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Ungrading III

 ある先生のお話。2年生向けの有機化学の講義を担当。多くの学生が受講、中には化学の専攻ではない学生もいる。ここで有機化学を教えることは、多くの化学反応のリストを知ることが目的ではなくて、有機化学は、学生が「抽象的思考」を行う初めてのケースの一つである。ある反応を学び、それを新な状況でどのように適用するかを学ぶことが目的である。理論は存在する。だけどそれをどう活用するかは本人次第である。その先生の講義では、学生が教科書を見ずに問題を解き、その後自分で採点して、修正したバージョンを提出する。中間試験のそれぞれの問題には絵文字を選ぶことで、自分自身の答えの自信の程度を示すことになっている。後の採点で、答えのはずれに加えて、自分の自信の程度のズレやその結果を次に活かすことができる。ただしこの方式は小さなクラスでは有効であるが100名を超える学生のクラスでは採用していない。そこでは中間試験の後、小さなグループに別れて、評価の解説を作成する。その解説(rubric)を作成する議論や、解説の妥当性を集約させるプロセスが評価対象になる。なおungradingアプローチは、COVID-19パンデミックの中で、早急に導入できるものでもない。学生にとって今重要なのは、有機化学の習得状況を自己評価するよりも、生き延びることにエネルギーを注ぐことである。「ungrading」別のアングルからも考えてみたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 April 27, p. 20.

「絵文字」英語「emoji」になっていた。絵文字を門人にも教えてほしい。

20.5.4

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