工業へのパンデミックのインパクトの変化はかなり速い。この前代未聞のペースでは全体を把握することが困難である。通常、経済状況の変化は月ごとであるが今回は日ごとである。他人事ではない。現段階の予測としては、今年の後半には、製造は通常に戻ってくる可能性は高いものの、経済成長は2021年にならないと戻ってこないだろうとのことである。インパクトはコンパクト(小型)であってほしい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 6, p. 3.

20.4.7

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COVID-19パンデミックが促す

 オンライン授業、たくさんの配慮すべき点あり。なじみがない、あるいは抵抗感のある先生方が多いこと。デジタル世代とは言え全ての学生がインターネットにアクセスできるわけではない。またアクセスできる若者全てがテクノロジーを簡単に使えるわけではない。実施の方法としては、リアルタイムで発信して学生がそれを聴講するか、教員が講義を記録、ビデオをアップして学生が別の時間帯に聴講する方法がある。Zoomなどでオンタイムの講義もいいけれども、ストリーミング機能がない場合も多い。それに対して録画したビデオの方が対応はしやすい。ただし録画の際の課題の一つは内臓マイクの性能。適切なUSBマイクはうまくいく。それでも通常の講義のように歩きながら講義をすればその音も録音されてしまう。またマイクのオン・オフの正しい手順も知っておきたいし、実際に学生が何を見ているかをイメージすることも重要である。またオンライン講義の問題点の一つは、学生の理解度や学習の進捗の把握が困難。講義を組み立てる場合のポイント:通常の講義のノーカット版(米国では50分が一般的)よりも、それを扱いやすい塊に分けたほうがいい。一つのトピックで12-15分程度。学生は15分以上のビデオは見たくはないだろう。内容の濃い教材に対して集中力が持続するのは6分程度までではないかとも言われている。いずれにしても多くの教員が、脅威と感じるかもしれないオンライン講義、今日からでも方針を考えてみましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 March 30, p. 20.

Tips for teaching in the time of the coronavirusという記事を、かいつまんで紹介しました。「つまらんで」ではありませんように。

20.4.6

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パンティーストッキングは

 発光する繊維の出現で、最先端のファッションになるかもしれない。ライトアップする織物は通常、ワイヤー、ダイオード、光学ファイバーのような固い部品が組み込まれている。ただしこれらの部分は、材料を柔軟性の欠けたものにし、洗濯も難しい。その中研究者らは、薄いストッキングを金でコートすると、発光材料のための電極をつくることができることを発見した[1]。わずか100 nmの厚さのナイロンやスパンデックスに金コーティングを行うために、溶液をベースにしたプロセスが開発されている。電極は、本来の半透明性と繊維の伸縮性を保持していた。発光繊維製造は、発光層であるZnS:Cu-Ecoflexコンポジットのフィルムを二つの金電極で挟むことで行われている。さらに研究者らは、繊維をパターン化し、ロゴや他の形、さらには動的なディスプレイもつくり0から9までの表示を可能にしている。織物は、穏やかな洗浄と乾燥を10回繰り返した後もその能力を保持していた。加えてこれを組み込んだ衣服は、救助隊や、夜に建設作業に携わる人や、暗くなってから走るランナーにも使ってもらえる可能性がある。ランナーは、いらんな〜とは言わない、多分。

[1] Chemical & Engineering News 2020 March 2/9, p. 17.

DOI: 10.1016/j.matt.2020.01.017

20.4.5

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エモリー大学の

 研究者らによって発見された低分子坑ウイルス薬が新型コロナウイルスによって引き起こされる呼吸器疾患であるCOVID-19に対する試験がまもなく、人で開始される予定である。化合物はエモリーの非営利団体から得たEIDD-2801である。EIDD-2801は、エボラウイルスに対する薬として開発されたものの非承認のレムデシビルと同様に作用する。レムデシビルは現在COCVID-19に対する五つのフェーズIIIの試験が行われている。どちらの分子も、ヌクレオシド類縁体で、体内で代謝されて活性型に変化し、ウイルス複製に不可欠なRNAポリメラーゼをブロックする。ただしレムデシビルは、静脈内投与であり、広く展開することは難しい。一方でEIDD-2801は、錠剤で提供できるため、上手に飲用しうる。一般に多くの抗ウイルス薬はエラーをウイルスのゲノムに入れ込んで作用するが、他のウイルスと違ってコロナウイルスはこれらの間違いを修復することができる。その中実験室の試験では、EIDD-2801は、このコロナウイルスの校正機構に打ち勝つことができる。さらにレムデシビルもEIDD-2801もRNAポリメラーゼをブロックするが、その方法が違っていてそれらは相補的である。ただしEIDD-2801には現段階では安全性のデータがなくて、数週間でのフェーズIの試験で、認可されることが期待されている。レムデシビルの効果にもしびれます。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 March 30, p. 15.

20.4.4

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マラリア治療薬として

 古くから使われているクロロキニンとヒドロキシクロロキニンがSARS-COV-2の治療薬候補として注目されている[1]。先月、サルの細胞でCOVID-19を引き起こしたウイルスを抑制したことが報告された。この薬は安価で安全だけど、重大な副作用、例えば心臓障害や視覚障害を引き起こす。薬の需要が急激に拡大しその不足が病院から伝えられている。その中リン酸クロロキニンを含むクリーナーを飲んだカップルがいて、ご主人は死亡、奥様は入院された。フランスでの試験では、ヒドロキシクロロキニンの服用で患者の病からの回復を助けることが報告された一方で、北京での試験では効果が見られなかった。過去数十年にわたってクロロキニンは、新興病原体に対する抗ウイルス薬候補である。2004、2005年にはSARSコロナウイルス抑制剤として確認された。それ以降も、OC43コロナウイルス、鳥インフルエンザ、エボラウイルス、ジカウイルス、MERS-CoVを含むウイルスのネズミへの感染抑制が試験されている。ただし人に対する研究での成功例は少なく、ウイルス感染治療薬として一度も承認されたことはない。それでも多くの製薬会社は、制約を恐れず、数百万回分の薬の寄付を申し出ている。いずれクロロキニンに、おおきに、と言えますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 March 30, p. 15.

20.4.3

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イタリアに端を発して

 3-D印刷を利用した医療関連機器の提供が始まっている[1]。病院で不可欠な呼吸バルブ、通常の経路では入手できなかった。そこでイタリアの二人のエンジニアが3-Dプリンターで作成を始めた。ただし規制当局が許可を出さなかったため、エンジニアはそれを分解して模倣しなくてはならなかった。このお役所仕事と、部品を設計し製造する時間を考慮すると、3-D印刷が医療デバイス不足の幅広い解決にはならないと、投資銀行の長は、闘志はあっても、指摘している。それでも3-D印刷の会社は、顔面シールドを、オープンソースのデザインをベースに、その設計とプロセスのプロトコールを顧客に提供しようとしている。ひさしを人の頭に保持するフレームは、その会社の樹脂で印刷可能である。さらにこの会社では、鼻咽頭でCOVID-19を試験する綿棒を印刷するための設計も行っている。実際のプリント素材は、歯科材料原料である樹脂が想定されている。すでにそのプロトコールをクリニックに提供している。また別の会社は、ミネソタ、テキサス、カリフォルニアにある設備で、一週間に5000個の顔面シールドの製造を計画している。シールド、知る人ど知〜るど。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 March 30, p. 13.

20.4.2

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ロックダウンを

 制定する州の数が増える中、基本的な化学関連物質を製造する企業で働く人たちもその制限の対象である[1]。ただし消毒剤、殺菌剤、洗剤、医療従事者のための防護服などの需要が増え、その供給の停止は、身を呈して防がなくてはいけない。例えば医療用防護服を供給している企業では24時間体制で稼働し1ヶ月で9百万人分の防護服を供給しようとしている。ただしこの会社が持つ世界中の工場を使っても需要がその製造できる量を超えることもしばしばである。N95保護マスク製造会社は現在年間4億個のそれを製造しているが、その能力を今後12ヶ月で30%増にする予定である。製造には欧州、アジア、ラテンアメリカの設備も利用して、年間の生産量が11億まで拡大できるとしている。酸素や別の医療に必須のガスの必要性は、ガス供給会社の設備の稼働を押し上げていて、急ぎ仕上げたい。さらに手の除菌用ローションのためのゲルを形成するカーボポールポリマーの需要も急激に拡大。ケンタッキーにある製造施設でもその製造を加速させる計画である。いずれにしても化学工業は、人の命を救う医薬品や医療品、食糧調達や社会インフラに必要な材料の供給を継続することが許可されていること、またそれを強化すること、重要である。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 March 30, p. 12.

20.4.1

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