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遺伝子操作で

 作成されたアデノウイルスベクターと呼ばれるアデノウイルスは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を人の細胞にエンコードする遺伝子を届けることができる[1]。ワクチンから発生したスパイクタンパク質への免疫系の働きが訓練となって、実際のウイルスの侵入を防ぐことが期待されている。開発した中国企業ではフェーズIの試験を108人で実施した。たいていの人の免疫系が発達していた。実際に感染を防ぐ抗体の濃度も測定した。その結果、高用量の人では75%が、中あるいは低容用量の人では50%の人しか、中和抗体を発達させていなかった。この結果に研究者らは少々落胆気味である。さらにアデノウイルスベクターは、通常の風邪を引き起こすアデノウイルスであるAd5をもとにしている。以前Ad5に感染した多くの人はすでに、それを標的とする中和抗体を持っているため、ワクチンに対して強い応答をすることはあまり期待できない。ただし高用量ではこのことも克服できるものの安全性が課題である。フェーズI試験を受けた人のうち81%が、頭痛、筋肉痛、疲労、発熱があった。さらに今後大規模なフェーズII試験、カナダでの臨床試験も予定されている。臨床試験が、輪唱の如く引き継がれて、あり得んでしょうみたいな大きな成果が出ますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 June 1, p. 13.

DOI: 10.1016/S0140-6736(20)31208-3

20.6.2

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