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薬剤開発企業は

 実験室レベルのCOVID-19に対するワクチンの臨床試験を相当に速いスピードで始めている[1]。中国では五つのワクチンの試験が始まり、米国では二つ、さらに今月には三つ目の試験が予定されている。さらに二つが英国とオーストラリアで来週始まる予定である。基礎科学から臨床科学への移行のペースのこの速さは、世界的危機の深刻さが如何に大きいかを示している。WHOは少なくとも70のCOVID-19に対するワクチンが開発中であると述べている。COVID-19ワクチンの臨床試験に最初に取りかかったのは、バイオテック企業のモデルナ(Moderna)で、SARS-CoV-2のゲノムがダウンロードされてわずか66日目のことである。この会社ではワクチンが免疫系にSARS-CoV-2スパイクタンパク質を認識し破壊する様に伝えることができることを期待している。モデルナからもう出るかなと期待したい。多くのワクチン開発者は同様の戦略であるが、別の方法としてモデルナは、メッセージャーRNAの中のスパイクタンパク質をつくる遺伝子のための遺伝子指令をコード化している。中国でCanSino Biologicsは、アデノウイルスのベクターワクチンと呼ばれている遺伝子改変した通常の風邪のウイルスにスパイクタンパク質をコード化している。また二つの大手製薬会社が共同でCOVID-19ワクチン開発に乗り出しているが、この協調は初めてのことである。英国ではアデノウイルスベクターワクチンの臨床試験に500人が参加予定で今月中に始まりそうである。参加者の半数の人にワクチンが、半数の人はプラシーボが投与される。ワクチンで楽ちんを達成したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 20, p. 3.

20.4.21

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