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遷移金属は

 魅力的な反応性を示すものの高価で毒性も示す。それに対して何年にも渡って化学者は、典型元素の反応性を検証し、遷移金属の代替物を提供しようとしてきたが、d-ブロック元素ではない元素からのカルボニル錯体の提供は達成できていなかった。これはおそらくこれらの元素がπ逆供与の軌道を有していないためである。その中今回研究者らは初めて、室温で安定なシリコンカルボニル錯体の合成を報告した[1]。それは、低原子価の典型元素錯体を安定化することが提言されているガリウムβ-ジケチミナート配位子二つでシリコンを強化することでなし得た。研究者らはCOを電子豊富なシリレンとベンゼン中60 °Cで直接反応させて、収率30%でカルボニル錯体を合成した。これまで科学者はこれらの化合物を固体アルゴンのような極低温でしか単離できていなかったが、今回の化合物は溶液中でも安定で、温和な条件下C–CやH–H結合の活性化の反応剤として使うことができる。さらにCO置換反応も進行し、そのふるまいは対応する遷移金属錯体と類似だった。古いままの知識を書き換えよう。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 27, p. 9.

DOI: 10.1038/s41557-020-0456-x

20.5.23

 

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