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相転移材料は

 熱を吸収したり放出したりできる材料で、通常はワックスや脂肪酸である。ただしこれらは冷凍温度で使うことはできない。それに対して今回0°C以下でも蓄熱できて光によって熱を放出できる材料が報告された[1]。これは極寒の環境下でも湯沸かし器、エンジンオイルや機械部品を解凍できる有用な材料である。研究者らは光で切替可能なアリールアゾピラゾール化合物から始めて、ドデカノエート基を加えた。材料のE体は、ワックスと同様に60 °Cから90 °Cで融解するのに伴って蓄熱できた。紫外光を照射するとZ体に異性化し、-30 °Cでも安定な液体として2週間保存ができて、そこには熱も同様に貯蔵されていた。ここに可視光を照射すると材料はもとのE体に変化して固体になり熱を放出した。この相転移は数千回繰り返すことができた。この概念は数百mgで披露されたが、実際には数百g必要で、より多くの熱貯蔵も必須である。それでも今回の成果は賢い分子技術で、0 °C以下で液体状態を保つ重要な課題をクリアしている。相転移の利用、想定していましたか。

[1] Chemical & Engineering News, 2020 May 25, p. 7.

DOI: 10.1021/jacs.0c00374

20.6.6

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