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冬になると

 世界中の道路に塩がまかれる。その量はおよそ6千万トンである。塩でしおらしくなるわけではなくて、氷を溶かすためである。この道路の塩が上水道を汚染することは知られている。一方で大気の質に対してどの程度の影響があるのか検証されていなかった。今回大気に舞い上がった道路の塩が大気汚染を引き起こしていることが報告された[1]。2016年2月3月にミシガン大学の研究者らは単一粒子質量分析並びに電子顕微鏡法を使って、五つの種類の粒子を特定した。道路の新鮮な塩、道路の何年も経った塩、すす、道路のチリと、燃焼したバイオマスからの粒子である。新鮮な道路の塩粒子は、かなりの量の塩化物を含み、その表面では、二窒化五酸化物が反応し、塩化ニトリル(ClNO2)が生じる可能性がある。ClNO2は塩素原子とNO2に分解し、それが大気化合物と相互作用するとオゾンや粒状汚染物質が生成する。モデリングでは、測定されたClNO2のうち80-100%は、道路の塩エアロゾル由来である。ただ現状の地域における大気環境モデルには、このような排出は含まれていない。道の塩、未知だったのが、見違えるほど、明らかになってきたかな。

[1] Chemical & Engineering News 2020 June 15, p. 10.

DOI: 10.1021/acscentsci.9b00994

20.7.1

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